野生のアズキ、食用のアズキ (小豆・赤小豆、学名;Vigna angularis)とは別種。
つる性で食用にはならない。よく似たヤブツルアズキがアズキの原種と言われる。
葉がクズに似ることから、別名ヒメクズ(姫葛)とも呼ばれている。
ノアズキは林縁・堤防や路傍などの草地に生育する多年生ツル植物。
葉は3枚の小葉、小葉は2~3cmと小さい。細茎だが丈夫である。
葉の表面は、殆ど毛がないが、裏面脈上に短毛、裏面全体に赤褐色の腺点がある。
顎にも赤褐色の腺点がある。
ノアズキ名は、属が異なるアズキの花とよく似ている点による。
又、ヒメクズの異名は、小型のクズといったイメージか。
クズは日中の日射が強いときには葉を上にもたげて葉の裏面を日光に向けて光を反射させる。
同様にノアズキも光が強すぎる場合には葉を立てて対応する。
ノアズキとヤブツルアズキは夏の終わりの頃から初秋にかけて開花する。
野小豆、藪蔓小豆共に蔓性で、花だけでは見分けるのが難しい。
見分け方は、野小豆の葉は、菱型っぽいが、藪蔓小豆の葉は、一部の葉が三裂している。
豆果も野小豆は扁平だが、藪蔓小豆のそれは無毛で小豆状の豆を付ける。
ヤブツルアズキを改良したアズキは2000年程前に中国から伝わったとされる。
美しい赤色が古くから魔除けに用いられ、転じておめでたい赤飯等に使われた。
平安時代の 「本草和名」 には阿加阿岐(アカアツキ)、江戸時代には阿豆岐(アズキ)と書かれた。
「9/13・・座間谷戸山公園」