朝日新聞出版 (2019/5/30)
図書館の棚でみかけた梨木さんの新しい本。
借りてみました。
『f植物園の巣穴』の姉妹編とありました。←購入したのにあまり面白くなかった。
今回も小難しい感じでしたが、読むにつれて少しずつ面白くなりました。
◇内容紹介◇
自然、人間の体、こころの入り組んだ痛みは
家の治水、三十肩、鬱と絡み合い、主人公を彷徨えるツボ・椿宿へと導く。
皮膚科学研究員の佐田山幸彦は三十肩と鬱で、
従妹の海子は階段から落ち、ともに痛みで難儀している。
なぜ自分たちだけこんな目に遭うのか。
外祖母・早百合の夢枕に立った祖父から、「稲荷に油揚げを……」の伝言を託され、
山幸彦は、鍼灸師のふたごの片われを伴い、祖先の地である椿宿へと向かう。
屋敷の中庭には稲荷の祠、屋根裏には曽祖父の書きつけ「f植物園の巣穴に入りて」、
明治以来四世代にわたって佐田家が住まいした屋敷には、かつて藩主の兄弟葛藤による惨劇もあった。
『古事記』の海幸山幸物語に3人目の宙幸彦が加わり、事態は神話の深層へと展開していく。
歯痛から始まった『f植物園の巣穴』の姉妹編。
本文より
誰にもわからないだろうと思われるような、個人の深いところで、
私たちはつながっているのかもしれないと、今、ふと思ったところです。
全体とつながっている、
つながっている―死者も生者も、過去も未来も。もしかしたら。
幻冬舎 (2017/10/25)
高校生の頃、ゴッホに恋していました。
選択科目の美術で、赤色と黄色と青色を使って油絵を描いたり・・・
ゴッホの小さな本をいつも持ち歩いていました。
先日、テレビで『たゆたえども沈まず』の本の旅が紹介されていました。
既に恋心はないけれど、何となく気になってこの本を借りて読みました。
面白かったです。とても。
◇内容紹介◇
誰も知らない、ゴッホの真実。
天才画家フィンセント・ファン・ゴッホと、商才溢れる日本人画商・林忠正。
二人の出会いが、〈世界を変える一枚〉を生んだ。
1886年、栄華を極めたパリの美術界に、流暢なフランス語で浮世絵を売りさばく一人の日本人がいた。
彼の名は、林忠正。その頃、売れない画家のフィンセント・ファン・ゴッホは、放浪の末、
パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込んでいた。
兄の才能を信じ献身的に支え続けるテオ。
そんな二人の前に忠正が現れ、大きく運命が動き出す。
集英社 (2018/12/20)
1月のはじめ、朝のテレビで、4人の若手作家が面白かった本を1冊ずつ挙げていました。
試しに予約して、読むことにしました。
『最初の悪い男』と『両方になる』は全く本が開きませんでした。
この本は、しっくりしないながらも、ページは開き続け、
最後は、予想しなかった展開に。
それなりに読めました。
本の装丁の雰囲気も良く、図書室の懐かしい居心地を感じた作品でした。
◇内容◇
堀川次郎は高校二年の図書委員。
利用者のほとんどいない放課後の図書室で、同じく図書委員の松倉詩門と当番を務めている。
背が高く顔もいい松倉は目立つ存在で、快活でよく笑う一方、ほどよく皮肉屋ないいやつだ。
そんなある日、図書委員を引退した先輩女子が訪ねてきた。
亡くなった祖父が遺した開かずの金庫、その鍵の番号を探り当ててほしいというのだが…。
図書室に持ち込まれる謎に、男子高校生ふたりが挑む全六編。
KADOKAWA (2018/4/27)
8月に予約して、ようやく手元に届きました。
分厚いながらも読み応えのある面白い本でした。
すんなりとおちかが嫁入りして、富次郎にバトンが渡されました。
続きが楽しみです。
◇内容◇
江戸は神田の筋違御門先にある袋物屋の三島屋で、
風変わりな百物語を続けるおちか。
塩断ちが元凶で行き逢い神を呼び込んでしまい、家族が次々と不幸に見舞われる「開けずの間」
亡者を起こすという“もんも声”を持った女中が、大名家のもの言わぬ姫の付き人になってその理由を突き止める「だんまり姫」
屋敷の奥に封じられた面の監視役として雇われた女中の告白「面の家」
百両という破格で写本を請け負った男の数奇な運命が語られる表題作に、
三島屋の長男・伊一郎が幼い頃に遭遇した椿事「金目の猫」を加えた選りぬき珠玉の全五篇。
人の弱さ苦しさに寄り添い、心の澱を浄め流す極上の物語、シリーズ第一期完結篇!
