今年の読書(40)『寮生ー1971年 函館ー』今野敏(集英社文庫)
7月
22日
著者<今野>自身が1971年函館にある「ラサール高校」に入学していますので、半自伝的な青春へのノスタルジーを感じ取ることができます。
憧れの都会の高校生活に沸き立つ「僕」だったが、「入魂会」と呼ばれる、上級生の新入生つるし上げに面食らう。数日後、入魂会のリーダー格である2年生が屋上から転落死する。事故か自殺かわからない状況が続く中、寮には「毎年、入魂会を企画した寮生の誰かが死ぬ」という伝説がありました。彼はなぜ死んだのか-。事件と噂の伝説の謎を追って、「僕」を含めた同部屋4人の1年生探偵団が活躍します。
歯切れの良い警察捜査モノとは違い、モラトリアムの環境での探偵ごっこですが、青春学園ミステリーとして、楽しめました。