《襍草・/・古往今来43・44》春を代表する草花


レンゲソウ(蓮華草)   マメ科(Fabaceae)
学名:Astragalus sinicus
別名: レンゲ、ゲンゲ(紫雲英)
花びらに近づいて見ると、一つ一つがマメ科特有の花形をしている。
子供時代、春の田畑は絨毯を敷き詰めたように蓮華草は咲き誇っていた。
中国原産の植物。江戸時代に飼料や食料として渡来した由。
マメ科の植物は、根に根粒バクテリアが寄生して丸いこぶを作る。
これが空気中の窒素を固定し天然の肥料となる。経験則でわかるか!!
緑肥(りょくひ = 草肥:くさごえ)として、又、牛の餌に用いられた。
更には、休耕田の雑草防止策、蓮華草を枯れぬうちに水に入れ、
強力な有機酸で雑草を枯死させていた事もあった。
だが、アルファルファタコゾウムシが発生する事もあり最近は聞かない処方だ。
蓮華草蜜は美味しい。

今一つの草花は、ハルジオン(春紫苑) キク科(Asteraceae/Compositae)
学名:Erigeron philadelphicus L.
別名:ハルシオン、 ハルジョオン。

花びら:7枚以上。花弁は、白色が多いがピンク色の花弁も見かける。
雑草などと呼べまい、清楚なこの姿。
ハルジオンの蕾は下向、対してヒメジョオンは上向きである。
埃や排気ガスで汚ごしているのは、人間。。!
帰化分布;本州(関東・中部)。関西以西でも見られるか??
(自分的だが見たことがない!?!)


5月13日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
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《襍草・/・古往今来42》両面羊歯


里山を散策してると湿っぽい林床に色々な羊歯類が見える。
だがしかし、羊歯類を識別判定するのは難しい。
僕でも容易に識別できるのは、この羊歯くらいだろう。

リョウメンシダ(両面羊歯) オシダ科オシダ科(Dryopteridaceae)
英名:upside-down fern  
別名:コガネワラビ, コガネシダ
学名:Arachniodes standishii (Moore) Ohwi.

全国各地で見られる。山地・谷間や斜面の湿った所を好むようだ。
高さは60~150cm。葉は黄緑色から明るい緑色で、3回羽状複葉。
葉の両面が同じ色をしている(群落を構成する傾向あり)。
葉柄下部に鱗片(胞子嚢・ソーラス)があり褐色で細く、胞子には葉緑体がある。
葉先から中程の葉では裏も表も同じように見える。

5月12日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
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《襍草・/・古往今来41》オオフサモ


オオフサモ(大房藻) アリノトウグサ科(Haloragaceae)
学名: Myriophyllum brasiliense Cambess.
英名: Parrotfeather
別名: ヌマフサモ、スマフサモ、パロットフェザー
自然分布: 南アフリカ原産
帰化分布: 本州・四国・九州・沖縄(暖地に分布)

湖沼,ため池,河川,水路などの浅水域に群生する抽水植物(多年草)。
雌雄異株、日本では雌株だけが帰化し、径5mm前後の茎を水中に匍匐させ群生する。
葉は5・6輪生、気中葉は前兆1.5-5cm、緑白色。
水中にある葉は繊細で長さ6cm前後。花は、気中葉の葉腋に着き円筒状。結実なし。
侵略的外来種で特定外来生物に指定されており、日本の侵略的外来種ワースト100。
湖沼、河川、池、水路、一部の休耕田等、浅水中に群生生育する。
アクアリウムやウォーターガーデンでの観賞用、
また、国内の河川復元事業やビオトープなどに用いられた経緯がある。
切れ藻などでも簡単に繁茂、各地で大繁殖し、侵略的外来種となった。
神戸市須磨寺にある池で初めて野生化が確認され、スマフサモとも呼ばれている。
全国に分布拡大し、在来種植物の生育を妨げる、水流阻害、水質を悪化等も懸念される。
各地で防除作業が行われているが、中々効果が出ない。
オオフサモの表面は艶あるクチクラ層で保護され、除草剤の効き目は殆ど無いとされる。
はさみで切断したり掘り起こしたりすると、植物体断片が周辺に散布される。
その結果、却ってオオフサモの分布を拡大させてしまう。
現在、外来生物法にて栽培・譲渡・販売・輸出入などが禁止されている。

