5月
14日,
2022年
質問力を鍛える(Day2)「誰のための質問なのか?」
先日始めたブログの新タイトル、
「質問力を鍛える」
職場はもちろん日常生活においても、我々が何気なく発している
「質問」
それを何回かに分けて、少し深掘りして行きたいです。
今後の全体の流れは以下のように構想しています。しかしながら、途中で気が変わるかも知れませんので、悪しからずお付き合いください。
【テーマ】
1.質問とは何か?
2.質問の目的
3.質問の効果
4.質問する際の工夫
5.質問力とは?
今日はその2回目。テーマは、
【2.質問の目的】です。
「何を今さら、質問の目的だって?」
半ば、お叱りの反応を頂いている感じ笑
「当たり前じゃないか、質問は、相手の言っていることは不明な場合や、こちら側の理解を確認するためにするんじゃないか!」
全くおっしゃる通りで、反論の余地はありません。
質問者側が、何らかのベネフィットを期待して「質問する」。
これは当たり前。行為者である質問者が「自分のために」する質問です。
しかし質問の目的は、それだけに限定されるわけではないと感じます。
皆さんは「ジョハリの窓」というものを聞いたことがあるかと思います。
自分と相手、それぞれの立場で「知っている」「知らない」を4象限の窓で表現したものです。
そして通常の質問は、相手は知っている・分かっている、そして自分(話し手)は知っている・分かっている場合に使われるので、「第②象限の窓」の質問ということになります。
では質問のパターンや目的を、このジョハリの窓に当てはめてみると、何が見えてくるでしょうか?
『第①象限(開放の窓)』
これは自分も相手も知っている・分かっている事柄の窓なので、そもそも質問は不要かも知れません。敢えて言うのであれば「再確認」が目的です。
『第②象限(盲点の窓)』
これは質問する際の典型的なパターン。つまり、自分が知らない・分からないから、知っている・分かっている相手に質問する。自分(話し手)のための問い掛けなので、目的は話し手のベネフィットということになります。
『第③象限(秘密の窓)』
自分は知っている・分かっているが、相手は知らない・分からない、という時に、敢えて自分が相手に質問をする場合とはどんな時でしょうか?これは少し???という感じがしますね!
というのも、この象限の事柄に関する質問は、使い方に工夫や配慮が必要だと思います。
例えば、自分だけが知っているお得な情報や自慢話を、さりげなく質問という形で問いかけて、相手が知らないということを確認した上で、伝えるような時。
これは作為的ですね。
たまにセミナーや講演会の終盤で、受講生の質問タイムの時、こういう光景に出くわします。質問があると称して発言するも、実はご自身の知見を延々と語る方がいらっしゃいますね。
この場合の目的は明らかに「自分のための」質問ということになります。
一方、知らない・分かっていない相手に「さりげなく」伝えるための質問、という方法も考えられます。自分(話し手)は気付いているが、それをさりげなく教えてあげるための問い掛け。
この場合の目的は、相手のための質問ということになります。何故なら、気付かせてあげることで相手に何らかのベネフィットがある、もしくは相手を自然な形で動かす、ということを目論んでいるからです。
『第④象限(未知の窓)』
では最後の「未知の窓」の質問。自分も相手も知らない・分からないことに関する質問とはどういうものでしょうか?
例えば
「これから、どこに遊びに行こうか?」
こんな問い掛けはいかがでしょうか? 質問というより、課題の提示のようなニュアンスがありますね。
自分(話し手)が発する質問ではありながら、相手と一緒に答えを探す、といった雰囲気が伝わる問い掛けです。また
「どういう方法で対応したら、解決できるのだろうか?」
職場で遭遇した課題を、対応策を皆で見出そうと模索しようとしているニュアンスが伝わってきますね。
この窓の質問は「自分と相手の双方のための」であり、同じものを見る・お互いの視点を合わせる、ということが目的のように感じます。
今日は「ジョハリの窓」を使って、質問の目的について考えてみました。
ではまた明日!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお