「1ドル=154円84銭」
6月
5日
4日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比1円15銭円高・ドル安の「1ドル=154円85〜95銭」で取引を終えています。4日発表の雇用指標が労働需給の緩和を示しました。米連邦準備理事会(FRB)による利下げが改めて意識され、米長期金利が低下。日米金利差の縮小から円が買われ、ドルが売られました。一時は「1ドル=154円55銭」と、およそ3週間ぶりの高値を付けています。円の安値は「1ドル=155円25銭」でした。
4月の米雇用動態調査(JOLTS)で、非農業部門の求人件数が805万9000件と、2021年2月以来の低水準でした。市場予想(836万件)以下だったほか、3月分が下方修正されました。労働市場の逼迫感が一段と緩和していると受け止められ、(FRB)による年内利下げ観測が改めて広がったことから米長期金利が低下。日米金利差の縮小から円買い・ドル売りになりました。
日銀の<氷見野良三>副総裁は日本時間4日に、「金融政策で為替レート自体をターゲットにするのは適切ではない」と述べたうえで「物価に幅広く持続的な影響が起こる可能性もある。非常に注意を払ってしっかり分析していかなければならない」と指摘しましたた。米ブルームバーグ通信が4日、日銀が早ければ6月会合で国債購入減額を具体的に検討する可能性があると報じたことも、円相場の追い風となりました。
米経済の底堅さが意識されたのは円相場の重荷でした。「メキシコ大統領選挙」や「インド下院選挙」の選挙結果を受けた新興国経済の不確実性から、リスク回避を目的にしたドル買いが進んだ面もありました。