3月
13日,
2022年
「上質な会話」が人を動かす(Day1)「『1on1ミーティング』の究極のゴールは?」
最近にビジネス界では「1on1ミーティング」導入が花盛り。元々は米国のシリコンバレーにあるIT企業で導入され、それが日本へ「輸入」されたものだ。
私は外資系数社で働いた経験があるが、実は「1on1ミーティング」という名の、上司部下間の会議が、制度化されていた記憶はない。
むしろ私が勤務していた会社では、上司と部下、もしくは同僚同士での「立ち話」が、かなり頻繁に行われていた記憶がある。
高さが1m20cmくらいだろうか、少し低めのパーティションにもたれながら、
「確かにそういう課題はあるよね!それで、お客さんは何て言っているの?」
「課長、例にプロジェクトでちょっとやっかいなことがあって滞っているですけど、どう進めらたらいいのでしょうか?」
「そういえば、調査を頼んでおいた例の案件、今どんな感じ?」
今思い出すと、上司・部下・同僚同士、かなり自由に会話が行われていたように感じる。
それも「こそこそ」「ひそひそ」ではなくオープンで、周りの人たちが聞こえるくらいの声でだ。
もちろん「ヒト」に纏わる話題やプライベートなことは、状況を勘案して会議室で話されていたはずだ。
「分かりました、課長。その方向で検討してみます。また進捗を連絡します!」
「いやー実は、まだ調査は進んでいないんです。今週末の時点で、取り敢えず分かったことだけですが、ご報告します。」
課長や部長、そして役員までが参加?する「立ち話」だが、上長たちがどんな言葉がけや問いかけ、また助言や指示などをしていたのだろうか?
私が20年間勤務していた米国系企業には、いくつか会社の会社運営に関するポリシーがあった。その中で印象に残っているpolicyの一つ(今となってはうろ覚えで英語的には???だが)は、
Employee oriented, Manager supported
つまり、
・社員が主体者、マネジャーは支援者
・環境を用意すれば、社員は自らの意思で行動を起こす
・マネジャーの仕事は「環境を創る」こと
従って、マネジャーは、細かい指示や命令をすることより、部下の意向ややりたいことを聞いた上で、それを実行するための支援をする、と考えられていたのだと思う。
「1on1ミーティング」の究極の到達点は、きちんと2週間に一度50分、上司部下が定例的に会議室で話をすることではなく、
上記のような短いながらも「上質な会話」が、オフィスの至るところで、組織の様々な階層間で、行われるようになることだと強く信じている。
「1on1ミーティング」自体は、その実践するための「前段階」の制度の一つと理解したい。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお