「Mars 2020 Perseverance」打ち上げ成功
7月
31日
57分後に探査機は予定通りAtlas V(アトラスV)ロケットから切り離され、火星へと向かう軌道に乗ったことが確認され、打ち上げは成功しています。パーサヴィアランスはこれからおよそ4億9700万キロメートルの航海の後、2021年2月18日の火星着陸を目指します。
パーサヴィアランスが無事に火星へ到着できれば、アトラスVは打ち上げと火星到着を連続成功に導いた記録を達成することになります。
航行中のパーサヴィアランスは、「クルーズステージ」と呼ばれるカプセル状の保護機構の中に収められた状態となっています。クルーズステージはエンジンを備えており、火星までの軌道修正を担う部分でもある。航海は約200日にわたり、最後の45日間は火星接近フェーズとなります。
2021年2月18日に予定されています火星着陸時には、EDL(突入・降下・着陸)という旅の山場を迎えます。時速1万9500キロメートルで航行してきた状態から、ヒートシールドを備えているとはいえ1300度もの高熱にさらされて火星の大気圏を降下し、平坦な地面に着陸するまでは探査機にとって非常に危険な行程です。今回、探査機が降下中に地表を撮影して安全な地形を選択し、自律的にパラシュートを開くタイミングをコントロールして精密着陸する新技術も導入されました。
パーサヴィアランスの目的地は、火星の赤道に近い北半球側の「ジェゼロ」クレーターを目指します。直径およそ45キロメートルのジェゼロクレーターは約35億年前に形成され、かつて湖だった場所と考えられている。川が流れ込んだ三角州状の地域には、微生物または微生物が生成した物質が存在するのではないかと期待されている。存在すれば、史上初の地球外生命の発見となる。
地表の探査に加え、火星の希薄な大気で航行する「火星ヘリコプター」の実証を行うなど、多様なミッションをパーサヴィアランスは1火星年(地球の687日)にわたって実施する計画になっています。新規な、そして盛りだくさんのミッションから生命の発見につながるか、パーサヴィアランスの2年間に期待がかかります。