《〝額紫陽花=萼紫陽花〟6月木花Ⅲ 》
日本原産のアジサイ:
日本原産のアジサイ:
アジサイ科アジサイ属は約30種あり、日本原産のものは12種ある。
ガクアジサイ;
ガクアジサイ;
関東・中部地方の海岸地域に自生するため、ハマアジサイという別名もある。
中央につぶつぶの小さな花を集合させ、周囲を装飾花が取り囲んでいる。
装飾花の色は白と青が多いが、淡いピンクもある。
ガクアジサイはホンアジサイの原種とされ、西洋アジサイ等の栽培種の始祖。
小さな花のように見える個々を装飾花といい、花弁に見える部分は学術的には萼。
開花中には色がよく変化することでシチヘンゲ(七変化)ともよばれる。
開花中には色がよく変化することでシチヘンゲ(七変化)ともよばれる。
花期は、資料等では5月下旬~6月上旬だが最近は少し早まっている。
海辺に近い草地や林縁・海に面した岸壁に生える、落葉低木。
元来は野生のアジサイで、野生種の手毬咲き(ホンアジサイ)等、園芸品種の原種。
日本固有種。海辺に多いことからハマアジサイ(浜紫陽花)の別名がある。
神奈川県内では、三浦半島や真鶴半島などに分布あり。江の島にも自生がある。
アジサイの仲間は変異が多く、自生の野生種か園芸種かは素人では識別困難。
海に面した岩崖(がんがい)等、人の手が入れない場所にあれば野生種。
野生種の解説書等を参考にすると、
葉は、大きく幅広で丸っこく、厚みがあり葉先はあまり尾状に長くは伸びない。
表面はほぼ無毛で光沢(照り)があり、濃い緑色である。
ガクアジサイの花構造;
一般には花弁に見える部分は、厳密には萼が発達したもの。
中性花・・装飾花の中心に見える蕊群は、機能が退化して実はできない。
両性花・・装飾花に囲まれた大量の粒々の部分。
にょきにょき伸びているのが雄蕊、その付け根に小さく雌蕊がある。
剪定せず放っておくと小さな実ができる。
あかねさす ひるはこちたし あぢさゐの 花のよひらに あひみてしがな
作者不明、平安時代・『古今和歌六帖(こきんわかろくじょう)』にあるように、
アジサイの花は四枚の装飾花が目を引くため「よひら」と呼ばれることもある。
「四片(片は花びら意)」あるいは「四葩(葩は花)」と表す。
ガクアジサイも次年の花付きを考え7月中旬までには剪定作業を済ませる。
切らずに置くと、古びた色、渋い色合いになりおつなものだ。
「令和陸年(皇紀2684年)6月5日、記」