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神戸:ファルコンの散歩メモ

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今年の読書(49)『おいしいの「ものさし」』上野直哉(フォレスト出版)

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今年の読書(49)『おいしいの...
日本料理の枠にとらわれない自由な発想と地の素材への真摯な姿勢により、ミシュランガイドで5 年連続二つ星を獲得しています著者<上野直哉>さんは、1970 年大阪府生まれ。老舗「㐂川」創業者<上野修三>の次男。18 歳で京都「菊乃井」主人<村田吉弘>に師事。2004 年、神戸に「玄斎」(神戸市中央区中山手通4-16-14)を開店しています。
 
本書は、レシピに頼らない料理のしかたとして、“レシピを見るのはいい。けれども、レシピに縛られすぎていないか? という問いを私たちに投げかけています。
 
帯に一文を寄せてます「菊乃井」の< 村田吉弘>さんは昨今、「アレンジのアレンジ」のような食のエンタメ化に警鐘を鳴らしておられ、奇しくも弟子である<上野直哉>が呼応したような形となっています。
 
「味見をして、少し違うと感じたら、自分の味に調整する力」、「何度か作ってみることで、自分なりの正解が見えてくる」「誰かのレシピ」ではなく、「自分のものさし」で料理をすることを説いています。どなたの料理本か著者は失念しましたが、使用する調味料の材料だけの料理本がありました。数字はミスプリントもあり、信用すべきものではきなく、自分の舌だけが頼りだという考え方に納得しました。
 
「料理に伝承された〈技〉など存在しない」「〈おいしい〉は他人ではなく自分が決めるもの」といった発言の数々は、伝統や常識に囚われがちな現代の料理観に一石を投じる内容となっており、料理人に限らず多くの読者の共感を与える内容だと思います。
#ミシュランガイド #単行本 #和食 #読書

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今年の読書(47)『ミス・サンシャイン』吉田修一(文春文庫)

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今年の読書(47)『ミス・サン...
映画化されました『国宝』が、邦画実写映画第2位の興行収入となっています原作者<吉田修一>さんの最新文庫『ミス・サンシャイン』は、2022年1月に刊行されていますが、2025年8月5日に文庫本が発売されています。
 
本作は、伝説の映画女優「和楽京子」こと「石田鈴」の波乱万丈な映画人生を描き、島清恋愛文学賞を受賞した長篇作品です。
 
大学を卒業後商社に勤めた「岡田一心」は会社を辞め、映画演劇研究の大学院生となり、指導教官「五十嵐教授」の推薦で、伝説の映画女優「和楽京子」こと「石田鈴」の自宅で映画資料などの荷物整理を手伝うことになります。長崎出身の引退した今なお美しい「鈴さん」の胸に秘められていた波乱万丈な映画人生、原爆が奪った運命と大切な人たち、アメリカでのハリウッド生活などその過去に触れるうち、自分自身の恋愛の失敗を重ね合わせ一心の胸にあたたかな光がともり、人生に活路を見いだしていきます。
 
実在のモデル女優がいるのではないかと思わせるほど、戦後から現在における、映画業界のち密な構成に、映画ファンならずとも感動を覚える一人の女優の生きざまが凝縮された一冊でした。
#文庫本 #映画 #読書

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今年の読書(47)『爆弾犯の娘』梶原阿貴(ブックマン社)

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今年の読書(47)『爆弾犯の娘...

著書<梶原阿貴>の『爆弾犯の娘』は、彼女の父親が指名手配された連続企業爆破事件の実行犯としての生涯を描いた自伝的ノンフィクション小説で、2025年6月24日に発売されています
 
本書は、1974年から75年にかけて起きた連続企業爆破事件に関わった<桐島聡>の逃亡生活をリアルに描き、彼女の視点から父の過去を通じて世代間の歴史の継承や反省をテーマにしています。<梶原阿貴>は、父の経験を基にした映画制作を通じて、自らのアイデンティティや社会問題に向き合う姿勢を示しています。  

