10月
28日,
2021年
会社数字を活かす:経理部門から見える会社・社会とは?(Day3)「財務・経理の仕事・守備範囲」
昨日に引き続き、私の前職である「財務経理職」という仕事を振り返りながら、これまで余り馴染みの無かった皆さんに、異なる視点や考え方をお伝えして行こうと思います。
全体を下記のような流れで書き綴っています。
(仮)全体の流れ・章立て
第一部:財務・経理部門の役割
第二部:財務経理パーソンの「ありたい姿」
第三部:経理財務部門とどう付き合うか?(活用方法)
そして今日は昨日の続き、
第一部:財務・経理部門の役割
章立て
1.財務諸表:経理部門の成果物(完了)
2.財務・経理部門は何をしているのか?(本日)
3.財務経理パーソンの視点
「財務・経理部門は何をしているのか?」
今日の章立て
1.財務・経理の仕事・守備範囲(本日)
2.国内企業と外資系企業の違い
3.財務経理パーソンが大切にしていること
1.財務・経理の仕事・守備範囲
(1)財務 vs. 経理
「財務」という言葉と「経理」という言葉を、何となく同じような意味・範疇で使ってしまうことがあるが、正確に言うとかなり異なる。
業務範囲という観点でざっくり言うと通常、財務は「資金調達」に関する業務、経理は会社の経理取引を会計帳簿に記帳することに纏わる業務、である。
(2)お金や数字を扱う業務とは?
双方ともお金にまつわる業務、つまり数字を扱う仕事なので、正確に数字を扱うことが求められる。従って経理パーソンは、金額が「正しい」とか「差異の有る・無い」ということに関心が高い。
それだけに神経を使う業務ではあるが、経理パーソンは「数字が正しい」「整合が取れている」と言う状態に一種の快感・心地よさを感じる人たちである。
従って「細かい性格」な人、と思われていることが多いが、逆にそうでないと業務に支障をきたすこともあるので、一理も二理もあると言える。
(3)財務、及び、経理関連の業務
①財務業務は一言で言うと「資金調達」、つまり新株発行や社債発行などによって市場からお金を調達する、又は、金融機関からの借り入れなどが基本業務。
なお、ピンと来ないかもしれないが、お金を調達するためには材料や商品を調達する時と同様に「調達コスト」が掛かる。それは金利だったり、市場からの期待コストだったりする。
②経理業務は、会社で発生した事柄を、経理取引として認定し、金額を算定し、それを帳簿に記帳する。記帳は通常は「複式簿記」という手法で書き込んでいく。
昔は本当に手で帳簿に書き込むという作業をしていたが、現代では当然ITシステムを使っているので「電子的」に書き込んでいく。その時を経理パーソンなら誰でも知っている「仕訳」というフォームに表現して、記帳していくのが一般的。
(4)経理取引とは?
①ここで「経理取引」と表現したのは、会社で起きている事象の全てを帳簿に記帳しているわけでは無い、と言う点。
経理取引とは簡単に言ってしまうと「会社の財産の増減に関わる行為」のこと。機械設備を購入したり、従業員に給与を払ったり、お客様から売上代金を回収したり、などはもちろん立派な経理取引。
②しかし、例えば「新入社員が4月1日で入社した」事象は会社にとってはビッグ・イベントではあるが、経理取引には該当しない。
なぜなら社員が増えただけでは会社の資産・財産が増えていないからである。
この点は、会計の世界で実は大きな話題になっているトピックと大きく関係している。なぜなら企業・組織にとって非常に「ヒト」という重要な財産を、会社の評価に反映できていないことの課題である。この点は後日、詳述したいと考えている。
続きはまた後日に。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお