スタートから23分。 スタートのどたばた劇はあったものの、艇速が安定してきた。 計画の変進ポイントを通過し、ニヌハ2を北上する潮に乗せる。 この地点は、後からの風位(ランニング)になる。 ランニングでは帆を大きく開く。 揚力を使用しないので、微妙な調整も不要だ。 僕も漕ぎ手に参加する。 遥か先に点のように見えるのは、「海想」と「ざまみ丸」。 彼らは、スタートダッシュで10ノット近い船速を出している計算だ。
サバニレース当日。 朝3時に目が覚めた。 南の風6〜7メートル。 絶好のコンディションだ。 スタートは午前8時。 「出発地点から100度の角度で走り、次は53度、次は110度・・・。 9時の予想地点の潮は1.3ノット、10時の予想地点の潮は・・・。 選手交替のタイミングは・・・。」 真っ暗な海に向かい、風位を感じながら、何度も何度も、いや何十回も、頭の中で戦いをシミュレーションする。 どうしても抜きたい艇がある。 少なくとも、一泡吹かせたい。 急造のオンボロチームと、新米スッキパーの僕がどこまでやれるのか。 今は、持てる力の100%を発揮できるように集中するだけだ。 気が付いたら、空が明るくなり始めていた。
沖縄の座間味島から沖縄本島を目指すレースも明日に迫った。 短い準備期間に、厳しい練習と多くの改良を行なってきた。 あと1日、できる限りの向上を図りたい。 今回はスッキパーとしての重責がある。 そのあたりが、これまでとは違う。 船検、艇長会議、天候の予測、スタートや交代手順の確認など、今日も多くの行事がある。 その中、登録選手の発表や先発メンバーの発表など、クールな決断をしなくてはいけない。 前に進むのみ。 そして、明日の朝は、血液が沸騰するようなレースが始まるのだ。
早朝からのチューニング変更で、やっとサバニが走り始めた。 本日到着の選手、ユリちゃんを迎えに行ったのはレンタカーではなくサバニ。 昼食は隣の島のビーチにあるリゾートホテル。ビーチ正面にサバニをどーんと止めてお食事だー。
サバニ帆漕レースの出発地、古座間味に到着。 ぐったりと疲れた。 昨日の帆のセッティングが裏目に出たのだ。 それでも僕らは自分たちで考える。 自分たちで判断する。 アイディアを持っていても、実行力がなければ無意味だ。 野党政治ではいけない。 結果を恐れず前に進む。 どんな結果が出ても、自分の責任であると腹はくくっている。 ビジネスでも遊びでもそれは同じ。古座間味の浜は今日も美しい。 明日は、さらなるテストを繰り返す。 前に進むのみ。
レース前の那覇の夜は、これで最後。 足立先生には寿司を喰わせてもらう。 沖縄という土地柄からは想像できない、異常に旨い寿司。 そして、いつものショットバーへ。 アホ2名のポーズ。 (1名は大病院の医師。もう1名は会社社長らしい。You can do it!)
サバニレースの情報を入手する為に、敵チームに潜入。 命がけの危険な任務が続く。 素人には、女性たちと宴会しているように見えるが、よく見ると大変緊張した状況であることがひしひしと感じられるはずだ。 ・・・・・ ー。ー サラダも、焼きイカもうまかったな。。。