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詩は元気です ☆ 齋藤純二

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ボブディランというの風

スレッド
答えは風が知っているだけさ

歌声は鳥瞰した落ち着きに満ちて
俺たちは意味わからなく風に吹かれ
何処かへ連れて行かれるわけなく
此処にいて冷える答えに襟を立て

答えは風が知っているだけさ

しゃがれた声は俺たちに教えたさ
正義は右だとか左だとかではなく
まずは間違いから目を逸らさずに
自分が悪党にならないことなのさ

答えは風が知っているだけさ

どれだけの弾丸が飛び交うのなら
俺たちは戦争が見えるのだろうか
何のために歩き続けるのだろうか
立ち止まると風の歌声が聞こえて

答えは風が知っているだけさ
#詩

ワオ!と言っているユーザー

詩を書いてみよう! 「比喩」編

スレッド
「詩ってよくわからないし、書ける気がしません」
そう言われることが多々あります。小学、中学生の時に詩を書く機会はある思いますが、どんなふうに書けばよいのだろう、なんて思ったことはないでしょうか。作文なら、何々があったと出来ごとを書いてそれについてこう思った、と書けばある程度は読める文になります。

では、詩は……。

『詩は元気です ☆ 』とブログを立ち上げている私としては、皆さまが詩を簡単に書けて楽しくなってほしいと思っています。これを読んだら誰でも詩が書けます、を目指して記事を綴っていきます。なんでもない日常が詩の世界で広がりますように。さあ、第一弾を行ってみましょう!

今回は「比喩」を中心とした書き方を説明します。

詩にはよく比喩が使われます。何かを描写する時に、ある共通点を見いだして他の物事を利用し、それを表現するのが比喩です。では、その比喩ってどんな効果があるのでしょう。
AのモノをAという言葉を使わずに表現する。

「りんご」、りんごという言葉を使わずに表現したらどうなるか………




『りんご』


寒さに色づいた君がいる

きょうは持久走大会だというのに
僕の気持ちはどこへ向かっているのだろう

できることなら君の横で走りたいけど
女子の後に男子が走るのだから仕方ない

だけどチャンスはある
君は走るのが苦手だから
僕が必死に走れば追いつくかもしれない

僕は走った
君に頑張れが言いたくて走った
ああ、苦しい
でも負けないぞ
絶対に追いついてやる

お腹をおさえながら走る君が見えてきた
僕は最後の力をふりしぼり走った

念願かなって君の横にたどり着く

声をかけようとすると
君の頬は薄紅に染め
汗にぬれ輝いていた

僕は君の頬をさわったこともないけど
そこは甘酸っぱい味がするに違いないと思った

そんなことを想像していたら
なにも言えずに君に背中を見せながら
ゴールへと最後の力をふりしぼり走った

情けなくて悔しくて

僕は走って走って走り続けた
君にいいところを見せたくて




今、即興で書いたのでツッコミ満載の詩ですが……
題目が「りんご」ということで、本文の全てが比喩となっています。題目を決めてしまい、今まであった経験などを題目の言葉を使わずに書いてみると面白いかもしれませんね。


ではもうひとつ例文を使って説明します。
ふたつの文を比較して、詩っぽく書く方法を説明します。



★ 詩っぽくない文



『仕事をサボって』


喫茶店の丸いテーブルには

ミルクの入ったコーヒー

申し訳ないが今日は仕事をサボろう

自分の時間はもうたっぷりある

カウンターの向こうで食器が
カチャカチャなっても気になりません

ジャズのBGMが最高じゃないか

もうネクタイはカバンにしまって

時間に追われる日々など忘れ

コーヒーをゆったりと満喫しよう

ん〜
このコーヒーは最高だね



まさに、サラリーマンが今日ぐらいは仕事をサボってしまおうかな。風邪を引いたということにして…。そんな状況の一コマを説明した文になっています。では。。。



☆詩っぽい文



『ないしょの平日』ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←いったい何が書かれているんだ、と想像させる。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ題名プラス本文で完成される。題名の文字を本文で使わㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤない。

まるいテーブルㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←まだなんだかわからない。想像させる。

雲をのせたカフェ・ラテㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←比喩を使う

窓の向こうはスーツがながれㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←サボることをなんとなく伝える

ごめんなさいを楽しむㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←同上

ゆったりとその雲は落ちてゆくㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←比喩を使う

カウンターの向こうでは食器がはずみㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←普段はマイナスイメージがこんな日はㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤプラスに

ジャズの音色が沁みてきてㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←いつも以上にBGMがしっかり聞こえてくる

