前回書いたことをざっくりとまとめますと、次のようになります。
(1)節税だけが目的の保険については、その仕組みをしっかりと把握すること。節税のつもりが、結果として大損ということもありうる。
(2)会社の将来のリスクに備えておくことは重要。役員・従業員の退職金の積立て、という観点からは、内部でためておく(引当金)よりは、政府がやっている共済や民間の保険商品を活用したほうが、税金の計算上有利になる。
本日は、少し刺激的なお話をします。理論的にはこういう節税ができるのではないか、という話です。
具体的には、前回最後に少し触れた、養老保険の逆バージョンです。リバースタックスというらしいですが、その仕組みを簡単にご説明しましょう。
(概要)
養老保険とは、亡くなった際の保険と、満期が来た時に返ってくる積立て部分が合わさった保険のことです。
会社が福利厚生目的でこの養老保険を使用する場合は、亡くなったときの死亡保険は本人へ、満期になって返ってくる分は会社へ、というふうにするのが多いようです(退職金の原資にします)。税務上の取扱いは、保険料の半分は経費(損金)に、半分は資産となります。なお、特定の人にこの保険をかける場合は福利厚生とは認められませんから、経費部分がその人に対する給与になります。
本日ご説明しますのは、これを逆にしたものです。すなわち、死亡保険金は会社へ、満期返戻金は本人へ、とします。
このとき、保険料の半分を経費(損金)とし、残りの半分を本人に対する貸付金とします。以下、どのような節税効果があるのか見ていきましょう。
年間保険料を100、10年とし、満期返戻金はそのまま、つまり100×10=1000とします。税率は、住民税等込みで、法人は40%、個人は50%とします。10年後、満期返戻金を原資として、貸付金を返済してもらいます。
法人側をみますと、保険料として出金が100×10=1000ありますが、貸付金は返済されますのでこの半分の500が戻ってきます。また、保険料計上した500の40%である200は法人税の軽減効果がありますので、△1000+500+200=△300です。
一方、個人側をみますと、満期返戻金として1000入金がありますが、会社に500を支払います。また、この満期返戻金に対して、一時所得として所得税等がかかりますが、この税額は((1000ー500ー50)/2)×50%で112.5となります。すなわち、1000ー500ー112.5=387.5です。
そうしますと、トータルでみて、387.5から300を引いた87.5がお得になる、ということになります。それだけでなく、そもそものお話としまして、会社から個人へ現金を移すという場合、例えば給与として払うとその分所得税がかかりますから、無税で(それどころか87.5のおまけつきで)移転できる、ということにもなります。
このスキームの恐ろしい(?)ところは、例えば、オーナー社長が専務である息子に対してこの保険をかけた場合、会社財産が息子に移転することになるため、相続税をその分免れることができるのではないか(会社株式の財産評価の方法により影響の度合が違いますが、一般論として)、と考えられるところです。
(問題点など)
(1)同族会社の場合、法人税も、所得税も、相続税も、その税負担が不当に減少するような行為や計算については、税務署長が否認できることとされています(同族会社の「行為・計算の否認」といわれます。)。この規定に引っかかるかもしれません。ま、何税が「不当に」減少したのか、よく分からない面もありますので、事前にはなんとも言えないところがあります。否認されますと、延滞税や加算税を余計にとられます。
税務署の判断に納得いかない場合は、不服申立てや裁判ができます。最終的には最高裁で決着をつけます。
(2)保険会社によって、満期返戻金の返ってくる割合などが違いますので、例でご説明したような効果が得られないことも考えられます。事前のシミュレーションが必須です。
(3)昨今の国の財政状況をみますと、近い将来インフレになることも十分に考えられ、そうしますと、掛けた額とほぼ同額の満期返戻金が返ってきたとしても、実質的な価値が大きく目減りしているおそれがあります(これは通常の養老保険などの保険商品についても同様に当てはまります)。
(4)将来、税率などの税金の計算方法が変わる可能性があります。一応、不利益な変更はさかのぼらないという原則がありますが、平成16年に土地の譲渡損の損益通算が禁止された改正の際には、不利益にさかのぼることをOK(合憲)とする裁判例がほとんどでしたので、あまり当てにはなりません。
(5)法人税の軽減効果を前提としていますので、赤字の場合や年間保険料を上回る所得がない場合には、効果が落ちるか、あるいはその効果がマイナスになるスキームです。
(6)上記の損得計算は、金利を度外視しています。本来は、現在価値に置き直して、その損得を考えるべきです。その場合、上記ほどには「お得」にはなりません。金利が高いほど「お得」の程度が小さく(またはマイナスに)なります。一見、保険会社になんのメリットもないように見えるのは、この金利のためです。なお、金利もインフレ同様近い将来上昇するおそれがあります。
(まとめ)
税金の面だけみますと、なかなか興味深いスキームではありますが、問題点をいろいろと検討してみて、かなり緻密な事前の検討が必要そうだ、と感じました。昨今の情勢では、物価と金利の両方で、ちょっと躊躇してしまいますね・・・。それに加えて「行為・計算の否認」((問題点)の(1))のおそれをかんがみますと、ちょっとこれは止めておいたほうがよいのではないか、と考えざるを得ません。
高級車を買うことによる節税、なんかもそうなのですが、節税にはなったが、資産も減ってしまったなら、それは本末転倒です。
というわけで、一番はじめの話に戻ってしまうのですが、本来の保険の機能を使う必要性があることがまず始めにありきで、その上で、同じ機能なら税金を軽減する効果が相対的に高い保険商品を選択する、という流れが、やっぱり通常の行き方であると思います。
本日の本文は以上です。
(本日のお題)
まず、前回のお題から。
期末時点で未使用の消耗品は、経費になるでしょうか?という問題でしたが、一定の場合にはなります。原則としては、使っていない以上は「貯蔵品」なのですが、いちいちそれをしていると煩雑であるところから、実務上一定の場合にはいちいち「貯蔵品」に上げなくてもよいこととされています。
具体的には、「事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。」こととされています(法人税基本通達2-2-15)。
それでは、本日のお題。
同族会社については「お手盛り」になりやすい、ということで、いろいろな税制上の規制がかけられています。本文中でもご紹介しましたが、「行為・計算の否認」はこの典型です。
ところで、同族経営であっても、「会社」でない法人はたくさんあります。たとえば、学校法人ですとか。最近では一般社団法人や一般財団法人もそうです。これらの法人には、同族会社の「行為・計算の否認」は適用されるでしょうか?
(1)される
(2)されない
本日は以上です。ではでは。
実は、節税がらみの保険については、2種類あります。純粋に、節税を志向するものと、本来の保険機能(いわゆる「リスクマネジメント」)に加えて、結果として節税にもなるものです。
この違いが分からないと、「節税」という言葉に釣られて、気づかぬうちに大損をしているおそれがありますし、また、その反対に、本来やっておくべき保険まで遠ざけてしまうことが考えられます。
どうも、これまでの経験上、保険屋さんの言われるがままに、ムダな保険に入っている方と、保険は嫌いだからといって何もしない方の、両極端であるような気がしてなりません。保険の機能をしっかりと頭に入れていただいて、適切に使っていただけるよう、助言していきたいものです。
まず、「純粋に節税を志向する保険」が、どういう仕組みになっているのか、簡単にご説明しましょう。
これは、本来の意味での「節税=税金の額を少なくすること」ではなくて、実際には、税金がかかるタイミングを後ろにずらす機能をもったものです。長い目で見ればあまり変わりません。
通常、掛け捨ての保険であれば月1万円のところ、月10万円という高額にして、その代わりに、一定の時期に解約すればほとんど保険がもどってくる、という、そういう形態をとります。
たとえば、今期から3年くらいは儲かりそうだけど、4年目に多額の経費が必要だ、ということがあらかじめはっきりしているような場合に、この保険をつかう意味があります。
一定の時期に解約することが前提になっていますから、この保険に保険としての機能を期待することは、やめておいたほうがよいでしょう。他に保険に入っていないのに、解約予定の時期より前にガンにかかってしまい、解約したくても解約できず、非常に高額な保険料を払い続けたというケースを実際に見たことがあります。
これに対応するためか、がん保険についても、掛け捨てではない、上記の節税機能をもった保険商品が開発されています。
なお、国税庁は、こういう機能をもった保険商品については、経費(専門用語でいうところの「損金」)に入れることを制限する方向です。「前払費用」と捉えているようですね。節税機能をもった「がん保険」についても、契約日が今年の4月27日以降のものに制限を加えています。
ちなみに、半分しか経費に入れられないものを、業界用語で「ハーフタックス」と呼んでいます。
話が横道にそれてしまいましたが、「どういう理屈で節税になるのか?」をしっかり理解した上でその保険に入らないと、節税どころか大損してしまいますから、よくよくご留意いただきたいと存じます。セールスの方がいくら「節税になる」と言っても、仕組みがよく理解できないもの、必要のないもの(たとえば、赤字なのに節税商品を買う意味はありません。)は避けたほうが無難です。
この一方で、本来の意味での保険機能を活用することは、検討の余地があるように思います。
たとえば、小説『白い巨塔』では、財前教授の医療ミスにより、中小企業の社長が亡くなりましたが、奥様はじめ残された遺族では商売を継続していくことができず、結局、店をたたまざるを得なくなったように記憶しています。
そういうリスクに備えておく、ということですね。
あるいは、従業員の退職金は一時金で「どん」と払わなければなりませんから、それに備えて養老保険(満期又は死亡時に保険金が支払われるものです。満期時には会社へ、死亡時には遺族へ、というふうにしておけば、退職金の原資になるだけでなく、保険料の半分が経費に落ちます(特定の人だけ、という場合は給与扱いです)。残りは資産計上です。)に入るということも考えられます。会社の内部での退職引当金(退職給付引当金の繰入額)は、現在では「経費」として認められていませんので、節税機能もあるといえます。従業員の退職金については、国がやっている中退共というものもあり、それぞれ一長一短ありますから、好みに応じて選択されるとよいかと思います。確定拠出年金なんて制度もあります。
保険については、いろいろ勉強してはおりますが、「餅は餅屋」ですから、保険のプロも交えながら、ご提案をしていければ、と考えております。税理士にご相談される場合には、みなさまがどういうリスクを考えておられるか、そして、今後どういう資金需要がありそうか、話してみられるとよいでしょう。
ところで、養老保険は、上で書きましたように、満期時には会社へ、死亡時には遺族へ、というのが普通だと思いますが、これを逆にして、満期時には本人へ、死亡時には会社へ、とした場合どうなるか、ということで、最高裁判所まで争われた事案が最近ありました。が、長くなりそうなので割愛します・・・興味のある方はこちらをどうぞ。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20120113153829.pdf
(本日のお題)
まずは前回分から。我ながら少し後悔しているのですが、非常に判断がむずかしいです・・・一概にどちらと言えず、その業務に対する対価性があるのかどうか、個別事例により判断していくほかなさそうです(すみません)。例えば、米国のように、その人の業務の報酬が、チップを前提としているような慣習がある場合は、経費となる余地がありそうですが・・・。どちらかというと、交際費にあたり、また、課税仕入れとは認められない事例が多いように思われます。
それでは、本日のお題。期末時点で未使用の消耗品は、経費になるでしょうか?