<桐島聡>は、1970年代、連続企業爆破事件の実行犯の一人として指名手配されていました。 50年もの逃亡の末、2024年1月に実名を明かして亡くなっています。
 
彼の生き様を描いた、2025年7月4日公開の映画『「桐島です」』(監督:高橋伴明)は、当時の学生運動の描写がリアルに描かれています。 本作のシナリオを書いたのは、同じく<高橋伴明>監督とタッグを組んだ『夜明けまでバス停で』で数々の評価を得た注目の脚本家<梶原阿貴>でした。
 
 1973年生まれの<梶原阿貴>がなぜ、この作品を克明に書けたのか、 それは、彼女の父親も「桐島聡」と同じように爆破事件に関与し指名手配され逃亡していたからでした。1971年(昭和46年)に起きた新宿クリスマスツリー爆弾事件の実行犯の一人<梶原譲二>(元俳優)が父親であることを、本署で明らかにしています。逃亡の中で生まれた娘。1985年12月、自ら警察に出頭して逮捕されるまで、事件から14年間、家族3人で逃亡生活を続け家族は嘘を重ねていき、娘は嘘の渦に翻弄されます。
 
 
 
#単行本 #映画 #読書

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今年の読書(46)『審議官』今野敏(新潮文庫)

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今年の読書(46)『審議官』今...
<今野敏>による「隠蔽捜査」シリーズも13作目の最新刊となります単行本『一夜 隠蔽捜査10』が(2024年1月17日)に刊行されていますが、新潮文庫としての本書『審議官 隠蔽捜査9・5』で12冊目です。
 
「隠蔽捜査」シリーズファンとして、2023年1月に刊行されています本書の文庫本は、2025年9月1日の日付の発売ですが、予約していましたので、早めに入手できました。
 
警視庁の降格人事での大森署署長から、神奈川県警刑事部長に移った「竜崎伸也」の前後を中心に短編は構成されています。
 
本書は、シリーズのスピンオフ的な短編集として、9編が収められています。主人公「竜崎伸也」だけではなく、警察官僚の家族としての「妻:冴子」・「娘:美希」・「息子:邦彦」も登場、シリーズを読み続けている読者にはおなじみの「戸高」や「根岸紅美」、前作『探花 隠蔽捜査9』の事件で登場した「リチャード・キジマ」や「息子:邦彦」のポーランド関連などが登場してきますので、非常に楽しめる構成になっています。
#文庫本 #読書

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今年の読書(46)『クロコダイル・ティアーズ』雫井脩介(文春文庫)

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今年の読書(46)『クロコダイ...
<雫井脩介>の第168回直木賞の候補作となりました『クロコダイル・ティアーズ』は、2022年9月26日に刊行されています。文庫本として、2025年8月10日に発売されています。
 
駅前商店街の再開発ビル建設に直面しています老舗の陶磁器店「土岐屋吉平」を営む熟年の「貞彦・暁美夫婦」は、近くに住む息子「康平・想代子」夫婦や孫「那由太」と幸せに暮らしていました。ところが、息子「康平」が何者かによって殺害されてしまいます。
 
犯人は、息子の妻「想代子」の元交際相手「隈本」でした。被告となった男は、裁判で判決の日に「想代子から〈夫殺し〉を依頼された」と主張します。
 
息子を失った「暁美」は悲しみに暮れ、遺体と対面したときに、「嘘泣き」をしていた、という姉「東子」の言葉が気になり、「想代子」を疑います。「貞彦」は、孫「那由太」を、将来陶磁器店の跡継ぎにという願いもあり、母親である「想代子」を信じる態度でしたが、「東子」の知り合いの週刊記者「米村」の考えで、「那由太」は「隈本」の子ではないかとの疑問が浮かび上がってきます。犯人のたった一言で、家族の間には疑心暗鬼の闇が広がっていく。
 
物語は、「暁美」の視線で語られていき、「想代子」の心理的な描写は出てこないだけに、読み手は「想代子」の行為を疑わざるを得なくなり、重ねて「貞彦」のお気に入りの作家の茶わんや花瓶が壊される事件が起こり、「想代子」の立場は混とんとしていきます。
 