江戸小紋という染着物、遠目に見ると無地の布地のように見えるほど細かい模様。
江戸の庶民は、これを「粋」としていた。
先日、この藻を見て、一面・緑の絨毯といった趣を感じた。
近づくと繊細な葉は美しく、芽が整然の並んでいることに驚かされる。

特定外来生物とされているが、人の手によって招いた結果だ。
「生物の多様性」を考えさせられた。
邪魔者・物を排除すれば良いのではなく、活かす事を考えたいものだ。
刈り取り、天日干しにして、堆肥にでも出来ないものか??

5月11日誌「横浜・寺家故郷村5/10」
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《襍草・/・古往今来40》笹葉 & 銀・・蘭

笹葉銀蘭(画像1)
銀蘭(画像2)

何とも・・楚々と咲く笹葉銀蘭と静かに数分・対話した(画像1)(^_^;)。
意識して観ているからだろうか??
今年は、銀蘭・金蘭共に沢山の茎を拝めた。和やかな春、2014。
ササバギンラン(笹葉銀蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cephalanthera longibracteata Blume
自然分布:北海道・本州・四国・九州・沖縄/朝鮮・中国(東北)
山地樹林下に生育し高さ30-50cm。茎は直立し、6-8葉つける。
葉は卵状披針形、葉脈が多く、長さ7-15cm、幅1.5-3cm、基部は茎を抱く。
苞は線形か広線形、唇弁の基部は筒状の距となる。
銀蘭に似ているが、葉の裏面、縁、茎の稜上、花序に白い短毛状突起がある。
肉眼で確認するのは困難だが、ルーペで確認できた。

ギンラン(銀蘭・画像2)  ラン科(Orchidaceae)
学名:Cephalanthera erecta (Thunb. ex Murray) Blume
自然分布は、笹葉銀蘭と同じ。
茎の先に 3 ~ 6 個の白い花をつけるが、花は完全には開かない。
金蘭・銀蘭・笹葉銀蘭、かつては、身近な里山等、都市林で極普通に見られた。
近年、身近な自然環境が宅地化し、生育地が減少している。
山地や丘陵の木陰に生育。茎の先に3 ~6個の白い花を付けるが完全には開かない。
野の花達、輪唱してるやに見える。

今年ほど、かつての里山って感じにこれ等の蘭が咲き誇っているのを見たことがない。
里山自体がより良い環境になっているのかもしれない。じつに喜ばしい。。!

5月10日誌「大和市泉の森5/04」
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《襍草・/・古往今来39》馬の脚形


ウマノアシガタ(馬の脚形) キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名:Ranunculus japonicus
別名: キンポウゲ(金鳳花)

キンポウゲのほうが一般的な呼び方かも知れない。
ウマノアシガタとはよく言ったものだ??
各地の山野の日当たりの良い所に生育する多年草。
根生はには長い柄があり掌状に3~5裂、列片は更に浅く裂ける。
刺激性精油成分、ラヌンキュリンを含み皮膚に引赤発泡作用があり有毒。
だが、全草及び根をマラリア、黄疸、頭痛、関節痛などに用いる。
同属種のケキツネノボタンも有毒。
  
5月09日誌「大和市泉の森5/04」
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《襍木・/・古往今来38》赤い実「百両」


カラタチバナ(唐橘)  サクラソウ科(Primulaceae)
学名:Ardisia crispa (Thunb.) A. DC.
別名: ヒャクリョウ(百両)
自然分布;本州(茨木・新潟)~沖縄、台湾、中国
暖地の日陰・林床に生育、ほぼ直立で余り分枝せず高さ20cm~70cm。
樹皮は茶褐色。葉は互生し、長さ8~20cmの狭卵形~披針形。
先はとがり、ふちには不明瞭な波状の鋸歯がある。鋸歯の間に腺点がある。
表面は鮮緑色で光沢があり葉腋に直径7~8mmの白い花を散形状に10個ほどつける。
花序の柄は長さ4~7cmで斜上する。花冠は5深裂し、萼片はそり返る。
果実は核果で、直径6~7mmの球形。赤く熟す。
冬~春に実を持ち、晩春(初夏)に花を付ける。
大和市周辺では余り見かけない。