「金目の猫」は、他で読んだことがありました。
出版社: 光文社 (2018/10/30)
最近、読みたい本がなくて、図書館のHPの新着図書一覧を眺めていると、
題名に目が留まり、作者に目が留まりました。
初めて読む作者です。
亡くなったお京さんが以前話していたのを思い出しました。
予約して読みました。
はじめは特養老人ホームの話で、本を閉じたくなりましたが、
それぞれの登場人物の展開が面白く、よく書けた作品でした。
面白かった!!
◇内容◇
特養老人ホーム「敬徳苑」で入所者が何者かに殺害された。
第一発見者で介護員の清水穂香はストーカー被害に悩んでいた。
現場に臨場した交番巡査の武藤大輔は穂香の相談に乗り、ストーカーの正体を暴こうとする。
新米刑事の風間志郎は未解決事件の捜査をきっかけに、半グレ集団の罠に落ちる。
錯綜する事件の果てに巨大な闇が三人を襲う!緻密な描写と予想を裏切る展開!
異色の警察小説。
◇追記◇
この後、『灰色の犬』『白日の鴉』を読みました。
シリーズでした。
『白日の鴉』は、テレビドラマで観ていました。
どちらも読み応えのある作品でした。
福澤くん、面白かったです。
『給食アンサンブル』
光村図書 (2018/9/5)
『泥』
小学館 (2018/7/17)
小学校で司書をしている友人からのおすすめの本を読みました。
『給食アンサンブル』
◇内容紹介◇
転校先の学校に馴染むのを拒む美貴の「七夕ゼリー」、
子どもっぽいのがコンプレックスの桃の「マーボー豆腐」、
親友の姉に恋をする満の「黒糖パン」、
悩める人気者の雅人の「ABCスープ」、
孤独な優等生の清野の「ミルメーク」、
姉御肌で給食が大好きな梢の「卒業メニュー」。
6人の中学生たちの揺れる心が、給食をきっかけに変わっていく。
給食がつなぐやさしく胸に響くアンサンブルストーリー。
小・中学時代を懐かしく思い出す作品でした。
『泥』
◇内容紹介◇
タマヤたちの小学校は、立ち入り禁止の森に囲まれていた。
森には、サンレイ・ファームという農場がある。
クリーンなエネルギーを研究しているらしい。
タマヤの大事な友だちマーシャルは、いじめっ子の存在に悩んでいた。
この日も、いじめっ子チャドが待ち伏せしていることを知り、いつもの道をさけて帰ろうと森の中に入り込む。
心配したタマヤも後を追った。
しかし、このことに気がついたチャドが、追いかけてきたのだ。
森の中でつかみ合いになり、タマヤは、マーシャルを助けるために、足下にあった泥を投げつけた。
タマヤとマーシャルは、必死にその場を逃げ出した。
翌日、いじめっ子は、学校に来なかった。
そして、タマヤの手にできた水ぶくれは、どんどんひどくなり、広がっていった。
"あの泥"が原因に違いない!
