ヤクシソウ(薬師草);
紅葉が始まるとめっきり花は少なくなるきせつでもあるが、
ヤクシソウは、木々が葉を落とす頃になっても健気に花を咲かせている。
その咲く風情は、造形美的。薬師草の葉は、赤く紅葉をもするのだとか。
だが黄金の野菊、葉形が薬師如来の光背に似て薬師草と命名された由。
陽当りの良い山地や道路わきの崩壊地等、渇き気味の所に生える越年草。
茎はよく分枝し赤紫色を帯び、根生葉は、匙形で柄あるが開花時には枯れる。
枝の先に多数の花をつけ、頭花は上向き、花後に花柄が曲がり下を向く。
総苞は黒っぽい緑色で円筒形。花のあと下部は膨れて硬くなり下向きになる。
この花の茎葉から白い乳液が出ることで別名チチクサ(乳草)とも言われる。
同種のハナヤクシソウ (form. pinnatipartitum)は、 葉が深裂する。
また、ウスイロヤクシソウ(form. pallescens)は花が淡黄白色。
黄色い舌状花のみからなる頭花を咲かせる。花は上向きに平開する。
枝先に数個固まってついた花は、花後に下を向く。頭花は直径約15㎜。
舌状花は11~19個。総苞は長さ7~9㎜。総苞内片は長さ約7㎜、総苞外片は小さい。
ハナヤクシソウは、葉が深裂するが下部の葉だけ深裂する中間的なものも見られる。
ウスイロヤクシソウ form. pallescens は花が淡黄白色。
中国には他に2亜種あり、ヤクシソウを基準亜種としている。
令和参年(皇紀2681年)10月16日、記」