《雅羅・/・襍〝備忘録'24-18〟❖ ’24-211 ❖》

フウラン(風蘭) ラン科(Orchidaceae)
学名:Neofinetia falcata (Thunb.) Hu
synonym Vanda falcata (Thunb.) Beer
英名:Samurai orchid,  wind orchid
別名:フウキラン(富貴蘭) 

プロフィールも美しい。


イヌマキに着生したフウラン。

樹幹に着生し、数本の白色の根を出す。茎は長さ1~6㎝、4~20個の葉がつく。
葉は長さ5~12㎝、幅0.7~1㎝の狭い楕円状かま形、厚みがあり、革質で硬い。
花序は長さ5~8㎝、2~5個の花をつける。
花柄は長さ1~3㎝、小花柄と子房は長さ2.8~5㎝。苞は長さ7~9㎜。
花は白色、甘い芳香があり、夜、芳香が強くなる。
萼片は長さ8~10㎜、幅2.5~4㎜のほぼ倒卵形。
側花弁は長さ8~10㎜、幅2.2~3㎜ 倒披針形~さじ形。
唇弁は3裂し、側裂片は長さ3.5~4㎜、幅0.8~1 2㎜の楕円形。
中央裂片は長さ7~8㎜、幅2~2.5㎜、わずかに膨らんだ3つの尾根がある。
距は細長く、弓形に曲がり、長さ3.5~5㎝、太さ1.5~2㎜。


《木に共生する草花〝侍の蘭〟7月草花XXV  ❖ ’17/07/16 逗子市御霊神社 ❖ 》
フウランは、茨城県以西、四国、九州に分布する、樹幹等に着生する。
高さ約15cm程の常緑性着生植物。茎は短く葉鞘が残る基部から、気根を出す。
日本原産で、耐寒性多年草で常緑樹に着生し、夕方~夜に芳香を出す。
江戸時代から栽培されており、園芸植物名は、フウキラン(富貴蘭)。
和名は風の抜ける場所、風に運ばれて木に止まった状態に由来。
英語圏での呼称はSamurai orchidとよく表記されている。
和名の風蘭は漢名の風蘭からだ。日本固有種的な〝侍蘭〟と呼びたい。
花自体を見ていると、純白な花は和風といった風合いがある。
後ろで大きくカーブし垂れ下がる距に、欧米人は日本刀をイメージしたか。
土に根を下ろすことがない(着生蘭)、往古の野武士的では、、、!
現鎌倉八幡宮や寺社各所、社等々鎌倉時代を思える場所で咲いている。
江戸時代に開花した日本独自の園芸文化。歴史的変遷の下、今がある。
幕末に日本にやってきた欧州のプラントハンターの旅行記を読むと驚く。
英語でSamurai’s Orchidと呼ばれていることを誇りに思う。


ーー神奈川県植物誌よりーー
(1)フウラン Vanda falcata (Thunb.) Beer; Neofinetia falcata (Thunb.) Hu
 常緑性.茎はやや叢生し,
高さ 1~2cm で左右から数個の鱗片葉におおわれて偏平.
葉は革質で硬く長さ 5~10cm,幅 7~8mm,5~10 枚つき断面は V 字形.
花茎は長さ 3~10cm.花期は 7~8 月.花は 3~7 個を総状につけ白色.
苞は卵状披針形.萼片と側花弁はわずかに反転する.
唇弁は舌状で肉質,中裂片は狭卵形,側裂片は半円形.
唇弁の基部から細長い管状の距が前方に向かって湾曲している.
蒴果は長楕円形.
本州(茨城県以西),四国,九州,琉球;朝鮮,中国に分布する.
常緑広葉樹林内の樹幹や樹枝に着生.
県内では古くから横浜(金沢),鎌倉,逗子(神武寺),葉山,
南足柄(大雄山)が産地として知られ,
ところによってはイヌマキ,クスノキに数 100 株の着生も見られたが,
現在では乱獲によって激減し,消滅したところも多い.
『神 RDB06』では絶滅危惧ⅠB 類とされた.



身近な泉の森にも〝侍蘭〟が居るのではないか!!
探索する散歩も楽しい。

「令和陸年(皇紀2684年)7月29日、記」


#ブログ

ワオ!と言っているユーザー

×
  • ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
    ログイン
  • まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
    新規ユーザー登録へ