“思い出した華「緋扇」”《襍観・/・点描‘16-54》

ヒオウギ(緋扇) アヤメ科(I... ヒオウギ(緋扇) アヤメ科(Iridaceae)

学名:Iris domestica (L.) Goldblatt et Mabb.

Belamcanda chinensis (L.) DC.


別名:カラスオウギ(烏扇)... 別名:カラスオウギ(烏扇)


艶っぽい・・・種子。 どうして... 艶っぽい・・・種子。

どうしてこんな色合いを出せるのだろう!!
花名になった葉の姿。 (借り物... 花名になった葉の姿。

(借り物画像)


幅の広い葉が扇を開いたように並ぶことから花名がついた!?!

ちなみに檜扇とは、檜の薄片を扇状に合わせた板扇で、宮中の儀式に使われていたもの。

ヒオウギアヤメ や ヒメヒオウギズイセン も同じ意味の名前。

ヒオウギの実の中には、黒い種がある。万葉集の枕詞「ぬばたま」はこの実のこと。

「居明かして 君をば待たむ ぬばたまの 我が黒髪に 霜は降るとも」

本州~沖縄の日当たりのよい山地の草原に生える。

葉は長さ30~50cm。扇状にでる。花茎は高さ1m前後になる。

上部で枝を分けて数個の苞をつけ、中から2~3個の花をだす。

花は直径3~4cm、花被の内外片は同形同大で平開する。

橙色で内面に暗赤色の斑点が多数ある。

さく果は楕円形で長さ3cm位、種子は直径約5mm、球形で黒く光沢がある。

種子が球形、黒色で光沢がある事でうば玉、ぬば玉と呼ばれている。

根茎は射干といい薬用にする。観賞用にも栽培される。

名前の由来,葉の並び方が檜扇に似ていることから。

以前はヒオウギ属 Belamcanda であったが、DNA系統解析でアヤメ属になった。

低山の草原等で普通に見られる。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

「草原・丘陵に映る植物」

日本では古くから親しまれており、生花材料としても栽培されてきた。

京都では祇園祭には欠かせない花、時期が来ると軒先などにヒオウギが飾られる。

栽培種は草丈が低く、ヒオウギの変種とされるダルマヒオウギがある。

茎葉が反り返るように湾曲する生け花向きのものなど、いくつかの品種や系統がある。

花は一日花、次々と咲き続け花後に袋状の大きな鞘ができる。

熟し割れ中から黒いタネが出てくるが、タネはしばらく落ちずに残る。

それ故、ユニークな花材として利用されている。

ヒオウギは東アジア原産の1属1種の植物、北アメリカでは帰化植物として野生化している由。

「ブラックベリー・リリー」と呼ばれるのがそれッて聞いた。

一般的に流通では品種名のないものが多く異様に思う。

単にヒオウギ、またはダルマヒオウギの名前ばかりが目につく。

ヒオウギ「黒」や「夜」の枕詞に使われる。種子の黒さの輝きは、実に見事だ。

ぬばたま(射干玉)、又は、うばたま(烏羽玉)と呼ばれるのも納得が行く。

しかし、ヒオウギの花自体を歌った和歌が万葉集にひとつも無い。不可思議でもある。

夏から秋にかけて咲く。。。午前中に咲き夕方にしぼむ一日花。

「ぬば」は、黒色を表す最も古い語。

京都の祇園祭時、昔から家々の軒先に魔よけとして飾られて来た花。

又、根茎を干したものは生薬名で「射干(やかん)」と呼ばれる。

消炎、利尿、去痰、風邪に効果があるらしい。

江戸時代に書かれた「和漢三才図会」に扁桃腺に良く効くとある。

ヒオウギは花よりも種子で名のある花である。

祇園祭といえば、、、屏風祭りの「桧扇」の花!!

祇園祭は、宵山と山鉾巡行だけではないですよね!!

7月1日の吉符入りにはじまって、31日の疫神社夏越祭まで、色々有りますね。

神輿洗、お迎え提灯、稚児社参、宵宮神賑奉納神事、神幸祭、花傘巡行、還幸祭と。

30日余りも続く祭事は、祇園祭だけでしょうか!!

鉾町の家々では、自慢の屏風や蔵から持出した家宝などを座敷に飾って披露します。

その屏風の前に桧扇(ヒオウギ)の活花を飾るのが慣習ですよね(暫く拜していないので???)

花に神が宿ると考えた祖先の思いが、屏風祭りの桧扇にも伝承されて。。。風情あります。



先日、住まい近くのお宅でのガレージ野菜売り(週1日)に出かけた。

庭の片隅に植栽されたヒオウギが、見事な花をつけていた。

花を観ていて色々と昔を思い出した。

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#ブログ #植物 #花

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緋扇の花の色は、鮮やかですね。
実の色は、引き込まれそうな雰囲気です。
投稿日 2016-09-02 21:51

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おはようございます、moonさん。

花だけを切り出してみると鮮やかなんですが、引いて周りに溶け込ませて観ると落ち着いた感じに映ります。均衡・・自然はどうして融合して見せてくれるのか??
眺めれば眺めるほど!!!
投稿日 2016-09-05 02:30

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