外洋のうねり
5月
3日
フェザークラフトにサバニ型のセールを装着して風を操る。
いよいよ、日本で初めてのセーリング・カヤックによるツアーが沖縄カヤックセンターの主催で、今日始まる。
僕も多くのテストに参加してきただけに、感慨深い。
2003年7月。
僕等は、沖縄本島から奄美大島までをカヤックを漕いで渡ろうとしていた。
伝説のスーパー・ロング・ディスタンス・ツアーだ。
旅の途中、あまりの過酷さに、沖永良部島で1日の休息を必要とした。
徳之島の南では予想より潮の引きが激しく、リーフからの脱出に失敗!多くの艇が修理を必要とした。
そのため、翌日は2日分を漕ぎ進む必要に迫られた。
その距離約60km。
そのとき、ホーボージュンと伊東画伯が何やら作り始めた。
タープとグリーンランドパドルで作った、スピンネーカーだ。
「60km進むぞ!おー!」
結局この作品が使われることはなかったが、僕らが風を操ろうと考えた原点はここにあるのかもしれない。