『植物観察考』
ススキ(芒) イネ科(Poaceae)
学名:Miscanthus sinensis Anderss
茎は叢生。硬くて耐久力があり分枝した先端に越冬芽がつき冬まで立って残る。
茎(稈)の断面は円形、内部にスポンジ状の髄があって中実又は中空。
葉は、中央に白い筋があり縁には堅くて鋭い刺歯がある。葉裏にも毛が少しある。
葉の基部、葉鞘、節にも軟らかい毛がある。花序は、白銀色。
小穂には、小穂は、基盤に毛があり、2小花からなるが第1小花は退化し護頴だけになり、
第2小花の護穎に途中で曲がった長い芒(のぎ)が1本ある。
葯は黄色。柱頭は褐色~暗紫色、まれに白色のものもある。
秋の七草の一つであるススキ、ススキが最もススキらしく映るは、逆光に輝く時。
シロバナツリガネニンジン(白花釣り鐘人参) キキョウ科(Campanulaceae)
学名:Adenophora triphylla var. japonica f. albiflora
ツリガネニンジン の白花バージョンが、このシロバナツリガネニンジン。
ツリガネニンジンの紫色にも色々濃淡があり白に近い花は多いが、真っ白のは見かけない。
ソバナ(蕎麦菜、岨菜) キキョウ科(Campanulaceae)
学名:Adenophora remotiflora
よく ツリガネニンジン と同じ場所に生えている事が多く、注意深く観察しないといけない。
ソバナの特徴は、花がひとまわり大きく キキョウのように花の先が少し広がる。
ツリガネニンジン とよく似ているが、花が輪生するのがツリガネニンジン。
ソバナは、一つづつ花が付く。名前の由来は、葉形が ソバ の葉に似ているとか。
シロバナソバナ(白花蕎麦菜) キキョウ科(Campanulaceae)
学名:Adenophora remotiflora
ソバナ の白花種だが、めったにお目にかかれない希少種
ハマホタルブクロ(浜螢袋) キキョウ科(Campanulaceae)
学名:Campanula punctata var. litoralis
ホタルブクロ の変種で海岸付近に生育。 ホタルブクロ の白花と同じく花の色は白。
ホタルブクロの高山型には ヤマホタルブクロ がある
ソナレヤマホタルブクロ(磯馴山螢袋) キキョウ科(Campanulaceae)
学名:Campanula punctata subsp. hondoensis var. maritima
ソナレヤマホタルブクロの白花。伊豆半島を中心に見られる。
潮風に耐えるためか葉は厚く艶がある。
ヤマホタルブクロ の海岸型変種らしいが、資料がない。
ゲンノショウコ(現の証拠) フウロソウ科(Geraniaceae)
学名:Geranium thunbergii Siebold ex Lindl. et Paxton
別名: ミコシグサ(御輿草)
日本古来の民間薬の代表として挙げられるのがこの「ゲンノショウコ」。
乾燥した葉を煎じて飲むと20~30分で効き目が現れることからが名前の由来。
東日本では白色、西日本では紅紫色が多い。白・紅紫色の中間色のものもある。
茎はやや地を這い、下向きの毛が多く、葉は掌状に3~5裂する。
花は直径1.2~1.6㎝、花弁5個、長柄の先に1~2個つき、とても可愛いく清楚。
萼片5個、萼片の先に短い棒状の芒がある。萼片や花柄に腺毛がある。
雄しべ10個、葯は青紫色。雌しべ1個、花柱は5裂する。
コフウロ(小風露) フウロソウ科(Geraniaceae)
学名:Geranium tripartitum R. Knuth.
茎は細く、下部では毛がほとんどなく、上部では下向きの曲がった毛が生える。
葉が3全裂するのが特徴である。花は直径約1㎝、白色~淡紫紅色。
萼の外側には腺毛でなく、長い開出毛が密生する。
ゲンノショウコの葉は3~5深裂し、萼片や花柄に腺毛が生える。
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イズカニコウモリ(伊豆蟹蝙蝠) キク科《Asteraceae (Compositae)》
学名: Cacalia amagiensis
草丈40~60cmの多年草。 茎は上部に縮れた毛がある。
葉は普通2個、腎形で下の1個は、長さ12~13cm、幅22cm。
上の1個は、長さ7~8cm、幅10~12cm。
伊豆八幡宮来宮神社裏から伊雄山(459m)への山道(通称そり道)の途中に群落がある。
静岡県伊豆半島全体で見られるらしい。山地の林下に生え、高さは40~60センチ。
葉は普通2枚、長い葉柄があり腎形、歯牙縁で縁に細かい微鋸歯があり基部は深い心形。
頭花は総状円錐花序に多数付き、小花は4~5個、白色で長さ11ミリほど。
総苞片は5個。
カニコウモリの葉は普通3枚、対してイズカニコウモリは葉が2枚。葉が大きく、丸みがある。
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『 時 節 感 』
イズカニコウモリの花が見たくて伊豆高原方面を探訪しようとでかけた。
コウモリサンだけでは、とススキも見ようと欲張って稲取の細野高原にまず向かった。
時期的に少し早い、その分、人出はないだろうと!?!
ススキ(芒)は、昔、茎を茅葺屋根の材料として使っていた。
昔は、安価な屋根が茅葺きだったが今は最も高価な屋根が茅葺きである。
茅葺き(かやぶき)は「萱葺き」とも書かれるが、伊勢神宮では「萱」の字を使っている。
一般的にはススキ、茅、葦(アシ、ヨシ)稲ワラ、麦ワラ、笹など、身近な草を刈り、
屋根に葺いたことを広く茅葺き屋根と言われてきた。
用いる材料により茅葺き(かやぶき)藁葺き(わらぶき)、草葺き(くさぶき)と言う。
身近に勝手に生えているもの基本的に使用してきた。安価な材料で葺かれてきた。
耐久的に「カヤ40年、麦わら15年、稲わら7年」と言われている。
今はすすきの群落(草原)は、鑑賞対象。箱根仙石原は、有名で人出もすごいので敬遠。
ススキの穂先に付く実を拡大してみると、釣りの毛ばりのような姿をしている
ススキの穂は花のように見えるが、これは種の先に毛の付いた種の集合体。
イネ と同じで花びらはなく、雄しべと雌しべだけの花。秋の七草の一つ。
ススキらしいのは、逆光に輝く時だ。次回は、早朝か、夕暮れに訪ねたい。
少し散歩をしてるとキキョウ科の植物と思うが、花名を特定できない花を観た。
思い当たるのは、白花釣り鐘人参、白花蕎麦菜、浜螢袋、等々判定できず??
帰宅して資料をあさったが、特定できず。おまけに磯馴山螢袋が出てきた。
わからいので考えるのはやめた。
記録画像を整理していると、またまた分からない??花が写っていた。
現の証拠と思っているが、小風露かも知れない??
扨、さて本命の伊豆蟹蝙蝠だが、雨模様で群生地まで行けなかった(装備不足)。
来年、しっかりと準備して再訪してみたい。
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