老舗陶器店を舞台に、家族にまつわる「疑心暗鬼の闇」を描く、静謐でち密な心理描写が楽しめた一冊でした。
 
 
#文庫本 #読書

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今年の読書(45)『今日も、ちゃ舞台の上でおどる』坂口涼太郎(講談社)

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今年の読書(45)『今日も、ち...
著者<坂口涼太郎>は、映画〈『ちはやふる 上の句』・『ちはやふる 下の句』続編『ちはやふる―結びー』〉シリーズ、NHK連続 テレビ小説『おちょやん』『らんまん』、カンテレ『罠の戦争』、映画『アンダーニンジャ』、海外ドラマ「サニー」(Apple TV+)など数々の話題作に出演し、高い演技力とオカッパ頭の独特の存在感で注目を集めている俳優です。
 
ラジオ番組のゲスト番組で、小学3年の時に観劇したミュージカル『キャッツ』の楽曲「メモリー」に十分意味がわからないながらも雷に打たれたように涙を流し感動して「絶対にあの舞台に立ちたい」と心に決め、中学生となり、ミュージカルに出演するには「まずは踊りを」と<森山未來>の両親が経営するダンススタジオ「スタジオモダンミリィ」に通い始め、神戸生まれで中学時代までを神戸で過ごしていたことを知りました。
 
本書はウェブマガジン「ミモレ」にて同名タイトルで2024年4月から2025年5月まで連載されたものに加筆修正され、2025年8月6日に、単行本として刊行されましたエッセイ集です。
 
著者は、これはあらゆることをあきらめてきた私の「あきらめの記録」です。あきらめることをあきらめない、煩悩まみれで怠惰で無謀で、ちゃぶ台の前でだるまのように転げ回りながら生活する私の「生活記」です、と要約しています。
 
#単行本 #読書

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今年の読書(44)『連鎖』黒川博行(中公文庫)

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今年の読書(44)『連鎖』黒川...
『桃源』の「新垣・上坂」、『熔果』の「伊達・梁内」などバディーモノのエンターティメント小説シリーズが楽しめる<黒川博行>ですが、本作は「新垣・上坂」シリーズの『桃源』の延長線上の作品として、2022年11月に単行本が刊行され、2025年7月25日に文庫本(1155円)が発売されています。
 
食品卸会社の社長「篠原紀昭」が行方不明になったと妻の「篠原真須美」が、京橋署に捜索願を届けるところから物語は展開します。面接したのは、暴犯係の刑事「映画オタクの勤ちゃん」こと「上坂」と「礒野」でした。
 
当初京橋署は、単なる失踪事件だとみていましたが、「篠原紀昭」の遺体が高速道路の非常駐車帯で見つかり、死因は、資金繰りに行き詰まった末の自殺と見て捜査を始めますが、「篠原」に掛けられた巨額の保険金、不渡りになった手形とそれをサルベージしたヤクザ、そして篠原を巡る女たち、妻「真須美」の過去などがめぐり合い、「篠原」の足取りをたどる地道な調査で、その〈連鎖〉から事件の核心に迫る「上坂・磯野」でした。
 
相変わらずの「映画オタクの勤ちゃん」とバディーを組む麻雀好きの「礒野」とのコンビも秀逸で、<今野敏>や<堂場瞬一>の描くエリート刑事とは違い、どちらかというと品行不良の刑事ですが、エンターティナメントとして、十分に満足できる694ぺーじでした。
 
 
#文庫本 #読書

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今年の読書(43)『あんぱん』(ぴあ)

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今年の読書(43)『あんぱん』...
『NHK 連続テレビ小説『あんぱん』勇気みなぎる名言ブック』が、8月18日に刊行されています
 
やなせたかしと小松暢の夫婦をモデルに、2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した『アンパンマン』にたどりつくまでを描く、連続テレビ小説『あんぱん』。本書はこの『あんぱん』の世界を紡ぐ名言の数々にスポットを当て、劇中に登場した97もの珠玉の言葉たちを、場面写真と一緒に掘り下げています。
 
連続テレビ小説『あんぱん』は、<やなせたかし>と<小松暢>の夫婦をモデルに、2人があらゆる荒波を乗り越え、〈逆転しない正義〉を体現した『アンパンマン』にたどりつくまでを描いています。
 
本書はこの『あんぱん』の世界を紡ぐ名言の数々にスポットを当て、劇中に登場した 97の珠玉の言葉たちを、場面写真と一緒に掘り下げるファンブックとなっています。
 
インタビューページには、主演「のぶ」役の<今田美桜>をはじめ、<北村匠海>、<阿部サダヲ>、<河合優実>、<原菜乃華>、<妻夫木聡>、<大森元貴>が登場。さらに、脚本家の<中園ミホ>、番組のメイキング・スタッフのインタビューと共に各々がセレクトした名言の数々も紹介されています。
 
 
 
#テレビドラマ #読書 #連続テレビ小説 #雑誌

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今年の読書(43)『心を動かす、私の好きな映画』(宝島社)

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今年の読書(43)『心を動かす...
宝島社が発売しているファッション&ライフスタイルの女性向き月刊誌『リンネル』のムック本『リンネル特別編集 心を動かす、私の好きな映画』が、8月5日に発売されています。
 
映画を作る人や映画好きな人が、人生に影響を与えた作品、お薦め映画を語る同誌です。俳優の<窪塚愛流>が巻頭インタビューに登場するほか、映画ライター<細谷美香>が〈今、観てほしい映画〉を選んで紹介しています。
 
映画監督の<荻上直子>(『かもめ食堂』『彼らが本気で編むときは、』『川っぺりムコリッタ』『まる』)、<酒井麻衣>(『美しい彼〜eternal〜』『ストロベリームーン 余命半年の恋』)、俳優の<細田佳央太>、<高泉淳子>が参加したコーナーも掲載されています。
 
さらに「私の街の小さな映画館」と題して、東京の早稲田松竹、神保町シアター、ポレポレ東中野などを取り上げています。
 
#ムック本 #映画 #読書 #雑誌

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今年の読書(42)『フィルムメーカーズ 25 高畑勲』(オムロ)

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今年の読書(42)『フィルムメーカーズ 25 高畑勲』(オム...
終戦80年を迎えた8月15日ですが<21:00>より、<野坂昭如>原作の長編アニメ映画『火垂るの墓』が、日本テレビ系「金曜ロードショー」で放送があります。
 
放送に合わせるかのように、8月8日に『火垂るの墓』の監督を務めた<高畑勲>のムック本『フィルムメーカーズ 25 高畑勲』が、<高畑勲>研究の第一人者<叶精二>が全面的に編集、原稿執筆をした<高畑勲>本の決定版として発売されています。
 
映画作家の全貌を詳しく解説する「フィルムメーカーズ」シリーズの最新刊として、今年生誕90年を迎える<高畑勲>(1935年10月29日~2018年4月5日)を特集しています。
 
<高畑勲>監督作品でヒロインを務めた4名のインタビューや寄稿が掲載されています。『赤毛のアン』の<山田栄子>、『おもひでぽろぽろ』の<今井美樹>、『かぐや姫の物語』の<朝倉あき>への取材記事に加え、『ホーホケキョ となりの山田くん』の<宇野なおみ>が登場しています。
 
さらに、<高畑勲>からの影響を公言する映画監督の<岩井俊二>やアニメーション監督である<細田守>へのインタビュー、『この世界の片隅に』の<片渕須直>監督、アニメーターの<安藤雅司>と<友永和秀>、『紅花の守人 いのちを染める』の<佐藤広一>監督、アニメーション研究者である<イラン・グェン>の論考も掲載されています。また、アイルランドのアニメーションスタジオ「カートゥーン・サルーン」の<トム・ムーア>ら海外のアニメーション監督も寄稿しています。
 
#アニメ #ムック本 #映画 #読書

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