8月
26日,
2022年
「1on1ミーティング」を再考する(Day4)「先ずは何から着手するのか?」
最近「1on1ミーティング」と言う制度を導入した、導入したいと要望される会社が多くなっています。特に大企業にその傾向が顕著のように感じます。
しかし、「上手く行っている!」という声よりは、「導入が難しい!」「定着するのが大変」という声の方が多いように思います。
そこで私の経験も交えながら、「1on1ミーティング」の原点や本質に立ち返って、この残念な現実にどう対応したらよいか?
この点を私の独断と偏見で綴って行きたいと思います。ブログタイトルは題して
「『1on1ミーティング』を再考する」
前回は私自身がセルフコーチングという手法で「気になる点」や「課題」を列挙しました。そしてそれらを、3つの大テーマにカテゴリー分けをしてみました。
【大きな章立て】
第一章「1on1ミーティング」の本質・目的
第二章「1on1ミーティング」の準備・導入
第三章「1on1ミーティング」の継続・定着
今日はその四回目。
第一章「1on1ミーティング」の本質・目的
について、続けて行きます。
【章立て】
1.「1on1ミーティング」は目的ではなく「手段」である(完了)
2.社内コミュニケーションの究極の「ありたい姿」は?(完了)
3.先ずは何から、着手したら良いのか?(本日)
【3.先ずは何から、着手したら良いのか?】
(1)「部下が主人公」という理解から
「1on1ミーティング」の主人公は「部下」です。そして当たり前ですがテーマを設定するのも当然、部下になります。
「今日はどんなテーマで話を進めて行きますか?」
こんな出だしで始める感じです。
しかし現実的には、いつもいつも部下がテーマを準備してくるかどうかは分かりません。その時、少し助け舟(?)を出してあげるの上司の役割。
この時のテーマ選定のこつは、
「重要だが、緊急でない」テーマ
例えば、これからやってみたい仕事や将来のキャリアに関するテーマなどが、これに該当します。
ここで注意したいのが、
部下から提示されたテーマに関して、上司は「答え」を持っていない、という点。
そして部下の方もはっきりとした答えが無い可能性があります。従って「1on1ミーティング」とは、上司と話すことで切り口を見出したり、検討する方向性を見つけようとする機会とも言えるのです。
(2)「1on1ミーティング」では上司部下はフラットな関係
ここで気が付くのは、会社組織上では上下関係があるものの、一方「1on1ミーティング」においては、上司部下の関係はフラットである、と考えることが必要です。
乱暴に言ってしまえば上司は部下の「壁打ち」の相手。
上司の方が経験が豊富な場合が多いので、伝えられる内容は豊富だと思いますが、それは飽くまで上司の経験。部下にとっての最適解かどうかは不明です。
上司は、部下が部下自身の答えを見つけだせるように横で支える「伴走者」と理解すると実践しやすいと感じます。
(3)「1on1ミーティング」を行う環境に注意する
上記(1)と(2)を実現する「環境」とはどういうものでしょうか?
ここで言う環境とは、物理的なものはもちろん、精神的なものも含めての環境、セッティングと言っても良いかも知れません。
上司部下の関係を感じさせずに、部下が「主人公」で話したいテーマで話をする。
上司(ここでは便宜的にそう呼びますが)は、部下(同前)の話に熱心に耳を傾けながら、話を促して、自ら更に展開させる手伝いをする。
この状況を、業績の進捗状況を報告しながらダメ出しをされている、いつもの「部内会議室」で実現することのは、どうでしょうか?とっても難しそうなことは想像に難くないですね! 従って、
ホテルの最上階のラウンジで、遠くの景色を観ながら.....
とはいかないまでも、「1on1ミーティング」を行う場所にはちょっぴり気を使いたいところ。
例えば、会社の社員食堂の片隅に小部屋を設ける、というのはいかがでしょうか。
また屋外でも良いと思います。
庭があるようなオフィスに勤務の方なら、オフィスを出て庭のベンチに座って、というのも良いです。
そしてもちろん、オフィス近辺を「散歩しながら」というセッティングは抜群ですね!
ではまた次回に!
「働くあなたを元気にする」プロコーチ、砂村よしお