バラ(薔薇) バラ科(Rosaceae)
学名:Rosa“***”
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先月、訪ねた「花菜ガーデン」で園芸種のバラたちを眺めながら思ったことがあった。
「野茨」って日本的、「和敬静寂」そのもののよう感じ、人間の歴史と同視できる気がする。
目の前で魅せる色々な薔薇達。其の親種(野生種)に東洋原産種が輝き光ってる。
中国のバラであるロサ・シネンシスは1768年、日本のロサ・ルゴサ(ハマナシ)は1779年、
ロサ・ムルチフローラ(ノイバラ)は1804年等々、西欧にもたらされた。
其の源を辿り遡るとヒマラヤの山麓にたどり着く。
人間の三大種別の一つに「モンゴロイド(黄色人種)」があるが、
モンゴロイドの原点もヒマラヤ周辺。そんな中で日本人が最も純粋のモンゴロイドだと言う。
バラのDNA、人間のDNAも原種・・・純粋性を潜在し、歴史を流れ、今がある。
日本のバラ(野生種)、ノイバラ・ハマナシ・サンショウバラ・テリハノイバラ・タカネイバラ;
これ等の生育地は、主に南日本の山地に自生している。
一方、西欧のバラの中にものすっごく古きより生きている薔薇の木がある。
ドイツ北部にヒルデスハイム(Hildesheim)という町があり、
町のミカエル教会大聖堂の庭に「千年長寿の薔薇」と云われる薔薇の木。
西暦815年に植えられたと言い伝えられている古木。
20世紀初頭、アポリネールの短編『ヒルデスハイムの薔薇あるいは東方三博士の宝物』
“La Rose de Hildesheim ou les Tresor des rois Mages”
の中に「世界中で最も小さな美しい町」
“ C'est une des plus jolies petites villes du monde que Hildesheim ”
と紹介されたヒルデスハイムの町、其の地は薔薇の木と共に成長してきた。
【ギヨーム・アポリネール Guillaume Apollinaire (1880-1918) は、
20世紀初頭のフランスにおける、ほとんどあらゆる前衛芸術に係わりを持った。
今日では詩人としての名声が確立しているが、彼はむしろ美術批評家として出発したのであり、
ピカソやブラックのキュビズム、キリコらのフュチュリズム、
そしてオルフィズムやシュルレアリズムなどを次々と世に紹介したことで知られた。
詩人としては、象徴派以来の伝統的な詩法に、奔放な創造力をからませ、
現代詩につながる独自の詩を作った。
またセミポルノ的な作品や、不条理劇なども作り、忘れられた巨人マルキ・ド・サドを復活させたりした。
色々な意味で、時代を画する芸術家であった。】
街の歴史は、さておき、薔薇のことだが、19世紀末・・・!
「この町の建設についての奇跡的な目撃者である千年の樹齢をへた薔薇が、寒さと老齢のため枯れかかってきた。
町の植木屋は木を生き返らせることは不可能だといったが、ハノーファーから来た植木屋が治療を施した。
ハノーファーの植木屋が牡牛の血を上手に使って、薔薇の命を助けた」まさに奇跡を起こした。
しかしこの薔薇の木、20世紀に於いても奇跡をもたらす。
1945年3月22日、ヒルデスハイムが空襲により壊滅、大聖堂も崩壊した。
薔薇の木は黒焦げになったが、落ちてきた後陣の石が火からバラの根を守り、
8週間後、古い根から25の新芽が芽吹いて、今も大事に手入れされている。
その後、新芽には出た年のプレートがつけられている。
実際に花を見たことがない。一度は、見てみたいものだ。
日本での「薔薇」の呼び方「へんげ」。・・・・!
昔の方言では、バラを「ウマラ/ウバラ(荊棘・茨)」と言い、
ウマラ → ウバラ → バラと転化してきたと言われている。
バラの方言としては、「バイラ(九州)」、「シロヒゲ(長崎)」、「グイ(四国)」、
[カタラ(中国)]、「バイタ(東北)」、「ナツツバキ(関東)」などがある。
漢字の「薔薇」は中国ではソービ/ショウビと読む。
漢名では、ノイバラなど小形の花を多数群れるようにつけるものを薔薇(ショウビ,qiangwei)と呼び、
コウシンバラなど大形の花をつけるものを月季(ゲッキ,yueji)と呼んで区別する。
和名には月季の名はなく、両者を混同して、一般にバラを薔薇と書き、ソウビ・ショウビと読む。
「バラとことわざ」も様々。
日 本:美しい花にはトゲがある。
英 国:若いときにはバラの花の上で眠り,老いたらイバラの上に寝る。
トルコ:人は石より重く,バラよりデリケートである。
チェコ:時間と忍耐がバラを生む。
宗教的に、キリスト教では白バラを純潔・美・貞節、赤バラを殉教の象徴にしている。
思い始めたら尽きることを知らない「ばら」。古今東西、人気がある証拠だろう。
11月09日誌「薔薇におもう」
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