(1)なる
(2)ならない
本日は以上です。ではでは。
試験研究をすると、その額に応じて税金(所得税、法人税)が少なくなる、という制度があります。ざっくり言って、試験研究費の額の10%前後が税額からマイナスできますので、かなりお得な制度です。
大企業は、ほぼ例外なくこの制度を使っていると思われるのですが、中小企業がこの制度を使っている例は少ないように思います。
おそらく、制度自体はご存じなのですが、皆さん謙虚なので、「試験研究」といってよい水準なのかどうか、躊躇されているのではないでしょうか。
法令を要約しますと、試験研究費とは、
「製品の製造 又は
技術の改良、考案若しくは発明 に係る
試験研究のために要する費用で、
その試験研究を行うために要する
原材料費、人件費、及び経費 など」
と規定されています。(法人は租税特別措置法42条の4第12項1号、同施行令27条の4第6項。個人は租税特別措置法10条8項1号、同施行令5条の3第11項。中身はほぼ同じです。)。ですので、会社の規模ですとか、最先端の「かっこいい」技術かどうかに関わりなく、この試験研究費の定義に当てはまるものであれば、制度を活用して頂いて一向に差し支えない、と考えます。
(ただし、人件費につきましては、「専門的知識をもって当該試験研究の業務に専ら従事する者に係るものに限る。」と規定されていますので、ご留意ください。)
けさ、他の税理士さんとこの話をしていたのですが、例えば、飲食店の、新メニュー開発のためにかかった原材料費や経費は、この制度の対象となる、と考えられます。「仕入」勘定や「手数料」勘定などで一緒くたにしてしまわずに、「試験研究費」科目を設けて、記帳されるとよいでしょう。
そもそも、新製品の開発や、新発明、コスト削減を可能にする新技術開発などを後押しして、国全体を元気にしたい、というのが制度の趣旨でしょうから、ぜひ、どんどん活用していただければ幸いに存じます。
ちなみに、途中ちらっと書いておりますが、法人(法人税)だけでなく、個人事業(所得税)にも適用があります。どちらも青色申告が前提となります。
(本日のお題)
まずは前回分から。個人的には退職所得と考えておりますが、残念ながら最高裁判所は「勤務関係が終了」していないから、退職所得に当たらないと判断しています。おそらくは、給与所得にあたる、ということになるでしょう。
昨今では、終身雇用を前提に会社勤めをする、という例は少しずつ減っているように思います。退職金にまつわる制度設計もいろいろだと思いますが、従業員さんの税負担もご考慮いただければ、と存じます。退職所得と給与所得とでは、税負担が全然異なっていて、退職所得のほうが有利になるケースがほとんどでしょう。
それでは、本日のお題。社員旅行にあたり、バスの運転手さんに、「安全運転をお願いします。」と、心付けを1万円手渡しました。領収書はもらえません。これは会社の経費になるでしょうか?
(1)なる
(2)ならない
本日は以上です。ではでは。
あたりまえ過ぎるせいか、あまり巷で言われていない節税のネタがあります。ちなみに、言ってもピンと来ない方が多いです。
それは、固定資産の棚卸しです。固定資産が、会社が把握しているとおり実際に存在しているか、確認する作業ですね。在庫の棚卸しはさすがにどこの会社さんもやられているかと思いますが、固定資産はどうでしょうか。ちなみに、会計士さんの監査が入っている会社の場合、やらないと「監査報告書」にハンコがもらえない(「無限定適正意見」がもらえない)と思いますが、そうでない会社も、税金の話は度外視しても、本来はやるべきものです。
決算書に、会社の財政状態を表わす「貸借対照表」という資料があるのですが、これに、会社が保有している固定資産も記載されます。以前購入したけど、今はもう廃棄してしまって存在しない固定資産は、本来は「貸借対照表」から除外しなければなりません。しかし、毎期末にきちんと「固定資産の棚卸し」をやって、存在しないものをきちんと確認している会社がどれほどあるか、少々心もとないですね。
なぜ、これをやると節税になるのでしょうか? 固定資産は、一定のルールに基づいて、少しずつ費用にしていきます(土地等は除きます。)。これを減価償却といいます。そうして少しずつ帳簿上の価値を減らしていくという仕組みなのですが、もうすでに廃棄してしまった固定資産については、残った帳簿上の価値(帳簿価額といいます。)を、廃棄した事業年度に一度に費用化します。こうして、費用にできる額が増えるので、節税になる、という次第です。
これは、やるかやらないか選択できる、というものではなく、上で述べましたとおり、本来はやるべきことなのですが、とくに個人事業主の確定申告をお手伝いさせていただきますと、明らかにもう存在しないであろう固定資産を、相変わらず減価償却の対象にしている例を、よく見かけますね。
これを読まれている皆様は、ぜひ、毎期末に、固定資産の棚卸しをするようにしてくださいね。ちなみに、費用にできるのは廃棄した事業年度なので、もし、処理を忘れている固定資産がある場合は、過去にさかのぼって修正をする必要がありますが、さかのぼることのできる期間は限られています。思い当たる資産がもしおありの場合は、お問い合わせくださいませ。
なお、実際に、廃棄をしていなくても、一定の場合には、除却(残った帳簿価額を費用に落とすこと)ができます。これは「有姿除却」といわれています。法人税基本通達7-7-2にあります。ご参考までに、掲げておきます。
【法人税基本通達7-7-2】
次に掲げるような固定資産については、たとえ当該資産につき解撤、破砕、廃棄等をしていない場合であっても、当該資産の帳簿価額からその処分見込価額を控除した金額を除却損として損金の額に算入することができるものとする。