ネクタイをカバンに詰め込みㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←サボることをそれとなく

いつもとちがう雲をㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←普段とはコーヒーの味も違う。比喩を使い

飲み干さないようにㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←時間を飲み干さないという、時間の具現化

僕はこの時を止めてみたㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ←シメ。理由。願望。いったいこのひとはなぜ、ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ仕事を…(意味深)。


比喩と言葉にオブラートをかけ、はっきりとした状況を描かずにして、読者に想像してもらうように「モヤっと」表現しますと、なんとなく詩っぽくなりますよね。

ほんの一例ですが、どうでしょうか?
練習で「りんご」や 「みかん」などの題目で挑戦してみては……
ぜひ、楽しんで詩を書いてみてください!
#詩 #雑記

ワオ!と言っているユーザー

味噌ラーメンが食べたい

スレッド
どうしても味噌ラーメンが食べたかった
昼時のわりにはほとんど並ばないで
麺をすすることができそうだ

アスファルトからは熱気がむんむん
店に入ると冷房はそこそこ効いていて
汗が徐々にひくのを感じていた

少々お待ちください

そう言われスタッフの邪魔にならないよう
通路の端に佇む俺 並べられた漫画本から一冊抜き
グルメ紀行のストーリーで苦にならない待機時間

外でお待ちください

えっ なんでだよ
ひとり客が出れば直ぐに座れるし
外は蒸し風呂だし
おいおい 俺ってそんなに邪魔なのかよ
こんなに気を使って小さくなっているのに

ここは騒いではいけない
美味しい味噌ラーメンが待っているのだから
店の外に出て看板の横でひとり
俺 ラーメン待ちです
みたいな感じで突っ立っている
暑い 暑い 暑い
早く涼しいところで味噌ラーメンをすすりたい

仕方ない
この漫画の一話が終わる頃には店へ入れるだろう

漫画 外に持ち出さないでください

スタッフがわざわざ外に出てきて気分を悪くさせた
確かにそりゃそうだけれども それくらい いいじゃないか
味噌ラーメンを食べるためになんだか惨めな感じだ

そうきたか兄さん
もう ラーメンはいらないよ

俺は漫画本をそのスタッフに突きつけ
むんむん暑い商店街の人混みに消えた

食べたくないカレーライスを頬張っていた
あの味噌ラーメンは美味しいのに嫌な店だ
いや ひとりのスタッフと相性が悪いだけなのだ

けっきょく俺は意地も張れない男だった
日が傾きかけると
またラーメン屋の暖簾を潜っているのだから

さっきはあのラーメン屋には一生行かないぞ
なんて意気込んでいたけれども
俺の胃袋はやはりこのラーメン屋に握られているらしい

あちゃ まだあのスタッフがいる
惚けてすっと入ってしまえばいいさ
そうそう 俺は客なのだから

いらっしゃいませ
こちらのカウンターにどうぞ

なんだその笑顔
さっき漫画本を突きつけたことはなかったような空気感
接遇はけして悪くないじゃないか

昼時の俺はどれだけ感じの悪い男になっていたのか
腹が減ってイライラしていたのに違いない
反省 反省

さっきは済まなかったよ 兄さん

いえ 大丈夫ですよ
ちょっと待ってください……
ああ これでしたね

さっきの漫画本を持ってきてくれた
なんだよ めちゃくちゃ気の利くスタッフじゃないか
俺の完敗 しかもコールドゲーム



ありがとう

やっと俺も素直になれた気がした
これで煩わしさもなく味噌ラーメンが満喫できるぞ

味噌ラーメンをお願いします

へい 味噌一丁入りました
#詩

ワオ!と言っているユーザー

軸の穴

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もしもを考え
もしもに抑えられ
ここにいる僕
回って
そこには行けない

どうしてを考え
どうしてに抑えられ
ここにいる僕
回って
そこには行けない

だからを考え
だからに抑えられ
ここにいる僕
回って
そこには行けない

なんだを考え
なんだに抑えられ
ここにいる僕
回って
そこには行けない
#詩

ワオ!と言っているユーザー

自己偏愛

スレッド
強いネガティヴ思考
この世界では価値のない
マイナスへの道のり

成功への方向に進んでいても
失敗する自分を見ようとする
この心虜はいったい

コツコツ積み上げた努力
最後の最後で壊してしまう行為

目の前にある
崩れた残骸を見て落ち込むくせに
何度ㅤ繰り返してきたのだろう

哀れな自分をふと愛してしまう
麗しげを枯らせながら
私の中にいる怪物が
今も私の形成に加担する

人間はあらゆる厄介と共存する
私の場合ㅤ落ちて行く魅惑に誘われ
負のスパイラルを滑りながら
この道を生きてしまう
#詩

ワオ!と言っているユーザー

孤独の糧

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誰にでもひとりになった時
流れてくる音楽がある

それは楽しい曲ではなく
悲しげだったりする

でも
そこは自分に近づける場所

身知らずの風に揺れながら
生まれて来た温かさと
死ぬ冷たさを感じているような

響いてくる自分に自分が噎せながら
憧憬に潜り込んでゆく

家族や友のいない世界
やはりポカリと穴が空いてる

そこを塞ごうとする自分が現れ
孤独について語る

とても静かなところだ

寂しいけど怖くないところだ

此処は自分しかいないところだ

こころは最初からひとつなのにどうして
孤独を感じてしまうのだ

ひとりではなかった幸福があったから
孤独を感じてしまうのだ

そうやってひとは寄り添うために
孤独の音楽を聴くんだ

時としてひとは
始まりと終わりしかない世界に
癒されては社会へ戻ってみるものだ
#詩

ワオ!と言っているユーザー

青に白く

スレッド
駅前ではフェスティバル
いつぞやテレビで観たグループ
重なるハーモニーが空へ馴染んでゆく

こんなに溶け込む声
やはりプロの力は加減を知っている

刺激しつつ我々を雲にして
ぷかぷかと奏でる空に浮かせる

さて
自分はどうだろうか

出しゃばり過ぎてはいないだろうか
計算し過ぎてはないだろうか
考え過ぎてはいないだろうか

汚れなき原稿用紙に
自分をどれだけ馴染み加減しながら
夢を描いているだろうか

読者を浮かす詩作の術をもち
やわらかに綺麗に
澄んでいる空を創りたいものだ

きっと言葉を綴る楽しみが
その技を教えてくれるのだろう

青に白く
溶け込むハーモニーを聴きながら
自分も歌えるような気がして
#詩

ワオ!と言っているユーザー

何モノ

スレッド
空気が捻れると
私の耳はそちらへゆく
図書館の床には
氷が張られた緊張がある

青年が受付で挨拶をする

ここっこっこんにちは
きょきょ今日は本を読みに
ままっまっ参りました
よろしくおおっ願いします

兵隊さんのように背すじを伸ばし
坊主頭を深々と下げる

身体の向きを変え
もうひとりいた受付の方に
同じように挨拶する

ここっこっこんにちは
きょきょ今日は本を読みに
ままっまっ参りました
よろしくおおっ願いします

こちらこそよろしくお願いします

信頼関係のある微笑みが見られる

私は誰を知っているというのだ
ほんとうに誰かを知っているのか
ここが何処かを知っているのか

青年は私の隣に座る
手にした本を天井に向けて
掲げながらまた挨拶をする

よよっよっよろしくお願いします

そう言って本を開く

私は思わず青年に声を掛ける
誰かを知りたくて

鉄道が好きなんですね

青年は確かに私を見た
いったい誰なんだろうと

この世に存在しないモノを
見たような目で

いったい私は誰なんだ
#詩

ワオ!と言っているユーザー

遠隔家族の幸せ

スレッド
窓の向こうは真っ暗
遠くに幾つかの星が輝いて

僕はカプセル型をした飛行船の中にいる
ベルトでカラダを固定し
両手にはパソコンのマウスを握って
この操作の向こう側にある世界で生活している

モニターの中には家族
昔の人間のようにカラダを使い生活する
お父さん
お母さん
兄さん
妹がいる

みんな 飛行船に乗って宇宙のどこかにいて
それぞれの頭脳が彷徨っているけど
コミュケーションはバーチャルリアリティな文化のもと
家族は繋がっていから孤独を感じたことはない

昔はカラダ全体を使って生活したらしいけど
身体のほとんどは退化し
脳と指だけが進化を遂げた。
僕のカラダに胴体や足があるのはどうやら昔のなごりらしい

モニターの中
父さんはいつも自分の部屋でゲーム
お母さんも兄さんも妹もゲームをしている
僕はゲームが嫌いなので本ばかり読んでいて
最近は小説を書いたりしている
想像することが好きなんだ

朝昼晩に三回 リビングに家族があつまり談話の時間
みんなゲームの話ばかり
だから僕は自分の書いた小説を大声で読み出す
すると面白いから
その続きを聞かせてくれないか
みんながそう言ってくれる
こんな時に僕は家族がいて良かった
そんなふうに思うんだ

