《 雅羅・/・〝晩秋の樹葉〟❖ ’24-322 ❖ 》

エノキ(榎木) アサ科(Can... エノキ(榎木) アサ科(Cannabaceae)
学名:Celtis sinensis Pers.
synonym Celtis sinensis Pers. var. japonica Nakai
別名:エ、エノミノキ、エンノキ、ヨノキ等

エノキ(榎木);
近在の社寺境内、公園、山地に普通に見られる。
大木になると、1本でも林のような大きな梢を作る。
大木に育つが先駆種で暗い樹林内では育たない。
林縁部や新しく開けた場所に多く見える。
樹皮は厚く灰黒色ぽい小さな皮目でざらざら感がある。
横方向に皺がより象の皮膚の様にも見える。
葉は互生、左右不同の広卵形または楕円形。
縁の上部に鋸歯がある。葉の基部から出る3脈が目立つ。
これがエノキの葉の特徴。雌雄同株、雄花・両性花。
4月に新枝の下部あるいは葉腋に雄花をつける。
そして、新枝上部の葉腋に両性花が付く。
枝の上で雄蕊の開いていない花が両性花で雄花が早く開花。
果実は核果で10月頃に赤褐色に熟す。種子は果実に比べ大きい。
食べる部分は少ないが、小鳥の好物の様で結果、鳥の広散布になる。
昔は、子供のおやつだった由。
種子の表面に皺があり、ひび割れ模様ができる。
鳥の消化器を通過できるように堅い(自然界の妙)。
1年枝は、春になるとすべての芽から一斉に芽吹く。
しかし基部の方の枝はあまり成長せず、翌年には枯れてしまう。
エノキの黄葉。ケヤキより葉が厚く、艶のある黄色は鮮やか。
エノキノ花は、ケヤキの花と良く似て識別が難しい(私自身だが)。
葉は、葉脈の形で識別できる。


《 黄葉が眩しい。輝いて魅せる木〝榎木〟 泉の森 》
**  神奈川県植物誌  **... **  神奈川県植物誌  **
エノキ Celtis sinensis Pers.;
C. sinensis var. japonica (Planch.) Nakai; C. japonica Planch. in DC. Prodr.
17: 172 (1873)の基準産地の 1 つは横浜.
樹皮は灰褐色.1 年生枝には軟毛がある.
葉は左右不同で,先の方半分に鋸歯があり,長さ 5~9cm,
上面はほとんど無毛,側脈は 3~4 対で先端は鋸歯に達しない.
冬芽は軟毛があり,芽鱗は 2 対.雌雄同株.花期は 4~5 月.
果柄は長さ 0.5~1.5cm,果実は赤褐色に熟し,
直径 6~8mm で食べられる.材は建築,器具などに用いられる.
本州,四国,九州;朝鮮,中国の暖帯~温帯に分布.
人里に多く,昔から一里塚として街道沿いに植栽された.
県内ではブナ帯を除いて広く分布する.

「余録」
 「一里塚」・・一里塚を広辞苑で調べると
「街道の両側に一里ごとに土を盛り里程の目標にした塚。多く榎を植えた。」
古くは平安時代末期に奥州藤原氏が里程標を立てたのが始まりとされる。
室町時代の一休和尚の歌に
「門松は冥土の旅の一里塚 目出度くもあり目出度くもなし」があり、
一里塚の言葉は一般化していたことが分かる。
江戸時代に主要街道の整備と共に一里塚も整備された。
その整備の際に、並木としては松や杉を植え、
一里塚にはエノキが植えられた。
エノキは成長が早く枝を繁らせ、
よく根を張るので塚の土盛りが崩れるのを防ぐので
採用されたと解釈できるが、いろいろな説がある。
当時の総奉行大久保長安が
「一里塚には余の木(松以外の木)を植よ」
との家康の命を聞き誤りエノキを植えた、
という説が面白いとしてあちこちで紹介されている。
明治36年刊行の「大日本有用樹木効用編」には、
エノキは生でも燃えやすいので軍事上、
夜戦のときに使うことができるとして
植えられたという説が紹介されている。
実際に五街道の一里塚の樹種を調べるとエノキは過半数(55%)を占め、
以下、松、杉、栗、桜と続くようだ。
塚の大きさは一般に五間(9m)四方、高さは一丈(3m)で、
道の両側に作られたのでかなり大がかりなものだった。
現在でも各地域の史跡として保存されている場所が多い。
地名にも笹塚など「塚」の字が残っている。
一里塚は一里約3.9Kmごとに設けられた。
同様の目的で作られたものは他の国(単位)にもあり、
マイルストーンとかキロポストと呼ばれる。
マイルストーンはその名の通り1マイルごとに石の構造物が置かれた。
ローマ帝国のアッピア街道が始まりとされる。
古代ローマの1マイルは1000歩の距離で約1.5Kmとされ、
現在の国際マイルは約1.6Kmである。
一里塚もマイルストーンも、
大きなプロジェクトの途中の区切りの比喩で用いられることが多い。


「令和陸年(皇紀2684年)11月17日」
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