Carefree take-out outpost of authentic Japanese sweets and matcha drinks “Cha-An BONBON”
本格派和風スイーツや抹茶ドリンクを気軽にお持ち帰り
『茶菴BONBON』
「いつから米国人はこんなに和菓子を楽しむようになったのか」――多くの客で賑わう店頭を眺めながら、そんな驚きを隠せない店『茶菴BONBON』。『茶菴』で提供している人気抹茶ドリンクや和風スイーツ、ニューヨークではまだ珍しいほうじ茶ソフトクリームなどをお持ち帰りできる店として、今年5月1日に開店した。
『茶菴』が開店したのは2004年、15年前のこと。ニューヨークで、さまざまな業態の日本食店を18店舗経営するT.I.C.レストラングループのひとつだ。『茶菴』は“お茶”がコンセプトで、日本茶や抹茶を中心に、紅茶や中国茶も幅広くそろえ、開店当時は本格的な茶室を備えていた。「あんみつ」や「ぜんざい」といった純和風甘味や、「抹茶プディング」「黒胡麻クレームブリュレ」など和食材をアクセントにした洋菓子、健康によい素材で丁寧に作った食事メニューを提供する。同店は、今でこそ連日混雑する人気店だが、開店後数年は、1日100ドルの利益を上げるのが大変だった時期もあるという。当時はまだ、日本食店でお茶が無料で提供されるのが当然だったし、客からコーヒーはないのか連日尋ねられたという。また、2階に位置しているため、集客も苦労したという。
「15年前から同じことをやっているだけ」と謙遜しながら話すのは、和菓子研究家兼フードコンサルタントの八木共子氏。T.I.C.グループ代表・八木秀峰氏との結婚を機に、1986年渡米。日本で栄養士と調理師の資格を持っていたこともあり、子育てが一段落した頃に、同グループの『酒蔵』や『蕎麦屋』のデザート考案を依頼されたことがきっかけで、今では、『茶菴』をはじめとするT.I.C.グループのレストラン全般で、デザートをプロデュースしている。
「当時は、ニューヨークで美味しい和菓子の入手が困難だったので、独学で作り方を学んだ」という共子氏。和菓子が認知されるに連れ、客の要望で和菓子教室を開始し、今では、毎回満席になるほどの人気クラスに成長した。現在は、ジャパン・ソサエティや日本クラブでも和菓子講師として活躍する。生徒はほぼ非日本人で、季節感や五感で楽しむ和菓子の魅力を体験するために集う。共子氏は「15年前から同じこと…」と謙遜するが、間違いなく、現在の抹茶や餅ブームを創り上げてきたパイオニアの一人だろう。
『茶菴BONBON』は、面積たった117スクエアフィート、ショーケースだけを設置した小さな店舗。以前から「茶菴のスイーツをお持ち帰りしたい」との声が多く、満を持しての開店だ。開店前には関係者向け試食会も実施し、値段やメニュー内容を精査した。また、テイクアウト用にサイズやパッケージを工夫しただけでなく、食用花をあしらい色彩を鮮やかにするなど、”インスタ映え”する見た目を意識したという。実際に、同店や和菓子クラスへは、SNSからの集客に成功している。味はどれも、日本で食べるもの以上に日本らしさを感じる本格的な内容だ。
人気アイテムは「大福」や「みたらし団子」などの餅菓子。抹茶やほうじ茶のソフトクリーム、白玉や求肥を使ったパフェやあんみつも秀逸で、すべて手作りで提供する。抹茶ドリンクは注文ごとに丁寧に点ててくれ、香りや風味が格別だ。贈り物にも最適なクッキーやフィナンシェ、抹茶セットにも力を入れている。これまでニューヨークでは、お持ち帰りや贈答品に使える和菓子が限られていたので、好評を博している。『茶菴』の新メニュー「フルーツトースト」で用いるパンも店内で焼いており、秋には『茶菴BONBON』でも販売する予定だ。
「まだまだやりたいこと、やれることがたくさんある。茶菴ブランドをもっと強くしていきたい」と語る八木共子氏。多店舗展開やEコマースなども視野に入っているといい、今後も目が離せない。
Cha-An BONBON
238A E 9th St, New York, NY 10003
Tel: 646ー669-9785
