今年の読書(2)『狂った宴』ロス・トーマス(新潮文庫)
1月
9日
30歳過ぎの頃に『女刑事の死』・『五百万ドルの迷宮』・『モルディダ・マン』・『八番目の小人』・『神が忘れた町』などを読んでいた<ロス・トーマス>は、1995年12月、肺癌のため69歳で亡くなっています。
1966年のデビュー作『冷戦交換ゲーム』(早川書房)でアメリカ探偵作家クラブの最優秀処女長編賞を受賞後の第2作目が『狂った宴』で、新潮文庫で2024年7月29日に<松本剛史>の本邦初訳で発売されているのを見つけました。
辣腕の選挙コンサルタントとして鳴らした「シャルテル」は、大手広告代理店DDT広報部の「アップショー」とともに、英連邦から独立間近のアフリカの小国アルバーティア初の国家元首選挙に駆り出されます。
資源に恵まれながらも腐敗にまみれたこの国で、DDTに有益な人物を当選させるために、二人は汚い手段を駆使してでも選挙キャンペーンを成功させようとしますが、やがて事態は混乱をきたし、彼らにすら手に負えない様相を見せてきます。
主要な登場人物たちの人間像を描き出すために序盤はゆっくりした進行ですが、選挙戦が動き出す中盤以降は、様々な策謀が動き出し、テンポよく読み進めていけます。それぞれの思惑を抱えた人物たちの策略が絡み合い、序盤の描写が後半に反映され、アフリカ諸国の政治的カオスを活写し暴力描写に溢れたクライマックスが印象的な作品です。










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