梅雨期でも色々な花が咲いている。身近でも楚々と咲いてる花々。
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ムラサキカタバミ(紫片喰・紫酢漿草)
道端、庭の空き地、畑、林床等に群生するごく普通に見られる草花。
観賞用に輸入され、野生化した由。実はつかず、地下の鱗茎で増える。
葉は、ハート形で3小葉。葉の裏に淡黄赤色の小斑点があり、両面有毛。
花は、淡紅色、英名でピンクとかライラックと称されるように花色は薄い色あい。
花弁は5個、幅は狭く、基部に濃色の条線が見える。
雄しべは10個、5個が長く、5個が短い。葯の色は白色。雌しべの柱頭は5個、緑色。
日本では結実しないのが普通。萼片の先端に橙黄色の2個の小点がある。
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ヤマボウシ(山法師)
花の集合体を坊主頭に、総包片を白頭巾にみたてて山法師の名がついた。
ハナミズキの白花種と見間違う(ハナミズキはアメリカヤマボウシという別名を持つ)。
幹(樹皮)は、暗赤褐色で老木は不規則に樹皮が剥がれる。横枝は水平に広がる。
枝は滑らか長い皮目の線がある。葉は対生、楕円~卵円形で縁が全縁で波打ち葉脈が深い。
葉裏は淡緑色、脈腋に毛藪がある。葉柄は長さ5~10㎜。花弁のようにに見えるのは総苞片。
白い花弁のような4個の大きな総苞片の中心に小さな淡黄緑色の花が集まって、球状につく。
総苞片は先が尖り開花初期には緑色、次第に白色になる。
雄しべ4個、雌しべ1個。果実は、球形の集合果であり、秋に赤く熟すと、甘くて美味い。
総苞片が紅色のものはベニヤマボウシという。
公園によく植えられているハナミズキは北アメリカ原産。
総苞片の先が凹み果実は集合果にならず長さ1㎝ほどの多数の赤い果実がつく。
「研究者ノート(筑波大・岩科司、八田洋章)」
『初夏に咲くヤマボウシの花は白色ですが、実は花びらのように見えるものは苞と云われるもの。
苞は“がく”に似ていますが、真ん中にあるのは花ではなくて花の集まり、すなわち“花序”。
この苞は見た目には白色ですが、中には多量のフラボノイドという物質が入っています。
これは紫外域に色を持っており、人間に見えませんが、昆虫には見え、花に集まってきます。
《紫外域・・・人の目に見える領域は光の波長約400~700nmで「可視域」といいます。
それより波長が短く、人間には見えない400nm以下の領域を「紫外域」といいます。》
花序を囲む大きな4片を総苞といい、本来は小花群の保護器官と考えられます。
分布域を広く採集して歩いた結果、
箱根ほど個体密度が高く総苞片に見る変異の著しい場所は他にないと思っています。
大きさ、色、形、展開の様子など総苞片が個体ごとに全部異なります。
圧巻は済州島で見つけた黄色い個体でした。
ヤマボウシを総苞片の変異の大きさから個体識別の可能な、稀有な植物だと思っています。
植物園の個体群では変異は少ないでしょう。
なぜなら園内の多くは1個体から採種し育てた苗を植えたものですから。
ヤマボウシの紅葉が始まると、一枚一枚の葉に緑、黄色、赤が複雑に混ぜ合わさって、
だんだん赤一色に変わっていく。
カエデやモミジ等のように木全体がグラデーションで変化していくのと異なり、非常に興味深い』
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「大和市・西鶴間周辺'16/06/15」