ヤグルマギク(矢車菊);
和名は鯉のぼりにつける矢車に花の姿が似ることから。
園芸種的には、ヤグルマソウの名前でも流通しているのだが、
ヤグルマソウ はユキノシタ科の植物で別種である。
ヤグルマギクの白とピンクの花。千葉で露地栽培している。
ツタンカーメン棺中に、3千年以上も前のヤグルマギクが、
添えられていた由。感動・驚きである。
バルカン半島あたりが原産。明治年間に渡来したらしい。
全体に白色綿毛を布き、茎は中空で密に分岐し直立し茎高1m程。
葉は線形から披針形、株の基部のものは奇数羽状に深裂し、
茎につく葉はほぼ線形、ともに不規則な鈎状の鋸歯がある。
葉は無柄で互生し、中肋は茎に流れて低い翼となる。
茎の先端に直径5cm程の筒状花(頭状花)をつける。
外側の小花は直径1cmほどで雌・雄ずいを欠き、
中心の小花は花冠より長い雌・雄ずいを持つ。
花色は野生種では濃青紫色だが、栽培種は白、桃、赤色など多様。
総苞片の縁は、乾質の鋭鋸歯となる。そう果には白色の冠毛がある。
ヤマヤグルマギク(山矢車菊);
ヤグルマギク属の園芸品種。帰化種、ヨーロッパ原産。
茎高25~80㎝、茎は1~数本、直立、細いクモ毛状綿毛をもつ。
葉は薄く、下部の葉は葉柄に翼がある。中間及び上部の葉は無柄。
花は輻射型頭花、単生又は散房花序状に少数の頭花がつく。
「にほやかに君がよき夜ぞふりそそぐ白き露台の矢ぐるまの花」
(北原白秋『桐の花』1913)
「令和参年(皇紀2681年)3月25日、記」