(1)その使用を廃止し、今後通常の方法により事業の用に供する可能性がないと認められる固定資産
(2)特定の製品の生産のために専用されていた金型等で、当該製品の生産を中止したことにより将来使用される可能性のほとんどないことがその後の状況等からみて明らかなもの
(引用終わり)
また、ソフトウェアも、金額の大きいものは固定資産となり、減価償却の対象となりますが、これについても、どういう場合に「除却」ができるか、法人税基本通達7-7-2の2にあります。ご参考までにこれも掲げておきます。
【法人税基本通達7-7-2の2】
ソフトウェアにつき物理的な除却、廃棄、消滅等がない場合であっても、次に掲げるように当該ソフトウェアを今後事業の用に供しないことが明らかな事実があるときは、当該ソフトウェアの帳簿価額(処分見込価額がある場合には、これを控除した残額)を当該事実が生じた日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
(1)自社利用のソフトウェアについて、そのソフトウェアによるデータ処理の対象となる業務が廃止され、当該ソフトウェアを利用しなくなったことが明らかな場合、又はハードウェアやオペレーティングシステムの変更等によって他のソフトウェアを利用することになり、従来のソフトウェアを利用しなくなったことが明らかな場合
(2)複写して販売するための原本となるソフトウェアについて、新製品の出現、バージョンアップ等により、今後、販売を行わないことが社内りん議書、販売流通業者への通知文書等で明らかな場合
(引用終わり)
以上、「とある節税のネタ」でした。「固定資産の棚卸し」をしますと、不要資産の処理が進みますので、場所の効率的利用にも効果が期待できます。
以下、私事ですが、「全日本柔道選手権」燃えましたね〜。90キロ級の加藤選手が優勝されました。重量級でない選手が優勝したのはしばらくぶり、だとか。最後の技「隅落とし」は、石井選手の自滅にも見えましたが、角度の違う動画をみますと、「大内刈り」をかわして体を入れ替えている、ように見えました。その前に、石井選手が、奥襟をとろうとして、加藤選手に脇の下をもたれるのですが、「大内刈り」(内股かも?)はそれを振り払おうとしたようにも見えましたね〜。いずれにせよお見事でした!
(本日のお題)
まず、前回の解答から。所得税基本通達36-26からの出題ですが、これは(2)でしょう。寄宿舎という言葉の定義がないので微妙と言えば微妙ですが、そもそも、少額であって、入居者の各人ごとにいくらの利益を受けたか明らかでないから、というのが、この通達の趣旨のようです(『所得税基本通達逐条解説』(大蔵財務協会、初版、平成19年)273頁)から、裏を返すと、各戸ごとに利用料が把握される社宅の場合はダメだろう、という判断です。おおもとの大原則は課税ですから・・・。なお、同書には、「一般の社宅(ワンルーム形式の独身寮等を含む。)の電気料等については適用されないことに注意する必要がある。」とハッキリ書いてあります。
では、本日のお題です。就業規則に、入社後10年で定年にする、という制度を設けました。再雇用されるかどうかは保証されていません。ただし、実際のところは、ほとんどの方が再雇用されています。
この場合、10年定年時に支払われる退職金は、「退職所得」でしょうか、「給与所得」でしょうか?(退職所得のほうが税負担が小さくて済みます。)
(1)退職所得
(2)給与所得
(3)その他
本日は以上です。ではでは。
しばらく前に報道されていたかと思いますが、法人税の税率が下がっています。24年4月1日以後に開始する事業年度からです。
大企業については、30%から25.5%になっています。
中小企業については、800万円超の部分は大企業と同じですが、800万円以下の部分については、18%から15%に改正されています。
法人税の制度上、なにが中小企業で、なにが大企業か、については、正確に書くとかなり長く複雑になりますので、ごくおおざっぱに申しますが、資本金が1億円以下だと中小企業です。ただし、資本金5億円以上の会社の子会社である場合、大企業と同じ扱いになったりします。
さて、税率に関しては、下がるほうだけでなく、上がる改正もなされていまして、「復興特別法人税」が新たに導入されています。
これは、3年間限定ですが、おおざっぱに申しまして、法人「税額」の10%(所得の10%ではありません。)です。
結局、増えるほうが小さいので、全体としては減税になっております。
実務的に注意が必要だと思われますのは、じつは所得税のほうでして、「復興特別『所得』税」もあらたに導入されています。かかってくるのは25年1月からです。
これは、通常の所得税に2.1%を掛け算して計算します(所得「税」の2.1%です。所得の2.1%ではありません)が、めんどうと思われるのが源泉の実務です。
給与の所得税については、税務署から送られてくる「税額表」に当てはめれば源泉の数字がでますが、年が明けたら(って、まだ7ヶ月ちょっと先ですがw)ちゃんと忘れずに改正後の「税額表」に切り替えることが必要です。
なお、給与は、支給日をベースに判断しますから、24年12月分給与であっても、毎月翌月10日支給であるような場合は、25年1月の給与所得として、「復興特別所得税」がかかってくることとなります。逆に、25年1月以降に支払う給与であっても、支給日が24年以前である場合は、「復興特別所得税」はかかってきませんので、ご留意ください(国税庁の「復興特別所得税(源泉徴収関係)Q&A」6頁、Q12)。
また、われわれのように、お客様に報酬を請求する際に源泉所得税額を差引する商売の場合、10%を差し引くケースですと10.21%、20%を差し引くケースですと20.42%、というふうに、数字が変わります。
