アジサイの季節到来。梅雨に入ったのだが、、、。
今年は、アジサイ探訪の旅ができそうにない。
所用の合間を縫う時間が持てないのだ。
春先に下調べと思って伊豆に参った。
伊豆半島の東側から南にかけてガクアジサイ系は、種々見られる。
そんな中で海岸近くでホンアジサイ(自生種?)が見られるところが一ヶ所あった。
楽しみに生育状況を見に立ち寄ったが・・・!!
周辺は綺麗に!?!整地???樹々・草花が全く無い。
まるで法面を見ているようだ。ショックで、言葉もない。
行政は、自然を如何に考えているのか???
稀少な植物を一掃するなんて、後の祭りである。
万が一に生きていたとしても数年は花は咲かないのではないか。
だが、根が生きていることを祈りたい。
このようにして、野生・自生種は・・・消えていくのか。怒り心頭だ。
此処に記しているアジサイは、上の画像の通りの手毬形アジサイ(紫陽花の姿)。
アジサイ(ホンアジサイ)H.macrophylla f.macrophyllaは、
ガクアジサイ f.normalis から自然交配した品種と言われる。
(アジサイ科の植物について、川島榮生『アジサイ百科』アポック社、2010を参照。)
花序は殆どが装飾花(装飾花は大きな花弁の様な萼で雄蕊と雌蕊が退化し実を結ばない。)
古くから国内に自生していたと思われる(万葉集等)。
日本から中国へ渡ったとも言われている。
西欧へは、1789年、イギリスのバンクス卿が中国からキュー植物園にもたらした。
1800年頃にはイギリス国内にかなり普及し、多くの園芸品種が作られた。
第二次世界大戦後、日本に逆輸入したものをセイヨウアジサイと呼んでいる。
かつて、シーボルトはこの品種を H. otaksa と命名したが、学名として使われてはいない。
よく云われる花色、、、!
アジサイの花色は、アントシアニン(色素)に金属のアルミニウムが関係して青色花になる。
酸性の土壌では藍色になり、アルカリの土壌では紅くなると言われる所以。
日本の多くの土壌中にはアルミニウムが沢山含まれており、
土壌が酸性だとアルミニウムは植物に吸収され、アルカリ性だと水に溶けないので吸収しない。
酸性でアルミニウムが多い土壌では植物の生長は妨げられてしまうが、
アジサイは、アルミニウムを吸収できる植物として知られ、生育障害も起こさない。
土壌の酸性度によって変化、土壌中のアルミニウムが吸収されて青の色素が作られ、
アルカリ土壌だとアルミニウムの吸収が少なく、赤色色素になる。
和名の語源は、一説に「集(あづ)真(さ)藍(あい)」(『大言海』)。
漢字で紫陽花と書くは、白居易(772-846)「紫陽花」詩の自註に、
「招賢寺(浙江省杭州の霊隠山)に山花一樹あり、人の名を知るもの無し。色は紫にして気は香し。
芳麗愛すべく、頗る仙物に類す。因りて紫陽花を以て之を名づく」とある(『白氏文集』)。
ただし、この紫陽花がいかなる植物であったのかは不明という。
日本では、源順『倭名類聚抄』(ca.931-938)に
「白氏文集律詩に云ふ、紫陽花、和名安豆佐為」とあり、
平安時代以来 紫陽花はアジサイを指すものと考えた。
属名 Hydrangea は、ギリシア語の「水の器、水差し」。
果実の形から(一説に、よく水を吸い上げることから)。
「平成20年6月、飲食店で料理の飾りに出されたアジサイの葉を食べたことによる中毒事例が発生した。
厚生労働省は、飲食店及び消費者に対し、アジサイを食品とともに提供及び喫食しないように注意を喚起し、
また販売者に対し、食品又は料理の飾り用に販売しないように通知を出した。」
シーボルト P.F.B.von Siebold(1796-1866;滞日1823-1829)は、
アジサイを『日本植物誌』に Hydrangea otaksa と名づけて紹介し、
オタクサは、この植物の日本名であるという。
しかし、後に牧野富太郎はそのような和名はないと否定した。
オタクサは、シーボルトの日本人妻、楠本お滝の名前と記している。
シーボルトが呼んでいた「おたくさん」に因んだものと解釈した。
長崎鳴滝の史跡シーボルト邸跡には多くのアジサイが植裁され昭和43年から長崎市の市花である。
「伊東市川奈にて2014・6」
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