10日の米株式市場でダウ工業株30種平均株価は続落して始まりました。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ時期を巡る不透明感から米長期金利が上昇し、株式相場の重荷となりました。週内に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表などの重要イベントを控え、持ち高調整の売りも出ています。
10日朝の米債券市場では、長期金利が前週末終値(4.43%)を上回る(4.46%)を付ける場面がありました。前週末発表の5月の米雇用統計で雇用者数と賃金の伸びが市場予想を上回り、(FRB)が利下げの判断に慎重になるとの見方につながりました。長期金利の上昇で株式の相対的な割高感が強まるとみた売りが出ています。
今週は12日に5月の米消費者物価指数(CPI)が発表されます。同日には(FRB)が(FOMC)の結果を公表しますが、政策金利の据え置きを決めるとみられています。併せて公表になる(FOMC)参加者の政策金利見通し(ドットチャート)に注目が集まっており、2024年中の利下げ予想が前回3月時点(3回)から減るとの見方が多く。(CPI)や(FOMC)の結果を前に持ち高を減らす動きが見られます。
主力銘柄への売りが一巡した後、ダウ平均株価は下げ幅を縮め、上昇に転じています。アナリストが投資判断を引き上げたウォルマートが高く、別のアナリストが投資判断を上げたハネウェル・インターナショナルも上昇し、ダウ平均株価を支えています。
ダウ平均株価は、前週末比69ドル05セント(0.18%)高の3万8868ドル04セントでした。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は、前週末比62.26ポイント(0.36%)高の史上最高値となる1万7195.39でした。
S&P500種株価指数は、前週末比13.80ポイント (0.26%)高の史上最高値となる5360.79でした。