《 備忘録(12月に観たい〝野生花6〟)!?! 》
徳島県が分布の北限になるヤッコソウも変わった植物として知られている。
種子を作る植物は緑色の葉を以って光合成を行い必要な養分を自分で作る。
このヤッコソウは、全体が白く葉を持たない。自分では養分を作れない。
別の植物に寄り添い養分を摂取している。まさに寄生植物である。
ヤッコソウは、シイノキ属の植物の根にのみ寄生するという。
ヤッコソウは、シイノキ属の植物の根にのみ寄生するという。
晩秋から初冬にかけて 「やっこ 」に似た白い花を付ける。
其の容姿から花名が付けられた由。希少で、国や県の天然記念物でもある。
ヤッコソウには、帽子がある。その帽子は、雄蕊が筒状になったもの。
帽子の側面には、花粉がつまった葯が帯のような状態(葯帯)を持つ。
花は初め雄蕊の帽子を被っているが、徐々にそれが剥がれ雌蕊が顔を出す。
花には、沢山の甘い蜜を花の下側の鱗片葉の付け根に蜜を溜めている構造。
溜まった蜜を求めて小動物や虫が蜜を吸い、入れた頭に雄蕊の帽子が触れる。
花粉が付き別の花に移り蜜を吸う時、むき出しの雌蕊に体が触れ受粉する。
ヤッコソウは、初冬まで花を見せる。3㎝程度の高さで地表面に群がって生える。
面白いのは、雄蕊と雌蕊の動き。初め雄蕊の花糸・葯の合着し帽子状に。
そして雌蕊の柱頭と子房を上から覆い、粘液状花粉が葯から分泌される。
次に雌性期に移行、花粉が出なくなり雄蕊が抜け落ち柱頭が露出し受粉。
蜜は燐片葉上部付根に分泌され、蜜を摂食した昆虫や鳥類が花粉を運ぶ。
受粉が完了した個体は、柱頭が黒褐色に変色する。
次に雌性期に移行、花粉が出なくなり雄蕊が抜け落ち柱頭が露出し受粉。
蜜は燐片葉上部付根に分泌され、蜜を摂食した昆虫や鳥類が花粉を運ぶ。
受粉が完了した個体は、柱頭が黒褐色に変色する。
合着した花被片に保護された子房内部に多数の微小な種子が作られる。
熟すると液果状になり、そのまま冬越しをする。
11月に開花し、12月に入ると殆の個体が受粉を終えて柱頭が黒くなる。
開花時期のばらつきが一ヶ月程度あり12月でも開花がみられる。
万歳姿のヤッコソウは、高知県で発見され、牧野富太郎博士が命名した。
徳島、高知、宮崎、鹿児島から沖縄までに分布。シイ属の根に寄生する。
栄養体は根の中で生活し、11月頃に花だけが外に出てユニークな形をとる。
* * *
未だ見ていない野生種だが、ツチトリモチ同様の寄生植物。
遠き南方方面に多い花々、出向くのが大変。記録しておく^^)。
「令和伍年(皇紀2683年)12月19日、記」