“玉縄桜”《襍樹 ・/・古往今来346》

“玉縄桜”《襍樹 ・/・古往今...
“玉縄桜”《襍樹 ・/・古往今...

タマナワザクラ(玉縄桜) バラ科(Rosaceae)
学名:Prunus(Cerasus) x yedoensis cv. Tamanawa-zakura

神奈川県立フラワーセンターにて、ソメイヨシノの実生から選抜された桜。
1990年、種苗法(第2263号)において登録され、早期開花が特徴。
早春に咲く桜のほとんどがカンヒザクラの影響から濃い花色のものが多い中、
桜の代表的とされてるソメイヨシノに近似、淡い色合いの本品種の存在は貴重。
「玉縄」とは同地の古くからの地名。 カンヒザクラ等と同じく2月に開花する。
花形・色合いは、ソメイヨシノと瓜二つに見えるが、萼筒、小花柄は無毛。
対するソメイヨシノは、萼筒はややくびれる鐘形、小花柄、萼筒に毛が多い。
間近で觀察すると区別がつく。

「余録」(ブログルの“クマゴロウ邸のソメイヨシノが満開に由。想った事を)
ソメイヨシノ(染井吉野)、学名;Cerasus × yedoensis ‘Somei-yoshino’
淡紅白色のこの花は、謎めいた部分があったが、近日、解明名されつつある。
江戸期末、江戸染井村(東京都豊島区)の植木屋が、吉野桜として売り出したが始まり。
ソメイヨシノの起源には諸説あったが、最近の遺伝子解析により、
エドヒガン(母系)とオオシマザクラ(父系)の交配で生まれた園芸種と結論された。
2012年には、江戸時代からある現存するエドヒガンの古木の葉緑体DNA解析によって、
ソメイヨシノの母系にあたるとされる株も見つかった。
全国に植栽されているソメイヨシノは、すべて接木等の栄養繁殖によって栽培されている。
日本を象徴する栽培品種と言えるほど普及されている。
また、ソメイヨシノとされるは、奈良の吉野山のヤマザクラと混同しやすいということで、
明治33年に染井吉野という名前に改められ。
花は3、4個集まって咲き、香りはなく、花弁は5枚の一重咲き。
「ソメイヨシノはクローン植物」
ソメイヨシノという栽培品種は、自然に増えることができない。
種子で増やすと親の形質を必ずしも子に伝わることがないため、
ソメイヨシノのすぐれた形質を残し増やす方法としては、
接木もしくは挿し木などの栄養繁殖の方法をとるしかなく、クローンとなってしまう。
つまりは、ソメイヨシノは人の手を介さない(接木などで増殖)と生存することが出来ない品種。
江戸時代の植木職人、園芸技術が如何に優れていたかを物語るものと言える。
毎年、桜前線が発表される。クローン植物なるがゆえに、遺伝子が同じなので条件が整えば一斉に開花。
また、言い換えれば、全国津々浦々に配した生物気象観測レーダーと言えるかも知れない。
しかし、最近、異常に開花が早い年があり、地球温暖化の影響と危惧する所??
「ソメイヨシノ寿命60年説」
ソメイヨシノ寿命60年説というのがあり、ソメイヨシノはクローン故??、寿命が短い桜と言われる。
片親がエドヒガン系という、大変長命な桜で全国には樹齢千年級のものが数多く存在しているのに??
つまりは、ソメイヨシノの手入れが大変ということらしい。
青森県弘前市では、樹勢回復に取り組み多くのソメイヨシノの樹勢回復を成功させた。
同市には、日本最古の樹齢百年をこえるソメイヨシノが見事に開花している。
けっして短命ではない、地道な樹勢回復と適切な管理作業が大切と言える。
しかしながら、伸び伸びと育つ環境って中々ないのも現実。知恵を絞って、育てたいものである。
余談が長くなってしまった。

3月14日誌「鎌倉市・大船フラワーセンター」





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新しい品種の桜ですか。近所で桜の開花を待ってますが未だのようです。
県下では涅槃桜と言う早咲きの桜が咲いてる様です。
新しい桜が出て来て桜の楽しみも増えます。
投稿日 2015-03-16 07:47

ワオ!と言っているユーザー


コメントありがとう存じます、ペガサスさん。

玉縄桜は、温暖な鎌倉の地に似合って早咲きの桜を作出できないものか^^)、と昔(昭和40年代)、桜のテングス病治療に携わっていた専門家の冗談からいつの間にか、実現した新種の園芸種です。町の景観造り(将来に向けて)に期待してるところです。
投稿日 2015-03-16 20:01

ワオ!と言っているユーザー