《襍・/・囈“植物(6)伊豆半島の桜!!”❖’22-23》

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植栽された、青野川沿いの“河津桜”
《伊豆半島の特異性・・・桜!?!》
早咲き桜として広く知られる “河津桜”。だが伊豆半島には、色々な早咲き桜がある。
前回も記したように、半島南部の年間平均気温は16°Cを超える温暖な気象条件。
そんな伊豆半島に関心を持ったのは、紫陽花の野生種を知り調べ始めたのがきっかけ。
そこで得た知識、伊豆半島の自然環境や植物群の変異株が如何に多いか、驚きだ!!
伊豆高原のお気に入りの宿近くの“桜の里”は、四季折々に桜の花を見ることが出来る。
伊豆半島に自生する有用植物のひとつである桜。紫陽花同様に桜の存在に関心を持った。
オオシマザクラ(Prunus lannesianavar.speciosa(Koidz.)Makino)、
ヤマザクラ(P. jamasakura Sieb. ex Koidz.),マメザクラ(P. incisa Thunb.)、
エドヒガン(P. pendula f.ascendens (Makino)Ohwi)等の野生種が確認されている。
そして1945年以降には、伊豆半島の外部からカンヒザクラ(P.campanulata Maxim.)
やシナミザクラ(P. pseudocerasusLindl.伊豆環境緑化推進協議会)等が導入されている。
更には、各地に自生する桜の野生種との間で自然交雑したと推察される桜も確認された。
伊豆半島は、桜の遺伝資源の宝庫。多様な変異系統を保有する、と紹介されている。
特に桜の変異系統は静岡県賀茂郡を中心とした南伊豆地域に多くみられるのも特徴的だ。
それらの中で‘ソメイヨシノ’(P.× yedoensis Matsum.‘Somei-yoshino’)より開花の早い桜は、
地元では古くから「早咲きザクラ」と呼び語り継ぎ立派に今日へと至り魅せている。
伊豆農業研究センターでは1972年以降、地元市町村と共に自生する桜を以って研究していた。
*南伊豆地域における早咲きザクラの探索と母樹園の設置。*
静岡県伊豆農業研究センターの前身である有用植物園では,
1972年に下田市,河津町,南伊豆町,東伊豆町,松崎町,西伊豆町、
賀茂村(現西伊豆町)に加え伊東市,土肥町(現伊豆市)、
これら2市6町1村に呼びかけ,伊豆環境緑化推進協議会を発足させた。
地域振興に寄与する目的で各地域内で特色のあるサクラを選定し、
植栽を推進する目的で、これらの市町村の自生種の中から
‘ソメイヨシノ’より開花期が早い而して観賞価値の高いサクラを探索、
生態調査を行い、その結果‘カワヅザクラ’‘ミナトザクラ’、
‘オキチザクラ’、‘オオシマ早生’、‘ベニカンザクラ’、‘カンザクラ’‘オオカンザクラ’
これらの7品種を地域内で活用すべき有用早咲き桜と選定した。
これらの開花期は,南伊豆地域では‘ソメイヨシノ’よりも1ヶ月以上も早い。
南伊豆地域における地域振興に貢献する重要な観光資源と位置付けている。
又、開花特性調査で‘カワヅザクラ’,‘ミナトザクラ’,‘オキチザクラ’‘オオシマ、
早生’の4品種は南伊豆地域の固有品種とも認定された。
その後、紆余曲折あり色々と研究され環境緑化・景観修景・緑化種苗生産供給、
そして緑化啓蒙などの環境緑化事業を発足させている。
‘カワヅザクラ’は、蕾は濃い紅色で満開時には花弁は淡紅色となる。
また、花径は平均3cm程度で一般の桜に比して大きく観賞価値が高い。
そこで育苗配布事業において重点的に苗木の増殖を行った。
中でも河津町には1,230本も植樹し「河津桜まつり」開催のきっかけとなる。
その後も河津町内では‘河津桜’を増殖栽され2011年までには約1万本も植栽。
2005年には‘カワヅザクラ’原木(??)を町指定の天然記念物とした。
環境緑化事業で南伊豆町に502本の‘河津桜’を植栽、観光名所にしている。
その後,1986年に南伊豆町から青野川沿いへの‘カワヅザクラ’の植栽に取り組んだ。
苗木不足から,青野川堤防のオオシマザクラを植栽し,これに接ぎ木を行った。
これ等の植栽樹は1999年から南伊豆町の「みなみの桜と菜の花まつり」になった。
※ ‘カワヅザクラ’からの実生個体および早咲きザクラの品種登録の支援 ※
伊豆振興センター南伊豆農場は,1987年4月には南伊豆町上賀茂に移転、
農業試験場南伊豆分場に改組され研究作業にとりかかっていた。
南伊豆地域内に植栽された‘カワヅザクラ’の実生個体内で多様な変異の存在に着目し,
それらの探索と花の形質調査を行っている。
‘カワヅザクラ’の実生個体間には開花期,花色・花の特性などに変異が多く見られた。
その多くはオオシマザクラとカンヒザクラに共通する形質を兼ね備えている事が分かる。
‘カワヅザクラ’はオオシマザクラとカンヒザクラの交雑種である可能性が示唆している。
この点については、核・葉緑体DNA多型に基づいた研究によっても明らかにされている。
また,河津町内では‘カワヅザクラ’より早咲きで花色の濃い変異個体が見いだされた。
品種登録を出願すべく形質調査支援を行い‘河津正月’と命名した(登録番号11556)。
更には、‘カワヅザクラ’の変異系統とは別に早咲き桜の自生個体が見つかっている。
土肥町内(現伊豆市土肥)における早咲き桜で形質調査を行っている。
この個体は、‘河津桜’よりも早咲きで花色が濃く‘伊豆土肥’と命名された(登録番号15225)。
現在、‘河津正月’と‘伊豆土肥’を地域の新たな観光資源とし植栽が進められている。
「令和肆年(皇紀2682年)3月1日、記」
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