20日午前の東京株式市場で日経平均株価は反落し、午前終値は前日比172円08銭(0.45%)安の3万8242円35銭でした。米金融政策の先行きや
ウクライナ・ロシア情勢など市場を取り巻く環境の不透明感から値がさ株の一角に売りが出ています。20日に発表を控える米エヌビディアの四半期決算に対する期待から半導体関連を買う動きが先行しましたが、伸びてはいません。
日経平均は朝方から方向感を欠く展開となりましたが、10時前後から下げ幅を広げる展開となりました。堅調な米景気やインフレ再加速への懸念から米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの見方が根強く、米長期金利は高止まりしています。
ウクライナとロシア情勢を巡る地政学リスクの高まりも、積極的な買いを見送る要因となりました。中国の上海総合指数などアジア株が下落する局面では株価指数先物に海外勢とみられる売りがやや強まると、現物株にも下落圧力がかかっています。値がさのファストリや東エレク、アドテストが下落でした。
セブン&アイが創業家による買収に関する報道で急伸し、上場来高値を更新しています。ソニーGは動画配信・出版大手のカドカワの買収に向けた協議に入ったと伝わったことを手掛かりに上昇でした。個別で材料のあった主力株には買いが集まり、相場の下値を支えています。
前日に2024年4〜9月期決算を発表した損保株ではSOMPOが今期(2025年3月期)の連結純利益予想を2300億円から前期比(3.9%減)の4000億円に上方修正すると発表しました。上方修正と追加の株主還元を好感した買いで急伸でした。一方、東京海上とMS&ADは大幅に下落し、明暗が分かれています。
終値は、前日比62円09銭(0.16%)安の3万8352円34銭で終えています。