ちなみに僕が今 書いているのは
『遠隔家族の幸せ』って言う小説
退屈になるかもしれないけど読んでみるよ



僕は家族のカラダに触れたこともないし、実際に見たこともない。モニター越しの存在を知っているだけだ。物心がついた頃から宇宙を彷徨っているから、僕以外の人間に触れたことがない。お父さんが家族の談話で言っていたんだけど、我々がどこで生まれてどうして家族なのか分からないらしいんだ。分かっていることは、遠隔で繋がっている家族だ、ということだけ。
僕らの過去は、昨日も一昨日も先週も先月も去年もずっとずっとその昔も変わらず遠隔家族以前の記憶などない。分かりやすくいうと、ある日突然にあたりの前のように遠隔家族をしているって感じだ。モニターの中で僕ら、大昔に人間が歩いたり走ったりしていた頃のような原始的な生活をバーチャルリアリティとして体験をしている。ちなみに宇宙船にいる僕のカラダがどうなっているか、教えてあげるよ。まあ、人間が二足歩行を始めた頃のような胴体と四肢をもち、頭はあるけど動くのは目と左右の指だけ。それと額から三センチほどのケーブルが繋がっていて、生きるための栄養や電気信号がそこから注入されているらしい。
僕以外の家族は、胴体が短く足はなく手と頭だという話は聞いている。僕だけ大昔の人間の名残りで足が付いている。まあ、動かないけど。自分のカラダの状態を把握しているのは、モニターに鏡機能が付いているから容姿が見られるから。でも、その画像をパソコンで公開することにセキュリティがかけられているから、家族のカラダに関しては画像で見たことがない。なんのためのセキュリティだか分からないけど、僕らの生命は誰かに管理されているのだろう。だから、家族のほんとうの姿は分からない。僕に与えられている世界は、実体験で宇宙船から見える星々と遠隔家族で全てということだ。

では、僕の家族を紹介するよ。まず、さっき登場済みのお父さんとお母さんと姉と僕の四人家族。お父さんは今はゲーム中毒と言っていいだろう。モニターの中では、自分の部屋に閉じこもり、談話の時間以外はずっとゲームをしている。最近では、宇宙船レースとかいうのにハマっているらしい。そんなお父さんだけど僕は尊敬しているし、精神が強いことを知っている。あの襲撃があった時にそれが分かった。お母さんは、心配性で平和主義者。誰かが強い口調で怒り出したら、「どうしましょう、どうしましょう」といって、落ち着かないのである。そんなお母さんもやはりゲームにハマっていて、今はコンタクラマとかいう星に花を育てて、癒しの世界をつくっているみたいだ。姉は、恋バナゲームにハマっていて、家族の談話では「私の彼は、イケメンで優しいのよ」とか話し出す。僕的には、もううんざりな話に頷くのもいい加減で、「あんた、聞いてる!」とかいわれ、もうどうでもいいよ姉ちゃん、って感じ。でも、僕の小説を一番に楽しんでくれているので、たまに恋愛モノの小説を書いて読んでもらったり。まあ、仲はいい方だと思うよ。
なんか、どこにでもある遠隔家族なのだろう。実際のほかの家族についての情報は与えられず、家族一般論とかいうデーターが与えられているだけ。それだけが僕らの家族としての概念となる参考資料だ。その話は長くなりそうで、つまらないので次回の小説にでも書こうと思っている。
ああ、さっきもすこし触れたけど、僕らの家族がぞっとするような襲撃を受けるという体験をした。それをこれから話してみるよ。

あれはいつものように談話をしていた時だった。リビングでテーブルを囲みお父さんがゲームのオンライン宇宙船レースの話をしていた。高得点で世界ランキング一位になった自慢話で、みんなで「おめでとう」なんていってお祝いの言葉などを掛けていた。
そんないつもと変わらない平和を意識することなく過ぎて行く時間に突然、あの一発の銃声。初めて聞くガラスの割れる音に慄く。お母さんと姉は「キャー」と叫びテーブルの下に身を潜め、お父さんは四つん這いになり窓に近づき外の様子を伺っていた。僕は椅子から転がり落ちた。いったい、誰がこんなことをしているんだ。今まで銃弾が飛び交うことなどなかった。モニターの生活は平和そのものだったから、度肝を抜かれた。僕は窓の外に人間を見た。このモニター内で見る家族以外の初めての人間だ。

