10月
29日,
2021年
会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day4)「国内企業 vs. 外資系企業」
昨日に引き続き今日も、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、異なる視点や考え方をお伝えして行きます。
全体は、下記のような流れで書き綴っています。
(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)
そして今日は昨日の続き、
第一部:財務・経理部門の役割
章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(本日)
3.財務経理パーソンの視点
「財務・経理部門は何をしているのか?」
今日の章立て
1.財務・経理の仕事・守備範囲(完了)
2.国内企業と外資系企業の違い(本日)
「国内企業と外資系企業の違い」
今日の章立て
(1)財務(資金調達)機能の位置づけ
(2)経理部門の守備範囲の違い
(3)外資系企業ならではキャリア機会
(1)財務(資金調達)機能の位置づけ
①前々回「財務」とは、資金調達を行う部署とお伝えしました。国内企業は、通常は日本に本社があります。(最近は東証上場企業であっても、海外に本社機能を持つ会社も出てきていますが。)
そして、資金調達の基本機能は本社が所有することが多く、効率的なことから、財務機能は本社である日本本社にあることが多いです。
②一方、外資系企業の場合、本社機能は日本以外の海外にあります。国内企業と同様の理由で、外資系企業の日本法人に財務機能を持たせている会社は多くはないと考えられます。
実際、私の勤務経験のある米国系企業の数社でも、米国本社がグローバルな観点で財務を統括していました。実際の財務オペレーション(約定や借入手続きなど)は日本で実行するものの、総量管理やリスク管理などはあくまで米国本社です。
(2)経理部門の守備範囲の違い
①残念ながら私は、国内企業での勤務経験が無いので正確には分からないですが、友人・知人の経理パーソンによる情報では、国内企業と外資系企業とでは、経理部門の守備範囲は異なるようです。
②国内企業の経理部門は純粋な経理機能、つまり会計報告のための業務を担う。一方、外資系企業は報告のための「財務会計」に加えて「管理会計」も守備範囲であることが多いです。
③管理会計の業務とは、例えば予算編成、予実管理、中期経営計画の策定などに代表される「プランニング系」の業務です。これらの役割について国内企業では「経営企画部」などが所管することが多いようです。
(3)外資系企業ならではキャリア機会
①グローバルな観点に立って、本社で対応すべき機能を本社へ集約するという発想は外資系では普通です。(恐らく国内企業の立場に立てば、日本に本社機能を集約するということ。)
そして、其々の国に特化した業務は分散するのは理にかなっています。従って、会計報告の業務は、一定の会計ルールに従って記帳すれば良いので、実は本社で集約できる可能性が高い機能です。
この発想がERP(Enterprise Resources Planning)という基幹系統合情報システムを、外資系企業がこぞって導入した理由の一つです。
そして一方、其々の国や拠点ごとに特化すべきなのは「収益管理」なので、管理会計の機能により注力した組織戦略が外資系企業では展開されているのです。
②この背景からすると、経理パーソンの「キャリア構築」の観点では、国内企業と外資系企業とでは自ずと違いが生じるということになります。
③外資系企業の経理パーソンは、報告目的の財務会計に加えて、管理会計のスキルや経験が培う機会が与えられます。
様々な業務を扱うことで、多忙を極める可能性は高いですが、一方、長い目で見ると経理担当役員やCFO(Chief Financial Officer、最高財務責任者)への道にも繋がっているとポジティブに捉えることも可能です。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお