ペルシャ帝国の底力
7月
29日
紀元前数千年の昔から、
ペルシア帝国を築き上げ当時最新の建築技術で他を圧倒していた時期もある。
先日の大統領選挙で保守穏健派のロウハニ師が当選したことも、
イラン社会にある底力を見せてくれた様に感じている。
保守強硬派のアフマディネジャド大統領は
イスラエルへの暴言を繰り返し、
核開発を強行したため、国際社会で孤立した。
西側からの経済制裁はイランの国民に耐えがたい苦難を強いた。
今回の選挙結果は、その大統領路線に民意がノーと判断したものである。
昨今の「アラブの春」騒動に見られるように、
暴動やクーデターが頻発している中にあって、
正当な選挙によって暴君を引き降ろすことができた。
自己変革の力を見せてくれたように思う。
改革派が選挙活動をほとんど封殺されたという現状で、
第1回投票から過半数という圧倒的な数で従来の路線が否定され、
その選挙結果が穏便に政権交代に移行して行ったのは、
ペルシア人の民主主義に基づく民度の高さ故とみて良いと思う。
国土の広さや人口(7500万人)、資源だけでなく、
歴史的・文化的厚み、民度の高さ(今回のような自己変革していく力)から、
イランは強力な中東パワーになれる条件を備えている。
ただこれは国際社会との融和の中でこそ可能なはず。
特にイスラエルとの平和共存を新政権が模索することを期待する。