“思い出の華・五「高嶺蓬・四葉塩竃」”《襍観・/・点描‘16-53》

《画像左部分》 タカネヨモギ(... 《画像左部分》
タカネヨモギ(高嶺蓬) キク科(Asteraceae)
学名:Artemisia sinanensis
《画像右部分》
ヨツバシオガマ(四葉塩竃) ハマウツボ科(Orobanchaceae)
学名:Pedicularis chamissonis var. japonica
(画像は、北アルプス槍ヶ岳・・槍沢)

タカネヨモギ(高嶺蓬)
オオヨモギやミヤマオトコヨモギ等と同じ高山種のヨモギ。
茎は20~50cm、葉はニンジンの様に羽状に切り込み裂片の先は尖り細い葉が特徴。
茎の上部に半球形の黄色い花を下向きに多数つけ、地味だが夏山を彩っている。
本州(中部・東北)の高山に自生し、日本固有種である。
花後にできる実は、そう果(熟しても裂開せず、種子は1つで全体が種子のように見える)。
属名の Artemisia はギリシャ神話の女神「アルテミス(Artemis)」を意味し、
この属の植物が婦人病に効くということから名づけられた由。
種小名の sinanensis は「信濃の」という意味。蓬とは思えぬ大形の花、不思議な姿だ。
ヨモギとは「よく燃える木」からきた名前だという。
お灸のモグサはヨモギの葉から作るが、よく燃えたら、熱くてたまらないのでは??


ヨツバシオガマ(四葉塩竃)
ミヤマシオガマと良く似るが、四葉の名のように鋸状の細い葉が4枚づつ輪生する。
仲間にエゾシオガマ、オニシオガマ、モエシオガマがある。日本固有種である。
また、白花のシロバナヨツバシオガマも存るが、未見。
茎高は、10cmから50cm位。「四葉塩竃」の花名は、諸説あるが不可思議な命名だ。
花冠は唇形、上の唇は兜状になり先は鳥の嘴のように曲がって尖る。
下の唇は3つに裂ける。萼は筒状で、先が5つに裂ける。
花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)。
花言葉は「誘惑」的を射てるか!?!観察してるとらしく映る。
属名の Pedicularis はラテン語の「pediculus(シラミ)」からきている。
種小名の chamissonis はドイツの詩人で植物学者の「カミッソ」を意味する。
変種名の japonica は「日本の」という意味。
別名:くちばししおがま(嘴塩竃)
ヨツバシオガマ(広義) Pedicularis chamissonis には、次のような変種がある。
エゾヨツバシオガマ var. chamissonis 北千島・カムチャツカ・アリューシャン列島。
キタヨツバシオガマ var. hokkaidoensis
ヨツバシオガマ(狭義) var. japonica(ssp. japonica) 日本(本州中部以北・北海道)。
クチバシシオガマ f. rostrata(var. longirostrata) 日本(本州中部の高山)。
レブンシオガマ var. rebunensis  
ミヤマシオガマ(深山塩竈) Pedicularis apodochila
ヨツバシオガマとの違いは、葉が細かく切れ込み根元から束になって出て、背丈が低い。

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「個性的に映る高山植物」
上記した2つの花は、どちらかと言うと地味な花だろうか!!
山岳パトロール(山の監視員・山岳レンジャーの前身)をしている時、
お世話になってる山小屋に麓からプロパンガスボンベ等を担ぎあげた事があった。
今では、ヘリを使って荷揚げするだろうが、当時は人力でも荷揚げしていた。
30kg用とか50kg用ボンベ。背負子に括り付けて登った。
こうした荷揚げを歩荷(ぼっか)とかボッカと称していた。
荷揚げは、食料品等々色々だったが、ダンボールに詰めて背負子で登る。
見た目は、凄いって見えるが、実際はバランスよく背負子に括りつけた。
更には、背負子自体も手作りで自作したものである。
荷を背負ったら2時間位、ゆっくりと歩く。休憩でも座らなかった。
森林帯をぬけて、、亜高山から高山帯の草地になると姿を見せる高山性花々。
そんな中に地味だが魅せる、休む目印にもなっていた花々。
今でも植物園等で見かけると思い出す出来事でもある。
お世話になっている返礼、而してトレーニングをも兼ねて一石二鳥だった。
正月登山のデポ(前もっての荷揚げ)のトレーニングにもなった。
先日富士登山をTVで観たが、富士山では、強力(ごうりき)と呼んでいる。
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#ブログ #植物 #花

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