11月
16日,
2013年
叛逆のろれつ_11・2《云うべきか言わざるべきか!?!》布袋葵。
公園管理事務所入り口脇水槽に「ホテイアオイ」が入れられて上に張り紙がしてあった。
「ホテイアオイ」
公園内の池で発見した植物です。
外来種で繁殖力が強く在来生物に悪影響が出てきましたので取り除きました。池や川にこの植物を捨てないでください。」
「外来種・園芸種、他地域の生物が増えて困っています。」
「ペットや植物を廃棄のために持ち込むこともご遠慮ください。園芸用の土も一緒です。」
ホテイアオイ (布袋葵) 単子葉植物ミズアオイ科(水草)
学名: Eichhornia crassipes (Martius) Solms-Laubach)
【英】Water-Hyacinth (ウォーターヒヤシンス)
上記公園張り紙の補足;
ホテイアオイは、 熱帯アメリカ原産の多年生の水草。葉柄(葉と茎をつなぐ部分)の中央部がふくれて多胞質になり、浮力を得て水面に浮かぶ。花は8~10月に高さ12~15cmほどの花序(花をつけるための茎状の部分)につき、直径約3cm。1日しか咲かない。
明治時代に観賞用に輸入されたが、暖地の池、水田、水路などに繁茂し野生化している。浮遊性ある草で暖地では枯れずに繁殖し続け水路や湖面全体を覆い尽す。それ故、元来生育していた植物を駆逐するのみならず船舶の運航に障害がでたり水面に日光が当たらなくなるため水中の酸素不足を引き起こして水質を逆に悪くするとして害草の一つとしてあげられている。
他方、暖かい気候と富栄養化(窒素やリンを多く含むこと)した水域では1週間に2倍に増殖する旺盛な繁殖力に着目し、近年、水中の養分を沢山に体内吸収し蓄える作用を利用して水質浄化植物として活用も検討されているが、繁殖を定期的に抑える(間引き)必用がある。この手間、管理の合理的解決策はまだない。
青紫色の可憐な花は景観形成植物として、奈良県橿原市、新庄町など各地で栽培されてる。現在の奈良・京都以北の気候では、越冬は困難とされてるが岡山県以西や、暖流の影響する石川県では越冬し過繁茂することが確認されている。そのため、従来から生息していたアサザやトチカガミなどが絶滅の危機にある。
※家庭での池等、小規模の所であっても適度の間引き整理が必用。光が行き届く状態・微生物の存在等々、多様性を維持管理する必用がある。※
同属のミズアオイについて(おまけ)
ホテイアオイ・ミズアオイは共に水生植物の仲間でミズアオイ科に属す。
ホテイアオイは、夏の金魚鉢を飾る水生植物として定着している。
一方、ミズアオイは、古くには日本各地でみられ、古くは「菜葱」と云って食用にされたようである。ミズアオイの形はホテイアオイに似ているが、ホテイアオイのような浮き袋は無く、花は淡い青紫色で9~10月に開花。また、ミズアオイは冬に枯れる一年草で種子で繁殖。
ミズアオイは近年、湿地の開発などで少なくなっており、環境省のレッドデータブックでは絶滅危惧植物の一つに数えられ、環境への関心が高まりとともに、NGO活動により種子の無料配布が行われている所もある。奈良県明日香村で保全と増殖がなされている。
かように、開発などで従来日本に生息していた植物が無くなり、外来種が過度に繁殖すると、植生の単一化(画一的貧化)が進み環境悪化の原因ともなり懸念される所。
我が国の原風景を保ち、在来種の多様な植生を保全するためには、ホテイアオイやボタンウキクサなど外来植物を安易に水田や水路に捨てない配慮を個々人が心がける必要がある。
余計なことだが、あえて皆さんに知って欲しいこと。
下記の研究機関のデータなども参照されることをおすすめしたい。
国立環境研究所↓
http://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/DB/detail/80810.html
ワオ!と言っているユーザー
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