古い時代、「タチバナ」や「コウジ」は柑橘類の総称で用いらた。
区別するために「カラタチバナ」となったらしいが、よく分からない。
江戸時代に園芸的価値が高まって金を生む植物(金生樹)と云われた。
同属のヤブコウジは万葉集にも詠まれている。
「あしひきの 山橘の 色に出(い)でて わが恋ひなむを ひとめかたみすな」
源氏物語にも「ヤマタチバナ」の名で現れ。さらに、古今集にも2首ほどで詠われている。
古来は、ヤブコウジ、カラタチバナやマンリョウは明確に区別されておらなかったか??
和名は、楽しく、使われ方も面白い。
冬に赤い果実をつける千両、万両、百両!!
お正月に「千両、万両、有り通し」として金運に恵まれるという縁起物として飾りつけられる。
千両は、センリョウ科センリョウ属のセンリョウ、
万両はヤブコウジ科ヤブコウジ属のマンリョウ、
有り通しは、アカネ科アリドオシ属のアリドオシ(蟻通し)のこと。
アリドオシには一両の別名もある。
ヤブコウジを十両、カラタチバナを百両として、縁起物とされた。
「難を転じる」という意味合いからナンテン(メギ科)も同じように使用されてきた。
江戸期に園芸が盛んであった証だろうが、愉しい。
これ等の熟した果実は生食でき、また、果実酒にもする。

何を以って万両・千両・百両・十両・一両とランクを付けたか・・・興味深い。

  
5月08日誌「大和市泉の森5/04」
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《襍草・/・古往今来37》再会の花!


ずいぶんと昔、宮ヶ瀬湖が建設開始された頃、
幸運にも自生の熊谷草を移植出来る機会を持った。
建設する人造湖の湖底になってしまう群落地。
関係官庁に許可をもらい、土壌と共に持ち帰った。
当時、僕は、異国と往復してたことから・・・親に託した。
数年後、狭い庭に沢山増えていき、
友達に株分けしたと聞いていた。あれから数十年も立つ。
母が他界した時、かつての同好の士にさし上げて、
今やわが家には残っていない。
そんな両親の花仲間が、花共々健在な事を知る。
驚くことによく訪れる「農家食堂ご夫妻!!」の知り合いだった。
訪ねて初めてわかったのだが。。。
昔話、両親の思い出話を沢山してくださった。
目の前の花達、ルーツは丹沢山地・煤ヶ谷である。

クマガイソウ(熊谷草) ラン科(Orchidaceae)
学名:Cypripedium japonicum Thunb. ex Murray
英名:Japanese lady's slipper
別名:ホロカケソウ(母衣掛け草)
自然分布:北海道・本州・四国・九州(大隈半島まで)
絶滅危惧?類 (VU)

クマガイソウ;かつては、身近な都市緑地に普通に見られた。
が、乱獲等でめったにお目に掛かれない。
山地にあっても山野草ブームで次々と自生地から姿を消している(乱獲盗掘)。
環境省版レッドデータリストでは、100年後に絶滅する確率が10%以上あるとされている。

源平合戦の勇者、熊谷次郎直実が背負った母衣(ほろ)が袋状の唇弁に似ているのが名の由来。
同属仲間の アツモリソウは、平家方の平敦盛にちなむ。
大群落、整然としてるやに見える。
花が、何故か同じ方向を向いているは何故??
「らん」のなかでは最も大きな花を咲かせる。

5月07日誌「筑波市5/07」
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《襍草・/・古往今来36》夕化粧