家の周りには芝が植えられて、その先は森が広がりとても視覚的に癒される設定になっている。家の外には出たことは誰もない。バーチャルな世界とはいえ、ゲームの世界より非常に狭いところで生活している。
そんなことよりその人間について話そう。僕もなんとかお父さんの背中に隠れ、外の様子をみようとした。男が迷彩服を纏い、ライフルを構え持ち、いつでも打ち込める態勢でリビングにいる僕らに照準を合わせている。しかもその男は髭を生やし黒のゴーグルをしていて、表情はまったく分からない。
初めての家族以外の人間は、僕にとって特殊な感情を芽生えさせた。得体の知れない人間からから感じる不安な感情は、いったいこれは…。
そうだ、これは恐怖だ。前に読んだフロイトとかいう人物の本、不安やら恐怖のことが書いてあるのを思い出していた。自分の感情を見つめてみると、すこし冷静さを取り戻してきたのか。「不気味なもの」からの対象の喪失が不安を源泉として恐怖があるとか書いてあったのを思い出した。すると、喪失するのは僕らだという恐怖となり、あの人間に撃たれてしまえばモニター内の家族関係を絶つということによる恐怖だ。それだ。

どうすればいいんだ。男は銃を構えたままリビングに近づいて来る。お父さん、お父さん、って音源の壊れた音楽のように僕は繰り返していた。いつもゲームばかりしている呑気な父親だけど今、目の間にいるお父さんの顔は違っていた。恐れの向こう側を見ているような目をして、視線の真っ直ぐさと強さを感じる表情に僕は一瞬、時間が止まっていた。お父さんは、お母さんと姉さんがガタガタと震えて寄り添っている姿を振り返り一見すると、窓の男を覗きながら語り出した。

「みんなよく聞けよ。あの男は、遠隔家族の人間を捕獲するハッカーのハンターだ。
遠隔家族に一度必ず襲う人間狩りという現実。この日が来てしまったか。奴を倒せば、我々の平和な生活は取り戻せる。しかし、それが出来れなければ我々は永遠に家族という構成員での生活は消滅してしまう。だが、大丈夫だ。俺がどうにかする。この時のために作戦は練っていたからきっと上手くいく。お前たちは知らないだろうが、我々には拳銃が一丁与えられていたんだ。しかも、玉は一発しかない。俺が外に出て男を引きつけて打つ。どんな状況になっても信じろ、俺を信じろ」
そう言うとお父さんは、自分の部屋に戻り銃口の短めな拳銃を片手にやって来た。
「お父さん、お父さん」僕たちは、それ以上言葉が出なかった。
するとお父さんは、窓を開け外へ飛び出す。

ヴァーン

大きな銃声が呆気なくお父さんに響く。

「お父さん」

僕らの呼びかけは悲鳴に変わった。
もうすべて終わった。僕らの家族は消滅することを覚悟した。男はお父さんに近づいてくる。うつ伏せに倒れているお父さんを蹴飛ばして、カラダを仰向けに転がした。
その時、奇跡が起きた。

ヴァーン

お父さんの腕が空に向かって挙がり、握られていた拳銃から銃弾が放たれた。男は頭部を大きく後ろに仰け反らせながら倒れた。僕は何が起きたのか分からない。
ただ、お父さんは生きていて、男が倒れたということだけだ。

そして、お父さんは「ヨシャー」と雄叫びをあげながらリビングに戻って来た。僕がいったいなにが起きたんだ、とお父さんに興奮して言った。

「ああ、外へ飛び出して撃たれた真似をして倒れただけだ。奴らは人間収集が専門で、必要以上にカラダを傷つけないよう無駄撃ちはしない。まずは撃った後の獲物の様子を見にくると予想したんだよ。まあ、この日がいつか来ると思い、撃たれて倒れる練習は散々していたからなあ。みんな知らないだろう」

その達成感は、苦笑いと微笑みが相まっているような表情に出ていた。
お母さんと姉さんはお父さんに駆け寄り抱きついた。涙を流しながら、心配したと訴えていた。お父さんは「だからどんな状況になっても俺を信じろ、って」と、勝ち誇ったように言っていた。

これで僕たちの遠隔家族の平和な生活は取り戻すことができた。なんか、お父さんばっかりがカッコいい感じだけど、僕は強いお父さんを心から尊敬している。僕もお父さんのように強くならなくちゃ、って。


終わり
いやㅤつづくかも!


なかなか面白かったでしょ
そりゃ 僕のフィクション小説だから
読んだら幸せになるのさ
だってㅤ僕たちの家族は遠くにいても繋がっているから
#小説 #詩

ワオ!と言っているユーザー

君のために僕へ

スレッド
いつの間にか

君のためにと書いていた詩

だけど大切なことを忘れていました

救われているのは僕で

だいじにしたい君を思いながら

自分を応援していました

感謝しています

詩を書いていられることに

君に

#詩

ワオ!と言っているユーザー

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