Q&A(5頁)によりますと、手取りで10万円を支払う場合、総額の計算は、10万÷(100−10.21)%=111,370.976・・・→111,370円(1円未満切り捨て)となります。
また、預金利子から天引きされる源泉所得税についても、「復興特別所得税」があわせて徴収されますので、従来、国税15+地方税5=20%で計算していたものが、25年1月以降は、国税15.315+地方税5=20.315%で計算されることとなります(ジャパンネット銀行のホームページを参考にしました)。
すなわち、通帳の数字を元に、割り返して利子の総額を計算する場合、0.8から0.79685になる、ということですね・・・。
直前の時期にあらためてアナウンスすると思いますが、今のうちから頭の片隅にでも置いて頂けたら幸いです。
(本日のお題)
まず、前回の解答について。交際費の相手方は「事業に関係のある者」と規定されておりまして、役員や従業員もこれに含まれると解されます。ですから、社長を高級料亭でもてなした、ということになりますと、「接待」に含まれるということで、交際費とされる可能性がありますね。
では、本日のお題。所得税の通達に、会社の寄宿舎の水道光熱費については、会社負担でよい(入居者の給与などとして課税しなくても良い)というものがありますが、この「寄宿舎」に、社宅は含まれるでしょうか?
(1)含まれる
(2)含まれない
本日は以上です。ではでは。
3月末に、さりげなく税制が変わっています(去年はあれだけゴタゴタだったのに)。24年税制改正のうち、私が考える主なものをピックアップしてご紹介いたします。
まず、給料に対する所得税について、2つ、改正がなされています。
(25年1月分からの改正です。)
2つとも、「給与所得控除」に関するものです。
給与所得控除といいますのは、給料収入から、経費分として引いてくれるものです(厳密に言いますと、身一つで働いた収入は、資産運用収入と比べると税を担う力(「担税力」といいます。)が小さいので、その分の調整も含んでいます。)。
従来の「給与所得控除」は、給与の額が低い部分には手厚く、上に行くに従って小さくなる仕組みだったのですが、その点は変わっていません。変わったのは、上限が出来たことです。
たとえば、従来は、給料が1億円のとき、給与所得控除はつぎのように計算されていました。220万円+(1億円−1000万円)×5%=670万円
これが、平成25年からは、上限額の245万円になる、というわけです。
ちょうど、給与収入が1500万円で、計算上の給与所得控除が245万円となりますから、そこで頭打ち、ということですね。給与1500万円以上の場合は、給与所得控除は245万円で固定ということです。
法人成りのメリットが小さくなりますので、法人成りをご検討されているかたはご留意ください。
もうひとつの給与所得控除に関する改正は、サラリーマンにとって朗報かもしれません。
給与収入が同じなら、誰でも給与所得控除の額は同じになりますが、この一律の概算控除の代わりに、実額で申告できる、という制度のことを「特定支出控除」といいます。これは、実は従来からあります。
ただ、日本全国でこの制度を使う人はほとんどいなかったそうです。なぜかといいますと、経費ならなんでもOK、というわけではなくて、通勤費、転任転居費、資格取得費(弁護士等のぞく)などに限られていたからです。
この特定支出控除の対象となる経費が拡大された、というのが、改正の内容です。これも平成25年分からの適用になります。
具体的には、まず、給与所得控除の額の半分は、先ほど書きました担税力(税を担う力)の調整の観点で、無条件に経費分として認められます。
さらに、経費の対象として、上記の通勤費等に加えて、弁護士、公認会計士、税理士等の資格取得費が認められました(仕事に必要な分に限られます)。さらに、書籍、服、交際費等(これらの合計で65万円まで)も経費として認められました。
背広を入れていいのかとか、自己啓発本は含まれるのかとか、自腹を切って取引先と飲みにいった場合とか、いろいろ気になりますが、おいおい詳しい話が出てくるかと思います。また詳細が分かりましたらお知らせしますね。
つぎに、退職金がらみの改正です。退職金の所得税は、かなり大きな控除(退職所得控除)がありまして、さらに、その控除後の金額を2分の1したものに対して税率を乗じるという仕組みです。
大雑把に申しまして、役員、議員、公務員について、勤続年数が5年以下の場合(たとえば、天下り先で3年間役員をする、とか)、上記の2分の1をしない、というのが改正の内容になります。これも、25年分以後です。
退職の時期を検討されるのに、この点もご留意くださいね。
もうひとつ、重要な改正として、国外財産が5000万円超の方は、その国外財産の明細(国外財産調書)を税務署に提出しなければならないこととなりました。提出期限は確定申告と同じ3月15日です。
「財産及び債務の明細書」は、あまり厳しく言われない印象をもっていますが、この国外財産調書については、出さなかったり記載不備の場合のペナルティ(+5%)がありますから、要注意です。逆に、ちゃんと書いておれば、加算税を5%まけてくれることになっています。
12月末時点の国外財産を、翌3月15日までに提出、ということなのですが、これは26年1月1日以後提出分からの適用になります。
以上、24年税制改正のダイジェストでした。
(本日のお題)
まずは、前回の解答から。
厳密なところは省略しますが、ざっくり言いますと(2)です。ただし、返せないのを知ってて保証人になったような場合は(1)ですね〜
それでは、本日のお題。
支店の工場長が、本社から来られた社長を、高級料亭でもてなしました。経費で落とすつもりですが、税金の計算上、なにか問題があるでしょうか?
(1)問題ない
(2)問題ある
本日は以上です。ではでは。
私自身、税理士事務所の経営をしていて思うのですが、今のところは決算書をきちんと組んで、損益の状況や財政状態の把握をする必要がありません。
今の規模なら、通帳を眺めておれば大体わかるからです。
開業して間もない頃は、きちんとした月次決算をすることは会社経営の絶対条件だ、と思っていましたので、営業先の社長さんにそのように言われたときは、「もっと月次決算の重要性を世の中に広めなくては・・・」なんて僭越ながら感じたのですが、いまはその社長さんの考えがよく分かります。
起業して間もないころは、それで良いと思いますし、そもそもそんな時間もカネもありません(自分自身がそうです)。まずは、事業を軌道に乗せることが最重要課題です。
おそらくは、事業が軌道に乗ってからも、経営にとっての最重要課題は、利益ではなくキャッシュでしょう。これは、自分自身が資金繰りに苦労してみないと分からないことです。
しかし、資金繰りの問題から解放されて、企業を計画的に成長させていこう、という段階になってきますと、やっぱり、いかに利益を上げるか、そして、その利益をどうやって増やしていくか、ということに、自然に目が向いてくるように思われます。
そしてそのとき、できるだけリアルタイムで利益の実績が欲しくなるはずです。
会計が、単なる税務申告のためのものでなく、経営の道具として役に立つのはこのタイミングでしょうね。
しかし、「経営の道具として役に立つ会計」は、中小企業にとっては、これまで存在していたかどうか疑問です。会計の世界はどんどん複雑になる一方で、さらに最近では国際基準にあわせるということで、ますますややこしくなってきています。まともに取り組んでいたら、会計じたいがコストである、という、本末転倒になるでしょう。公認会計士や監査法人の会計監査が法律で義務づけられていない会社にとっては、導入するインセンティブはないでしょうね。
いちおう、中小企業の会計に関する指針、というものもありましたが、これは中小企業用とはいっても会計のプロ向けのもので、どちらかというと、会社経営のためというよりは債権者(銀行)や株主用のもの、という感じだったように思います。
そんななか、ついに登場した、といってよさそうな会計基準が誕生しました。「中小企業の会計に関する基本要領」です。
ざっと見た感じ、かなり使えそうな会計基準です。個人的にはこれで十分と考えます。経営者がこれをみて、自分で「きちんとした決算書」(会社法準拠)を作れてしまい、さらに経営情報の確認ができてしまいますので、税理士としては正直いってかなり微妙ですが(笑)、世の中的にはかなり良いものができましたね。ぜひ、経営の改善に活用して欲しいと願っております。
・・・さて、私事ですが、金曜日、バイオリニストの宮本笑里さんのコンサートを聞きにいってきました。宗次ホールです。以前よりお世話になっている先輩がここの会員なので、最前列で聞くことができました。ありがたいことです。
テレビにもよく出られている方なので、ご存じの方も多かろうと思いますが、いやあ、お人形さんみたい(笑)に可愛かったですね〜。目の保養になりました。ちゃっかりサインも頂いてきましたよ〜。
バイオリンのほうも良かったですね〜。好みはいろいろあると思いますが、個人的には、宮本さんの奏でる音の色や、その音の色のバラエティ、そして、コンテクストに合わせたその選択に、プロを感じました。毎日相当練習されて、また、表現にもいろいろ工夫をされておられるのだろうと思います。
その先輩曰く、2年ほど前よりも上手くなっているように聞こえたのだとか。我々はど素人なので専門的なことは分かりませんが、きっと、有名になったことで慢心しないで、日々精進されておられるのでしょう。先々が楽しみな方です。自分も頑張らなくては。ではでは。
(本日のお題)
前回の正解は、(2)です。課税売上高が5億円前後の場合、当期が対象になるか微妙だと思いますが、対象になる前提で準備を進められたほうがよいでしょうね。
それでは、本日のお題。
息子が商売を始める、というので、借金の連帯保証人となっていたところ、数年後、商売が上手く行かなかったので、保証人として、先祖伝来の土地を処分してその代金を返済に充てた、とします。
このとき、土地の譲渡所得には課税されるでしょうか?
(1)される
(2)されない
本日は以上です。それではまた。
新年度ですね〜
3月決算会社の場合、4月1日から新しい事業年度が始まっていますね。
課税売上高が5億円超の会社さんには、留意して頂きたい事項があります。
消費税は、販売の際にお客様からお預かりする分から、仕入れの際に仕入れ先に支払う分を差し引いて、税務署に納めます。
すべての売上げについて、お客様から消費税をお預かりせねばならないか、といいますと、そういうことはなく、非課税の売上げというものがあります。例えば、土地の販売ですとか、あるいは、住宅の家賃などです。
こういう非課税の売上げの場合、お客様からお預かりする消費税がないですから、仕入れの際に支払った消費税があっても、差し引く相手がない、ということで、引けません。
たとえば、土地を販売するにあたり、その土地の造成費用がかかった、という場合、造成費用自体は消費税の課税対象なので、業者さんに消費税を含めて造成費を支払っているはずですが、その消費税は引けない、というわけです。
問題は、一つの会社に、課税売上げと非課税売上げが混ざっている、というケースなのですが、普通預金の金利なんかも非課税売上げですから、たいていの会社には課税売上げと非課税売上げが両方あります。この場合、仕入れを、課税売上げにのみ要する仕入れと、非課税売上げにのみ要する仕入れ、それから共通のものに分けて、「引ける部分」を計算する必要があります。
ただ、この計算は非常にめんどうですから、課税売上げの割合が95%以上である場合は、それはやらなくてもいいですよ、というのがこれまでの制度でした。
ところが、冒頭に書きましたとおり、課税売上高が5億円を超える場合には、95%以上であっても、それをやらなくちゃいけなくなりました。制度が変わったのです。
4月1日以降に開始する課税期間から、ということですから、3月決算の会社の場合、もう新しい制度になっている、ということですね。
会計ソフトに仕入れや費用を入力する際に、課税売上げにのみ要するものか、非課税売上げにのみ要するものか、それとも共通か、ということを、ひとつひとつ判断した上で入れていかねばなりません。
なお、共通に入れたものは、原則的には課税売上げの割合を掛け算して、引ける部分を計算することになりますが、課税売上割合が絶対的な基準というわけではなく、「準ずる割合」(従業員や床面積など)という制度があります(消費税法30条3項。税務署長の承認が必要です。)し、また、消費税法基本通達11-2-19では「合理的な基準」による区分も認められています(生産実績などの合理的な基準により、課税対応と非課税対応とに区分することが可能なものに限られます)。
また、一括比例配分方式といって、課税売上げにのみ要するもの、非課税売上げにのみ要するもの、共通、という区分をせずに、課税仕入れ全体に課税売上割合を掛け算する、というやり方もありますが、この場合、「準ずる割合」や「合理的な基準」は使えませんし、これをやると不利になるケースが多いです。このやり方は2年継続しなければならない、という制約もあります。
以上、留意点でした〜
(本日のお題)
まず、前回のお題から。法人の場合、アウトです(法人税法55条)。個人の場合、直接否定する規定を見つけられないのですが、そもそも対応する収入がないので、家事費になりそう(したがって必要経費にならない)な気がします・・・あんまり自信ないです。いずれにしても、そういうことはやらないでくださいな(汗)
では、本日のお題。
上の課税売上高5億円ですが、これはいつの課税売上高のことでしょう?
(1)2期前(基準期間)
(2)当期
(3)その他
関係者の皆様、そして、ややこしい税金のルールと格闘しながら、自分で申告書を作られた皆様、お疲れさまです!
わたしはこの確定申告時期に、なにをしていたかと申しますと、確定申告書の作成は、実はほとんどやってません!自慢じゃないけど(笑)まだ個人のお客様がほとんどない(昨年8月開業)ので、もっぱら公的な無料相談をやってました。
無料相談はいろいろあるのですが、一番多かった仕事は、電話相談ですね。東海4件の税務署にかかってくる確定申告の電話相談を受けるお仕事です。1日60件弱で、のべ12日間従事しました。
この仕事はめちゃくちゃ勉強になりましたね・・・個人的に、所得税の勉強は相当やりましたが、それでも追いつかない質問が多く、サポート担当の国税局の専門の方に教えてもらうことが少なくなかったです。この場を借りて、厚く御礼申し上げます。税理士のくせにそんなことも知らんのか!と怒られそうなことが最初は(今も?)多かったと思いますが、おかげさまでだいぶレベルが上がりました(自社比)。
電話相談をやっていて、もっとも多かったご質問は、23年分から導入されている、公的年金等の収入が400万円以下で、それ以外の所得が20万円以下の場合は、申告不要という制度ですね。還付の場合は申告OKということと、住民税の申告は必要な場合が多いこと、さらに、そもそも収入と所得は別物ということの説明に難儀しました。消費税の簡易課税や青色申告の簡易簿記同様、ちっとも簡易でない・・・
収入と所得のちがいは、事業所得者なら容易に分かってもらえますが、サラリーマンから年金所得者になった方には分かりにくいですよね。所得税額控除の説明は、今でこそ概算経費と担税力調整とされていますが、昔はこれに加えて金利調整と捕捉度調整なんて言われた時期もあったらしいですし。まして公的年金等控除の趣旨は、私自身よく分かりません(社会保険料が所得控除である関係で、二重控除という意見のほうが正当という考え方が頭にあります)ので、なかなかそこら辺は歯がゆい想いをしました。淡々と、70万または120万に当てはめるケースが多かったですね。
