《雅羅・/・襍録〝香しい樹花〟❖ ’24-209 ❖》

クサギ(臭木) シソ科(Lamiaceae)
学名:Clerodendrum trichotomum Thunb. 

Ⅰ輪が開花していた('24/07/20)

蕾の時は、うなだれて疲れてる様にみえる。


《 明るい原っぱに魅せる〝クサギ〟7月木花Ⅰ  ❖ ’24/07/26 ❖ 》
クサギ(臭木); 在来・日本固有種
身近な山野の日当たりの良い場所に普通に生える。
葉は、少し触っただけでも強い臭いを放つが、
西日本では若葉を山菜としている。
6月頃、採取した葉を熱湯で塩茹でし流水にさらして
アクを抜き(灰や重曹で)油炒めや佃煮にして食べる。
茹でてから乾燥すると保存もできる。
西日本では「臭木菜」、長野県や静岡県では「採り菜」と呼ぶ。
禅寺修行でクサギが利用された事で「ボウズクサイ」との別名もある。
しかし夏に咲く白い花は、甘い紅茶のような芳香を放つ。落葉低木。
樹高、1.5~3m。樹皮は灰色で皮目があり、若枝や葉に短毛が密生する。
葉は長さ8~15cmの広卵形で全縁。葉柄が長く対生、裏面には腺点がある。
夏に葉腋から長い柄のある集散花序を出して、白い花をつける。
花冠は、細長い筒状で、先は5裂して平開する。花からは芳香が漂う。
雄蕊4個。雌蕊1個は長く花冠の外に突き出るが、最初は下にうなだれる。
雄蕊がしおれると雌蕊が起き上がって伸び始める。
葯は黒紫色で丁字形につく。
萼片は卵形で、果期には美しい紅色になる。
自家受粉をしないので花内では雄蕊が先に熟して花粉を出す。
この状態を雄性期といい、開花後約1日間。
雄蕊が花粉を出し終わると雌蕊が成熟する。
この状態を雌性期といい、約2日間。
雄性期には、4本の雄蕊は斜め上方に突き出しているが、
1本の雌蕊は垂れ下がっている。
雌蕊の柱頭の先端は固く閉じているので、
花粉を受け入れることができない。
一方、雌性期には4本の雄蕊は垂れ下がり、
1本の雌蕊が斜め上方に突き出す。
柱頭の先端に花粉を受け入れやすくするために、
柱頭は、二又に開いている。
虫媒花の機能をもっており、
百合の花に似た甘い香りを漂わせ、昆虫を誘う。
花蜜のある花筒の蜜腺までが最大2.5cmと長い為、
昆虫は蜜源まで届かない。
それ故に虫媒花昆虫は、大型の蝶類に限られるようだ。
黒系アゲハチョウ、カラスアゲハ、クロアゲハ、
オナガアゲハ、モンキアゲハ等。
又、薬草で、葉に含まれるクレロデンドリン成分がそれ。
血圧の調節作用、動脈硬化や高血圧予防に有効とされている。
夏葉を小枝ごと刈り採り乾燥させ煎液にしリュウマチや高血圧等に用いた。
害虫駆除にも用いられていた。葉に含まれるクレロデンドリンは、
キャベツや白菜を夜間に食害するヨトウムシの摂食阻害物質である。
昔は葉の煎液をヨトウムシ防除や家畜のシラミ駆除剤として用いていた。
更には、青色染料としても重宝されてきた。
青色系統の色を出せる染料はとても少ない。
臭木の果実の煮汁は媒染材なしに布を青く染める、古くから使われている。
*       *       *
泉の森の北部の一角にある“森のはらっぱ”その原っぱ奥に明るい場所がある。
泉の森として整備された頃は木々も低く原っぱのようであったと推測する。
最近、そこを再整備して明るくなった部分に1樹ぽつんとあるクサギ。
その姿は、とてもお行儀の良い樹に映る。

「令和陸年(皇紀2684年)7月27日、記」
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