アカバナユウゲショウ(赤花夕化粧) アカバナ科(Onagraceae)
学名:Oenothera rosea Oenothera

アカバナ科マツヨイグサ属の多年草。ユウゲショウ(夕化粧)
オシロイバナの通称と混同、区別の為アカバナユウゲショウと呼ぶ。
原産地は、南米から北米南部。温暖な地、世界各国で見られる。
観賞用として明治時代に到来、関東から西で野生化、道端等で見かける。
午後遅くに開花して、艶っぽい花色を持つことが、名の由来とか。
だが、実際に午前中から開花してる。
全体に白色の毛があり、茎は基部でよく分枝する。
根生葉は倒披針形で不規則に浅~中裂。
茎葉は短い柄があり、互生、披針形で波状の鋸歯がある。
茎の上部の葉腋に直径約1.5cmの淡紅色で中心部が黄緑色の4弁花を一つつける。
雌しべの先端は紅色で4裂する。雄しべは8個。
果実はさく果。先の方が太く断面は八角形、熟すと先が4裂する。
種子は淡褐色、無毛、平滑。

アカバナユウゲショウに白花が在ると云われてる。
名前はシロバナユウゲショウ!!とおもいきやアカバナユウゲショウのまま??
探し求めて散策するも、未だ出会えない。突然変移なのか??


5月06日誌「大和市泉の森5/06」
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《襍草・/・古往今来35》踊り子草。



森の林床を観ていると草花が色々な表情を見せてくれる。
前にヒメオドリコソウを見た時、小人の行進のように映ったが、
この踊り子草たちは、其々の家の中でダンスをしてるのか!!
1階・2階・・3階と^^)。
今年は、子供の日(休)が2日続いた!?! 
昨今の子供達は、如何に過ごしているのか「こどもの日」??
「菖蒲湯」に・・・遊び疲れて夕飯前に湯に浸かり・・・。
身体を清めて夕飯を頂いたこどもの頃。
裏山の踊り子草の葉を取ってきて食卓を彩って居たのを思い出す。

オドリコソウ(踊り子草) シソ科(Lamiaceae/Labiatae)
学名:Lamium album var. barbatum
自然植生:北海道~九州の山野・道端。

茎は根もとから群がって直立し、30~50cm。
茎はやわらかく、節に長い毛がある。
葉は対生し葉柄があり、長さ5~10cmの卵状三角形~広卵形で先端はとがる。
葉の表面及び裏面の脈上にまばらに毛があり、縁にあらい鋸歯がある。
網目状の脈が目立つ。花は白色~淡紅紫色の唇形花で、上部の葉腋に密に輪生する。
花冠は長さ3~4cmあり、上唇はかぶと状、ふちに長い毛がある。
下唇は3裂し、中央の裂片は大きく前方に突き出し、2浅裂する。側裂片は小さい。

5月05日誌「大和市泉の森5/03」
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《襍草・/・古往今来34》遊水池の春。



泉の森が公園として整備され、と同時に大雨に対する防備も兼備えた。
泉の森からいづる引地川、其の源泉で第一の治水を行っている。
公園的にある池は、大雨対策の遊水池でも在る。
春らしいのどかな風景。そんな中で小さな花々が水辺を彩っている。

タガラシ(田芥子・田枯らし)  キンポウゲ科(Ranunculaceae)
学名: Ranunculus sceleratus 

タガラシは北半球に広く分布する一年生の草。
ムギ類の栽培にともなって伝来した史前帰化植物。
北海道~九州の水田や溝などに生え、茎は高さ30~60cm。
觀察仔細は、略。
以前は、水はけの悪い山間の湿田などでよく見られた。
が、基盤整備が進み乾田化、又、放棄されたりで、
タガラシが生育する水田はほとんど見られなくなった。
森の遊水池は、富栄養で勢い良く育っている。
かつて、タガラシは収量の少ない水田を指標する植物とされていた。
しかし、タガラシそのものは富栄養から中栄養の環境に適応できる種。
毎年耕される水田において、秋に芽生え春に開花する植物。
「田枯らし」の意味するところは名付けられた時代背景を知る必用がありそうだ。
別漢字の「田芥子(辛子)」は噛むと辛いことが由来??
だが、有毒な植物、古くは、体感しながら調べたのかもしれない!?!
字義からすると「芥子」を「ケシ」ではなく「カラシ」と読むときはカラシナを指す。
ケシはケシ科でカラシナはアブラナ科。何ともややこしい。
植物は、何とも不可思議ないきもの。調べだすと限がないので簡略。


5月04日誌「大和市泉の森5/03」
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