《〝額紫陽花と同じ様な形態〟山紫陽花と沢紫陽花 6月木花Ⅳ 》
日本原産のアジサイ・ヤマアジサイ;
ガクアジサイと外見は似ているが、装飾花量が少なく枝や葉も細く全体に華奢。
日本原産のアジサイ・ヤマアジサイ;
ガクアジサイと外見は似ているが、装飾花量が少なく枝や葉も細く全体に華奢。
山紫陽花の花期;一般的には5月中旬~6月上旬だが変動ある。
山地や丘陵地の沢の近くなどに生える落葉低木。日本在来種。
ヤマアジサイの姿は、慎ましやかで素朴な雰囲気だがガクアジサイ的。
野生のヤマアジサイは、森の中に細々と生えているといった感じ。
葉も花も質素。神奈川県内では丹沢や箱根、三浦丘陵地帯で見られる。
野生種か園芸種の植栽されたものかの識別は困難を極める。
自宅等に枝移植してみると開花過程の変化があって楽しめる。
栽培は、水枯れを防ぐ為大きめの鉢やプランターを用いるのがよいようだ。
水はけの良い土で水切れさせないように注意しながら、
冬は日光によく当て、日差しが強くなって午後は日陰に置く。
真夏に昼間の直射日光に当てると葉焼けするが、花付きは良くなると思う。
* * *
ヤマアジサイは本州に分布するヤマアジサイと、
四国・九州に分布するサワアジサイ(Hydrangea acuminata)に区別されるようになった。
2種に区別される前はサワアジサイはヤマアジサイの別名であった。
サワアジサイは装飾花の萼、普通花(両性花)の花弁、および花時の雄蕊は常に薄青色。
Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. 広義のヤマアジサイ日本(本州の関東地方以西)、朝鮮に分布する。
(サワアジサイの自生野生種は個人的には未見)
アジサイ(H. macrophylla)の別種とされたこともあるが、
アジサイは似た額咲きのガクアジサイを含み、
狭義には花序が全て装飾花である栽培種を指し、
葉が大きく、厚く、葉柄、葉の両面がほぼ無毛。
山紫陽花(狭義);
本州(関東地方以西)に分布する。丘~山地の林内のやや湿ったところに群生する。
落葉低木、高さ1~2m。幹は灰褐色、樹皮が薄く剥がれ落ちる。
落葉低木、高さ1~2m。幹は灰褐色、樹皮が薄く剥がれ落ちる。
若枝は緑色、毛が密生する。葉は対生し、葉柄は長さ1~3㎝、毛がある。
葉身は広惰円形~長楕円形、長さ10~15㎝×幅5~10㎝、
縁は粗い歯状~波状縁、質が薄く、鈍い緑色、
基部は楔形~円形、先が長く尖る。
葉の上面は多少毛があり、光沢が無く鈍く~やや光沢があり、
下面は脈上に縮毛があり、脈腋に縮毛が密生する。
この脈腋の毛は表面にいぼ状突起がある
(走査型電子顕徴鏡による徴細構造の調査結果)。
装飾花の萼、普通花(両性花)の花弁、
および花時の雄蕊は常にピンク色または白色。
花序は枝先に頂生し、
平らな額咲き型(lacecap form)の集散花序直径5~10(18)㎝、
不稔の装飾花は縁を取り囲むようにつき、直径1.5~3㎝。
花弁状萼片は3~4個、卵形。
小さな稔性の両性花は多数中心につき、
花筒が長さ約1.5㎜、花弁5個、雄蕊10個。
ヤマアジサイはガクアジサイと似ているが、
全体に小さく、葉の質が薄い。
ヤマアジサイ系統のアジサイ品種は多数ある。
また、アジサイとヤマアジサイ(アマギアマチャ)との自然交雑種がある。
熱海市、伊東市、東伊豆町、湯河原町、真鶴町内、箱根などで見られる。
山紫陽花の野生種;
1. Hydrangea serrata 'Shichidanka 七段花'
synonym Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata f. prolifera (Regel) Nakai
六甲山で採取され、シーボルトの「日本植物誌」に掲載されている。
装飾花が八重咲きで、萼片の先が剣状に尖り、
