6月
14日,
2005年
光る波!!
5〜6月頃にこの地では見れる現象だ。見慣れていて、これが「夜光虫」であることを忘れていた。甲殻類の専門家であった故、酒井 恒 先生は、相模湾は、世界でもまれに見る海洋・深海生物の宝庫であると語っておられた。海水浴場としては、赤潮を毛嫌いするが、生物学的には、この赤潮が、神秘的な光景を見せる、と教えてくださった。 「夜光虫」は、英名でも学名でもノクチルカといい、原生動物鞭毛虫類の仲間で、世界各地の沿岸や内湾海域に広く見られる。大きさは約1ミリの半透明な球形で、細かい溝と紐状の鞭毛(触手)を持っている。この触手を使い体を動かしエサを捕まえる。夜光虫はバクテリアや小型の植物プランクトンを食べているとか。時には甲殻類の幼生やカタクチイワシの卵なども食べるといわれ、かなり獰猛(どうもう)な食性をもっているのだそうだ。
この夜光虫は、分裂によって増殖し、春から夏にかけて増える。増殖しすぎて赤潮となる。それを鎌倉では見て取れる。この赤潮には毒性はない。赤褐色の赤潮が、淡いピンク色をした夜光虫の集まりであることは、地元の人々にはあまり知られていない。
昼間、この赤潮を見た。海面に油の帯びのように広がり見た目には汚らしい。だが、夜間に浜にでると打ち砕ける波頭に光る夜光虫の幻想的な青緑色の光を見ることができる。まさに「美」、神秘の世界である。夜光虫は、発光細胞を持ち、刺激を受けると細胞から発光物質を分泌し、これが酸素と結合して光る。刺激を受けたときだけ発光する。それ故、波たった時に発光しているのである。その光景は、実際に見た人では分からないほど、神秘的。今頃の鎌倉海岸線を夜・通るときは必見で、余り知られていない、夜の風物詩と思っている。
日本各地の沿岸で見られると聞いています。そんな機会を持ったかたあらば、掲載してください。
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