今年の読書(41)『プラージュ』誉田哲也(幻冬舎文庫)
7月
27日
雑多な住人が共同生活をする「シェアーハウス」を舞台としています。色々な性格の登場人物たちを描けるということで、『新子岩 パラダイス』<又井健太> や 『荻窪 シェアーハウス』<小路幸也> などの作品がありました。
本書は、覚せい剤使用で執行猶予中の30歳<吉村貴生>とフリーライターの<僕>の二人の視線で物語が進んでいきます。
執行猶予中ということで無職の<貴生>は、火事で住む所がなくなり、保護司の世話で、<朝田潤子>が経営する『プラージュ』というシェアーハウスに住むことになります。住人達は、何某かの犯罪の過去を持っていますが、物語の進行に伴い各人の過去が露わにされていき、<僕>の意外な過去の結末に、読者は驚かされ、読後の余韻に浸されることになります。