あの森で、なにか恐ろしいことが起きている・・・。
これまでにない近未来パニック小説 。
ルイス・サッカーらしい切り口のおはなしでした。
毎日新聞社 (2009/2/15)
読んだ本は三刷 2/27
毎日新聞社 (2009/2/15)
読んだ本は二刷 2/16
一般書の棚にありましたが、これは児童書のようです。
主人公が小学五年生なので、そう感じました。
『ゲド戦記』の雰囲気もしました。
壮大な物語のはずが尻すぼみでした。
◇内容紹介◇
上
「あれ」が獄を破った。戦いが始まる。
邪悪は、何と巧みに人の心に付けいるのだろうか。
「ひとつ踏み誤れば、あなたもに囚われ、
呑み込まれてしまうことでしょう。
は強大です。比類なき力を擁する完全な物語でございます」
森崎友理子は小学五年生。
ある日、中学二年生の兄・大樹がクラスメートを殺傷し、
姿を消すという衝撃的な事件が起きた。
事件から十日ほど経った時、友理子は兄の部屋で不思議な声を聞く。
「君のお兄さんは“英雄”に魅入られてしまったのだ」
本棚の奥の見慣れぬ書物が、友理子にささやいているのだった。
書物に導かれ、兄を救い出す旅へ出る友理子。
すべての物語が生まれ、回帰してゆくと呼ばれる場所で、
友理子は、世界の根源というべき、おそるべき光景を目にする――
下
備えよ。暗黒の世が訪れる。
「そこには善きもの、正しきものもある。
負の力に拮抗しようとする正の力が。
ならば、闇雲に闇を恐れてはいけない。
闇の中から光を見出すのだ」
は兄・大樹を「器」として、刻々と力を取り戻しつつある。
“狼”と呼ばれる者たちとともに、の追跡を続ける友理子。
なぜ兄はに囚われてしまったのか。
が解き放たれると、何が起こるのか?
憎悪と恐怖の支配する世界で、友理子はおどろくべき真実を知る。
小学館 (2016/6/20)
そういえば、続きが出ているかもと検索するとありました。
相変わらず、毒々しい内容でした。
それにしても、探偵としての収入では生活できない気がしてなりません。
◇内容紹介◇
探偵・杉村三郎シリーズ第4弾。
その部屋には、絶望が住んでいた――。
前作『ペテロの葬列』で、妻の不倫が原因で離婚をし、
義父が経営する今多コンツェルンの仕事をも失った杉村三郎の「その後」。
失意の杉村は、一旦故郷に帰り、
私立探偵として探偵事務所を開業。
ある日、亡き父・武藤寛二が生前に残した「昔、人を殺した」という告白の真偽を調査してほしいという依頼が舞い込む。
依頼人の相沢幸司によれば、父は母の不倫による離婚後、息子と再会するまで30年の空白があった。
果たして、武藤は人殺しだったのか。35年前の殺人事件の関係者を調べていくと、昨年に起きた女性殺人事件を解決するカギが……表題作「希望荘」
表題作の他に「聖域」[砂男]「二重身(ドッペルゲンガー)」の4編を収録。
集英社 (2014/12/5)
エッセイは、あまり読まないのですが、
先日読んだ『草花たちの静かな誓い』の後ろに掲載されていた
この本の紹介文から、興味を持ち借りて読むことにしました。
◇内容紹介◇
「なにがどうなろうと、たいしたことはありゃあせん」
その父の言葉に、いつも励まされて生きてきた。
今まで語られることの無かった異父兄との邂逅を描く「兄」。
シルクロードへの旅にまつわる回想「星雲」。
小説『優駿』執筆当時の不思議な経験を描く「殺し馬券」。
ある老人の死に黙考する「消滅せず」など、
命の力を信じ、生の深遠を見つめる14篇のエッセイ集。
80年代に出版された『二十歳の火影』、
『命の器』などの名随筆の系譜を継ぎ、
満を持して書かれたエッセイ集。
大人のための滋味あふれる一冊です。
異父兄との邂逅を描く「兄」
これがとても気になったのです。
異父兄に会いたくて、家の前まで行き、偶然犬の散歩で出てきた兄の後ろ姿に
「〇〇ちゃ~ん」と声をかけて、兄が振り返ると同時に走って逃げ帰るという内容。
それ以前にも、以後にも、兄には一度も会っていないという。
呼びかけられたお兄さんは、狐に抓まれた気分で、声の主が誰だったのか、
ずっと考えなかったのでしょうか?
私のほうが気になって仕方がありません。
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