今年の読書(26)『映画誌への招待』四方田犬彦(岩波現代文庫)
5月
9日
著者<四方田犬彦>は、映画・比較文学研究家・エッセイストとしての日本映画論として『映画史への招待』(1998年4月・岩波書店)がありましたが、今回(岩波書店)より、映画「史」から、映画「誌」へトタイトルを変え『映画誌への招待』(2016年4月)を出版しています。
なぜ、『映画誌への招待』とタイトルは変更されたのか? 映画についての言説の在り方に様々な問題提起をしていた著者の考えを、ぜひ、じっくりと読み解いていただけたら、と感じる一冊です。
映画にとって歴史とは何か。本書は名作や監督中心の歴史でも、技法や思想の変遷をたどる映画史でもありません。そうした既成の枠組みをとりはらったところに浮かび上がる映画という体験の豊かさを、現在の中でくり返し発見し、重層的な視点から100余年の映画の世界に向き合っていきます。
古い映画、新しい映画というものはない。どんなに昔に撮られたフィルムでも、今ここで観ているかぎり、もっとも新しいフィルムなのだ。実写とアニメ、劇映画とドキュメンタリー。これまで信じてきた映画の枠組みが、どんどん解体していく。映画には単純な歴史などない。ただいつまでも変化していくばかりなのだという持論にて、映画を構成する様々な層をめぐっていくことで、これまでの映画の枠組みを解体する試みが4章で構成されています。









