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ヒッグス粒子の発見

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ヒッグス粒子の発見
7月4日、欧州合同原子核研究機関CERNは『われわれはヒッグス粒子と思われる新たな粒子を観測した。』と発表した。この新たな粒子が1964年に予言されたヒッグス粒子であることを確認するには更なる検証が必要だが、これまでに得られたデータではヒッグス粒子である確かさが5シグマ(統計的な偶然の確率が100万分の1以下)ということで、おそらくCERNはヒッグス粒子を観測したに違いない。

20世紀以降の物理学は物質を構成する原子が原子核である陽子と中性子、それに電子からなっており、陽子や中性子が3つのクオークからなっていること、更に宇宙にはアップ、ダウン、チャーム、ストレンジ、トップ、ボトムの6種類のクオークと、電子、ミューオン、タウオン、およびこれらに対応するニュートリノによる6種類の電子の仲間(レプトン)があることを明らかにしてきた。またこれら12種類のクオークとレプトンに対し力を伝達する素粒子としてのフォトン(電磁気力)、グルーオン(原子核を結びつける力)、ウィークボゾン(ベータ崩壊を引き起こす力)を発見し、まだ発見されていないグラビトン(重力)の存在を予測している。これに素粒子に質量を与えるヒッグス粒子を加えた17の素粒子が現代物理学の標準モデルを構成しており、ヒッグス粒子の発見は標準モデルを証明する偉大な成果である。

宇宙物理学では137億年前に宇宙が誕生した直後ビッグバンが起こって宇宙が急膨張し、ヒッグス粒子を除く16の素粒子やそれらの反粒子は空間を光速で飛びかっていたと考えている。そこにヒッグス粒子が発生し、フォトン以外の素粒子は光速で移動出来なくなって質量が生じ、その結果素粒子同士が結びついて陽子や中性子が生まれた。それゆえ、ヒッグス粒子が存在しなければ原子や星や地球、更には生物が生まれることはなかったのだ。また素粒子と反粒子は衝突すると光と熱を発生して消滅(対消滅)するが、まだ明らかにされていない何らかの理由で反粒子が10億個につき1個の割合で素粒子に変換し、素粒子10億個につき2個の素粒子が消滅せずに生き延びて物質である原子や星が生まれたとしている。

われわれが観察している137億光年にまで広がる銀河団も天の川銀河も、その中にある太陽系も地球もすべて対消滅をまぬがれた素粒子と、今回発見されたヒッグス粒子のおかげで存在することが可能になっているのだ。その意味でヒッグス粒子の発見は今世紀最大のニュースのひとつである。

写真はCERNのホームページから借用。
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