ファルコン植物記(2211)【サクラソウ】(5)
4月
9日
世の中は、桜のソメイヨシノが各地で満開のようですが、足元では、鉢植えで置かれていましたサクラソウ科サクラソウ属の【サクラソウ(桜草)】が、可憐に咲いています。
【サクラソウ】は、湿地や林の草の間で群れて生える多年草で、プリムラの仲間の一種です。外国産の品種を「プリムラ(セイヨウサクラソウ)」と呼び、国内の原種とそれを元に作られた園芸品種を「ニホンサクラソウ」と区別しています。白やピンク色をした5枚の花びらには、それぞれ深い切れ込みが入っています。その形が、桜の花びらに似ていることが名前の由来です。環境の変化によって自生種の生息地が激減してしまい、現在は環境省レッドリストの準絶滅危惧種に指定されています。
春に芽を出し、浅く切れ込みの入った長楕円形の葉を根元から数枚広げます。4月から5月に、中央から1本の花茎を出して、花径2~5cmの数輪の花を咲かせます。6月ごろには葉が黄ばんで枯れ、夏から秋は休眠しています。
江戸時代に育種が進み、数百に及ぶ品種が作られた「古典園芸植物」です。2019年(平成31年)時点では322品種が認定されています。花形の変化が多く、近年では八重咲きもあるようです。