それから、個人的に考えさせられたのが、医療費などを「誰に付けるか」という話です。
所得税の、「所得から差し引かれる金額」、すなわち、所得控除には2種類あって、「支払った系」と、「人的控除系」があります。前者の代表例が「医療費控除」「寄附金控除」「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」、後者の代表例が「基礎控除」「配偶者控除」「扶養控除」「基礎控除」です。雑損控除はどっちにも属さないかな。
法律の条文を読むと、「支払った系」については、「支払った」と書いてあります。家族の医療費を、都合のいい人に付けていいというわけじゃないんです。
旦那さんの確定申告で、これ以上医療費をつけても意味がないところまで来たら、のこりは奥さんの確定申告で、というのは、アウトなんです。
このことが端的にあらわれるのは、奥さんが65歳になって、奥さんの公的年金等から介護保険等が特別徴収されるようになった場合でして、それまで旦那さんが払って旦那さんの「社会保険料控除」を受けることができていたのに、奥さんが年金をもらえる年齢になって、特別徴収(要するに年金から天引き)されるにいたって、それができなくなってしまう、というわけで、それはおかしい、というのは、たしかにもっともなご意見なんです(この場合、奥さんが支払ったことになるので、旦那さんの確定申告では使えません)。
先週書きました、外国人の税務相談の件で知ったのですが、米国は夫婦合算で申告だとか、ここら辺、戦後我が国は個人主義に力を入れすぎて、社会通念と乖離しているのかも知れません。2分2条の裁判例なんてのもありましたね。
夫婦の件は、憲法24条などによって争えば、今の最高裁なら勝てるかも、です(最近の最高裁はかなりリベラルっぽい)。そもそも、社会保険関係は、内縁関係を認めていて、税務はそれを認めていない、というねじれの中で、こういう社会情勢ですからね・・・。少子高齢化をなんとか食い止めたいという政策的観点もあわせると、「家族合算」的な発想が社会通念と合致しているのかもしれません。税法の場合、憲法84条と借用概念の発想があるので、なかなか難しいですけれど。
それにしても、年のせいか(笑)、今頃になって疲れがどっと出ています・・・肩こりがひどいですね。
(本日のお題)
まずは前回のお題から。これ難しいですよね・・・普通の個人の相続の場合は(4)です。法人に対する遺贈ですとか、あるいは限定承認(亡くなった方の借金を差し引いても、相続財産がプラスの場合のみ相続しますよ、というもの)があった場合は(2)です。
ちなみに、この問題は、きちんとみなさんのアンケートをとって、「社会通念はこうだ」なんて論文を書いてみたいテーマではあります。税法の知識がなければ、(1)じゃないかな、と予想しますが。
それでは、本日のお題。
脱税に協力した人に支払った手数料は、経費(必要経費または損金)になるでしょうか?
(1)なる
(2)ならない
昨日、名古屋国際センターに行ってきました。
外国人の確定申告無料相談、のためです。
私が担当させて頂いたのは4名で、国籍はそれぞれ米国、カナダ、タイ、イギリスでした。皆さん英語を話されるのですが、私自身英語がそれほど堪能というわけではないので、通訳の方といっしょです。
皆さん、異国の地で頑張っておられるせいか、お世辞抜きにいい方ばっかりで、おかげさまでつつがなく進みました。通訳の方も、通訳だけでなくいろいろ助けて頂き、また、名古屋国際センターの方にはいろいろ準備・手配していただき、感謝しております。
国際税務はちょっと敷居が高いですし、また、外国の方が相手ということもあって、少し緊張していたのですが、無事に終わってほっとしております。もっと勉強して、もっと複雑な案件にも対応できるように、準備を進めようとおもいます。
手元に、増井良啓先生が書かれた『国際租税法』という書物がありまして、100頁くらい読み進めているのですが、自分なりに手応えを感じています。
そういえば、今日は3月11日なんですね・・・合掌。
<ためになる?税金クイズ>
まず、前回の解答から。
「生活に通常必要な動産」の譲渡所得は非課税とされていますので、通常は(1)でしょう。これは、利益が出ても税金を払わなくていい代わりに、損が出ていてもその損失を他の黒字との相殺に使えない、ということです。なお、まだ自動車が今ほど日常的でなかった頃に、「生活に通常必要な動産」ではないとされた裁判例があります。
では、本日のお題。
土地を相続しました。相続人が、相続税を捻出するために、この土地を1億円で売った場合、土地の譲渡による所得(所得税の課税対象)はいくらでしょうか?相続税の評価額は8000万円、被相続人(亡くなった方)の取得費は1000万円です。
(1)相続税は8000万円に対してかかっているので、税法上は8000万円の取得ということになり、1億マイナス8000万円で2000万円。
(2)相続の時点で譲渡があったとみなされる。したがって、1億マイナス1000万円の9000万円が、被相続人(亡くなった方)の所得税の申告の対象となる(いわゆる準確定申告)。相続人の譲渡所得は、1億マイナス1億でゼロ。
(3)被相続人の取得費が相続人に引き継がれる。したがって、相続人の譲渡所得が、1億マイナス1000万で9000万円となる。
(4)基本的には(3)ですが、相続税と所得税のダブルパンチは気の毒なので、一定の場合には取得費に相続税が加算される。
(5)その他
本日は以上です。
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