synonym Hydrangea serrata (Thunb.) Ser. var. serrata f. prolifera (Regel) Nakai
六甲山で採取され、シーボルトの「日本植物誌」に掲載されている。
装飾花が八重咲きで、萼片の先が剣状に尖り、
重なって星状に見える。
2. Hydrangea serrata var. serrata 'Beni-gaku' ベニガク(紅額)
synonym Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. f. rosalba (Van Houtte) Ohwi
日本で江戸時代から栽培されている栽培種。
ベニガクは葉がヤマアジサイと似ているが、
先が尖り, 縁に細鋸歯があり、質が厚く、表面にがある。
装飾花は白色から次第に紅色に変わり、
2. Hydrangea serrata var. serrata 'Beni-gaku' ベニガク(紅額)
synonym Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. f. rosalba (Van Houtte) Ohwi
日本で江戸時代から栽培されている栽培種。
ベニガクは葉がヤマアジサイと似ているが、
先が尖り, 縁に細鋸歯があり、質が厚く、表面にがある。
装飾花は白色から次第に紅色に変わり、
萼片は菱状円形、縁に鋸歯がある。
両性花は白色。
日本で江戸時代から栽培されている栽培種であり、
赤色系のセイヨウアジサイの母種になっている。
古くからのベニガクと似たような品種も多く、
両性花は白色。
日本で江戸時代から栽培されている栽培種であり、
赤色系のセイヨウアジサイの母種になっている。
古くからのベニガクと似たような品種も多く、
外観では判別が難しい。
セイヨウアジサイの'Rosalba'は両性花がピンク色、
セイヨウアジサイの'Rosalba'は両性花がピンク色、
ベニガクとは異なる。
ベニガクの学名はヤマアジサイの品種
ベニガクの学名はヤマアジサイの品種
Hydrangea serrata var. serrata form. rosalba
とされてきたが最近の研究では、
ヤマアジサイとエゾアジサイの中間的形質をもち、
両者の雑種に起源するものと考えられ、
ヤマアジサイとエゾアジサイの中間的形質をもち、
両者の雑種に起源するものと考えられ、
ヤマアジサイの変種とされている。
樹高2~3m。葉は対生し、葉身は狭い長円状披針形、
樹高2~3m。葉は対生し、葉身は狭い長円状披針形、
長さ4.5~10cm×幅1~3㎝、
基部は鈍形~楔形、縁に鋸歯があり、先は鋭形~尖鋭形。
花は枝先の散房花序につき、
基部は鈍形~楔形、縁に鋸歯があり、先は鋭形~尖鋭形。
花は枝先の散房花序につき、
白色の小さな両性花と少数の装飾花からなる。
装飾花は萼片が3~4個、倒卵形~倒卵状菱形、
装飾花は萼片が3~4個、倒卵形~倒卵状菱形、
萼片の間に隙間がある。
甘味がありアマチャの代用品として使えるが、
甘味がありアマチャの代用品として使えるが、
アマチャより甘みは弱い。
アマチャのように薬用としては栽培はされず、
アマチャのように薬用としては栽培はされず、
観賞用として栽培されている。
他にエゾアジサイ(蝦夷紫陽花)、ヒメアジサイ(姫紫陽花)、
サワアジサイ(沢紫陽花)、ナンゴクヤマアジサイ(南国山紫陽花)、
ヤクシマルリアジサイ(屋久島瑠璃紫陽花)、等がある。
「令和陸年(皇紀2684年)6月6日、記」
他にエゾアジサイ(蝦夷紫陽花)、ヒメアジサイ(姫紫陽花)、
サワアジサイ(沢紫陽花)、ナンゴクヤマアジサイ(南国山紫陽花)、
ヤクシマルリアジサイ(屋久島瑠璃紫陽花)、等がある。
「令和陸年(皇紀2684年)6月6日、記」