【本】ソロモンの偽証
11月
9日
![クリスマスの朝、雪の校庭に急降...](/userdata/1191/1190/201811090629270.jpg)
彼の死を悼む声は小さかった。
けど、噂は強力で、気がつけばあたしたちみんな、それに加担していた。
そして、その悪意ある風評は、目撃者を名乗る、匿名の告発状を産み落とした。
新たな殺人計画。
マスコミの過剰な報道。狂おしい嫉妬による異常行動。
そして犠牲者が一人、また一人。
学校は汚された。
ことごとく無力な大人たちにはもう、任せておけない。
![騒動の渦中にいるくせに僕たちは...](/userdata/1191/1190/201811090629272.jpg)
けど、彼女は起ちあがった。校舎を覆う悪意を拭い去ろう。
裁判でしか真実は見えてこない!
彼女の覚悟は僕たちを揺さぶり、学校側の壁が崩れ始めた…
気がつけば、走り出していた。
不安と圧力の中、教師を敵に回して―他校から名乗りを上げた弁護人。
その手捌きに僕たちは戦慄した。
![事件の封印が次々と解かれていく...](/userdata/1191/1190/201811090629271.jpg)
私たちは真実に一歩ずつ近づいているはずだ。
けれど、何かがおかしい。
とんでもないところへ誘き寄せられているのではないか。
もしかしたら、この裁判は最初から全て、仕組まれていた。
一方、陪審員たちの間では、ある人物への不信感が募っていた。
そして、最終日。最後の証人を召喚した時、
私たちの法廷の、骨組みそのものが瓦解した。
第一部741頁、第二部715頁、第三部722頁 新潮社 (2012/10/11)
分厚く長い長い文章の本でした。
先週から読んでいましたが、ようやく完読しました。
面白くて止まらなくて・・・
それでも今週は、PET検査・診察・結果説明と毎日のように
総合病院に付き添ったりと多忙でした。
寝るのも惜しんで読んでいたので、眩暈がしています。
自己愛性パーソナリティ障害の人に出合ったら、逃げなくてはいけない。
逃げられない場合は?
ワープロ、ポケベル、公衆電話・・・懐かしい品々が出てきます。
◇追記◇11.15
文庫本に掲載された続編『負の方程式』を読みました。
私立探偵杉村三郎が登場して、藤野弁護士と絡む話でした。
これは読まないほうがよかったです。
面白かった読後の余韻が興醒めへと変わりました。
◇追記◇2019.3月
映画を観ました。
映画では、教師として中学校に戻ってくるのが藤野涼子でした。
原作と少し違う。
こういう時、作者はどう思うのでしょうか?