研究者解説(筑波大・松本定)
日本特産で、山地の木陰などに群生する小形の多年草。
白く花弁のように見えるのは萼、花弁は糸状で二又に分かれた先端に黄色い密腺をつける。
木の葉が茂って暗くなる5月頃には種子が散布され、地下の塊茎に栄養分を貯め、
地上部は枯れて翌年の2月まで眠ってしまう春植物。
林床に十分光が入るこの時期に葉を開いて花を咲かせ、初夏までの間に養分を蓄えたのち、
翌年の春まで姿を消してしまう植物をスプリング・エフェメラルと呼びます。
地上部が短命であるようすから、「春のはかない命」と訳されます。
これらの植物によって早春の林床は大変にぎやかになります。
スプリング・エフェメラルのひとつ、“福寿草”が咲き始めました。
その近くではセツブンソウが今にも落ち葉の下からつぼみを広げて姿をあらわそうとしています。
植物園内にあるのはフクジュソウとミチノクフクジュソウの雑種起源のフクジュカイ(福寿海)、
園芸種で種子ができず栽培が容易で“福寿草”として栽培される大部分はこの品種のようだ。
自然・野生自生種は、伐採等で今や本州(関東地方以西)で準絶滅危惧 (NT)である。日本固有種
属名のEranthis(エランティス)は、ギリシャ語で「春の花」の意。
和名は早春に花を咲かせるのでついた。でも節分の頃より少し遅く咲く(自生地の話)。
木の葉が茂って暗くなる5月頃には種子が散布され、地下の塊茎に栄養分を貯め、
地上部は枯れて翌年の2月まで眠ってしまう春植物。
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今年は、早くも山麓の一ヶ所で咲いていた!?!
「筑波山麓 2016/02/2」