“夏花野草五(狐)”《襍感・/・点描‘18-43》

キツネノカミソリ(狐の剃刀) ... キツネノカミソリ(狐の剃刀) ヒガンバナ科(Amaryllidaceae)
学名:Lycoris sanguinea Maxim. var. sanguinea
キツネノマゴ(狐の孫) キツネ... キツネノマゴ(狐の孫) キツネノマゴ科(Acanthaceae)
学名:Justicia procumbens L. var. procumbens
Justicia procumbens L. var. leucantha Honda form. japonica (Thunb.) H.Hara

《時節感慨・・呟記・・》
キツネノカミソリ(狐の剃刀);
地味なオレンジ色のためか、ヒガンバナと比べ、あまり話題にならない。
キツネノカミソリの名前は、芽ぶいた直後の葉の形が剃刀に似ているから。
他方、面白いことにタヌキノカミソリ(ヒガンバナ科で別名リコリス)がある。
ヒガンバナの仲間だが、真夏の暑い時期に花を咲かせる。
花が咲く頃には葉が枯れてしまうという、変わった植物。在来種(日本固有種)。
ヒガンバナと同じく有毒植物。花はヒガンバナよりオレンジ色が強い。
地下にヒガンバナとよく似た直径3~4㎝の鱗茎(球根)がある。
春出た葉は夏には枯れ、その後に花茎が出て花が咲く。
茎頂に花を3~5個つける。花被片は6個、長さ3~4㎝、橙色~黄赤色、反り返らない。
雄蕊6個、花被とほぼ同長。雌蕊1個。蒴果は、扁球形。種子は黒色で扁平。
ムジナノカミソリ は、九州と対馬の湿った場所に自生。雄蕊は花被片より短い。
オオキツネノカミソリは、花被片がそり返り、雄蕊、雌蕊が花から突き出ている。

「研究者ノート」(筑波大;遊川知久)
夏、何もない地面から突拍子もなく花が現われたかと思うと、
また地上から消えてしまい、春にようやく葉が出てきます。
地下にはチューリップのような鱗茎が埋もれていて、栄養や水を貯えています。
私たちはヒガンバナ科の進化の道筋を、DNAの塩基配列を調べて明らかにしました。
キツネノカミソリなどヒガンバナ属の起源はアジアの西の乾燥地にあって、
さらに時代を遡ると地中海沿岸が故郷のスイセン属など同じグループだった可能性が高いのです。
どうやら、ヒガンバナ属が鱗茎を作って夏に休むライフサイクルは、
夏の乾きがきびしい地中海性気候に適応した先祖の性質を、そのまま残したもののようです。
「春植物」と呼ばれるカタクリなども、夏に地上部が消える点でよく似ていますが、
これは夏に暗くなってしまう落葉広葉樹林の林床に適応した進化で、
キツネノカミソリとは異なった原因で成立したのだと思います。


キツネノマゴ(狐の孫);
キツネノゴマ(狐の胡麻)ではなくキツネノマゴ(狐の孫)。
小さな花と低い背丈で目立たないが、名前が面白い。
ハグロソウと間違えやすいが、こちらはくちびる形。ハグロソウは2枚の花びら。
花の根元に密集している細いガクのような穂が、狐の尻尾に似るという説があるが、孫の意味は不明。
茎高10~40cm。葉は対生し卵形。花は淡紅紫色の唇形花(穂状に密集)。萼片や苞の縁に白い毛がある。
雄蕊2個。葯は2室で上下につき、下の葯のほうが大きくて基部に突起がある。
「2018/7/22泉の森」

*    *    *    *    *

未だ7月というのに、西日本の雨災害、今度は台風災害。各地の皆さんお見舞い申し上げます。
今回の台風、神奈川の西方から静岡熱海市のホテルで大きな被害が出た。
大事に至らなかったが135号線の車の立ち往生では、車が高波を被った。
この道は、真鶴・湯河原・熱海・伊豆方面に行くときよく使う道だ。
夜分・台風ということで通行利用者は、それほど多くなかったと思える。
だが、昼間、地震での立ち往生、更には、津波等と想像すると怖い。
海岸線の風光明媚な道路である。道のあちこちに防災警告が提示されているが!?!
改めて、日頃よりの防災意識を持たねばって痛切に感じた。
#ブログ #植物

ワオ!と言っているユーザー

×
  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