沖縄向けの高級シーチキン 沖縄のツナ缶生態系は内地(本州)と大きく異なる。人口当たりのツナ缶使用量が莫大で、福岡県民510万人が食べるツナ缶を沖縄県民145万人の人口で消費しているし、それにあわせて地元スーパーのツナ缶売場も輸入廉価品から国産高級品、箱売りからバラ売りまで幅広く網羅している。首都圏も静岡も、ツナ缶売り場で箱売りしてるのってなかなか見ないし。 その中で、高級品の位置づけになっているのが本品シーチキンフレーク。ビンナガマグロと綿実油を組み合わせた伝統的なホワイトミート製品で、同社Lフレークやマイルドもろとも12缶入り1箱単位で販売されている。 ときには12缶1296円という(内地の相場と比べて)とんでもない単価になっていることもあり、たまたま代表が沖縄で買い付けした時がこの価格だった。 内地向けでは「シーチキンフレーク一本釣り(沖縄県産海塩使用)」という製品が本品とほぼ同スペックで、勝浦漁港(千葉)で水揚げされた一本釣りビンナガをパッケージで指名している。こちらはバラ売りまたは3缶シュリンクでよく売られており、だいたい3缶580円(=193円/缶)くらいが相場なので、内地と沖縄で求められるビンナガ製品の価格イメージというのがなんとなく理解できるだろう。 この製造所固有記号G2ははごろも焼津プラント製造を示す。手元にはないが、おそらくKY(山梨罐詰)のOEM品も出回っていると予想している。2019.6製。 缶を開けたところ 身は普及品クラスのツナ缶程度に細かい。下味もあり、そのまま食べてもおいしく召し上がれる。 さすがはごろもと言ったところか。加熱、非加熱、どちらの料理にもムラなく適合する。スペックの近い由比缶詰所の水色のツナ缶とは、身の大きさと「こってりさ」で区別される。シーチキンフレークは、身が細かく・こってりしていて、由比缶詰所は身が大きく・さっぱりしているため、好みで使い分けてほしい。 沖縄向けの製品なんだし、ゴーヤチャンプルーなどにいいと伝えたいところだが、個人的な意見は…… 全部ツナマヨにしよう。そうしよう。 ☆各種評価 ・グレード ★★★★☆ 4.0 ・価格 ★★☆☆☆ 2.0 #108円/個 正気か? ・味覚評価 ★★★☆☆ 4.1 #琉球王者はごろもの魂 ・入手性 ★★☆☆☆ 2.5 #ユニオンで売ってた ・原産国 国産(静岡) ☆スペック 内容量 70g 213kcal/缶 タンパク質12.9g 食塩相当量0.5g 原材料 びんながまぐろ(国産)、綿実油、野菜エキス、食塩/調味料(アミノ酸等) JAN:4902560010788(単品)/4902560010795(箱12入) 製造固有記号G2 はごろもフーズ株式会社(静岡県静岡市清水区島崎町151) Tuna canning review No.170 ☆ツナ缶スーパーリンク! ・(No.69)プリンス赤缶 →中身と世代で直接競合。シーチキン(ホワイトミート)が1958年生まれ、プリンスが1953年生まれ。この2ブランドだけが突出して歴史の古いツナ缶となった。 「ビンナガ綿実油漬」は他社にも多くの製品があるが、基本に忠実なのもこの2ブランド。 ・(No.58)KOマートのまぐろフレーク ・(No.11)由比缶詰の「水色のやつ」 →いずれも中身が競合。由比缶詰所はお土産品として、KOマート(今はパッケージ変わった)は高級プライベートブランドとして、ビンナガ綿実油漬の新たな活路を見出している。由比缶詰の「水色のやつ」は手堅いっすよ、ほんと。 ・(No.51)シーチキン「L」フレーク(OKTロット) →Lがついてるほう。情勢がだいぶ変わったから新しいのを書きたい次第。なお同社は2016年異物混入騒動の責を負い解散したため、賞味期限の残ったツナ缶を手に入れることはできない。本ブログ最大PVの記事がOKTロットのLフレークってかなり複雑な気分。