https://www.chaanteahouse.com/bonbon
Mon-Thu 12-8pm
Fri-Sun 12-9pm
『茶菴BONBON』
「いつから米国人はこんなに和菓子を楽しむようになったのか」――多くの客で賑わう店頭を眺めながら、そんな驚きを隠せない店『茶菴BONBON』。『茶菴』で提供している人気抹茶ドリンクや和風スイーツ、ニューヨークではまだ珍しいほうじ茶ソフトクリームなどをお持ち帰りできる店として、今年5月1日に開店した。
『茶菴』が開店したのは2004年、15年前のこと。ニューヨークで、さまざまな業態の日本食店を18店舗経営するT.I.C.レストラングループのひとつだ。『茶菴』は“お茶”がコンセプトで、日本茶や抹茶を中心に、紅茶や中国茶も幅広くそろえ、開店当時は本格的な茶室を備えていた。「あんみつ」や「ぜんざい」といった純和風甘味や、「抹茶プディング」「黒胡麻クレームブリュレ」など和食材をアクセントにした洋菓子、健康によい素材で丁寧に作った食事メニューを提供する。同店は、今でこそ連日混雑する人気店だが、開店後数年は、1日100ドルの利益を上げるのが大変だった時期もあるという。当時はまだ、日本食店でお茶が無料で提供されるのが当然だったし、客からコーヒーはないのか連日尋ねられたという。また、2階に位置しているため、集客も苦労したという。
「15年前から同じことをやっているだけ」と謙遜しながら話すのは、和菓子研究家兼フードコンサルタントの八木共子氏。T.I.C.グループ代表・八木秀峰氏との結婚を機に、1986年渡米。日本で栄養士と調理師の資格を持っていたこともあり、子育てが一段落した頃に、同グループの『酒蔵』や『蕎麦屋』のデザート考案を依頼されたことがきっかけで、今では、『茶菴』をはじめとするT.I.C.グループのレストラン全般で、デザートをプロデュースしている。
「当時は、ニューヨークで美味しい和菓子の入手が困難だったので、独学で作り方を学んだ」という共子氏。和菓子が認知されるに連れ、客の要望で和菓子教室を開始し、今では、毎回満席になるほどの人気クラスに成長した。現在は、ジャパン・ソサエティや日本クラブでも和菓子講師として活躍する。生徒はほぼ非日本人で、季節感や五感で楽しむ和菓子の魅力を体験するために集う。共子氏は「15年前から同じこと…」と謙遜するが、間違いなく、現在の抹茶や餅ブームを創り上げてきたパイオニアの一人だろう。
『茶菴BONBON』は、面積たった117スクエアフィート、ショーケースだけを設置した小さな店舗。以前から「茶菴のスイーツをお持ち帰りしたい」との声が多く、満を持しての開店だ。開店前には関係者向け試食会も実施し、値段やメニュー内容を精査した。また、テイクアウト用にサイズやパッケージを工夫しただけでなく、食用花をあしらい色彩を鮮やかにするなど、”インスタ映え”する見た目を意識したという。実際に、同店や和菓子クラスへは、SNSからの集客に成功している。味はどれも、日本で食べるもの以上に日本らしさを感じる本格的な内容だ。
人気アイテムは「大福」や「みたらし団子」などの餅菓子。抹茶やほうじ茶のソフトクリーム、白玉や求肥を使ったパフェやあんみつも秀逸で、すべて手作りで提供する。抹茶ドリンクは注文ごとに丁寧に点ててくれ、香りや風味が格別だ。贈り物にも最適なクッキーやフィナンシェ、抹茶セットにも力を入れている。これまでニューヨークでは、お持ち帰りや贈答品に使える和菓子が限られていたので、好評を博している。『茶菴』の新メニュー「フルーツトースト」で用いるパンも店内で焼いており、秋には『茶菴BONBON』でも販売する予定だ。
「まだまだやりたいこと、やれることがたくさんある。茶菴ブランドをもっと強くしていきたい」と語る八木共子氏。多店舗展開やEコマースなども視野に入っているといい、今後も目が離せない。
Cha-An BONBON
238A E 9th St, New York, NY 10003
Tel: 646ー669-9785
https://www.chaanteahouse.com/bonbon
Mon-Thu 12-8pm
Fri-Sun 12-9pm