円高が止まらない。
大震災や節電の影響で日本の景気は当分はマイナス成長であり、復興需要による景気の回復は早くても今年末、第二次補正予算の成立が遅ければ来年と思われるが、何故か円はアメリカドルに対して強すぎる。日本の悪いニュースは為替にはまったく反映されず、反対にアメリカの景気回復が予想より遅いとか、雇用も期待しただけ増えなかったという少しだけ悪いニュースが大幅な円高を助長している。
大震災後一時76円に達した為替は先進国との協調介入によりやや円安に振れ、4月8日には85円となったがそれ以後は一貫して円高が続き、今日は再び79円台となっている。この背景としてはヨーロッパの一部の国の財政破綻、アメリカの景気回復の遅れ、石油価格の高騰などがあげられているが、ドルが売られ円が買われる理由としてこれらは不十分だ。確かにアメリカは大きな対外債務を、日本は逆に大きな対外債権を保有しているが、日本の対外債権の中心であるアメリカ国債は売却出来ない債権であり、アメリカ経済がおかしくなれば日本も道連れとなる運命にある。
円高は輸入資材を安く購入出来るということを強調する人がいるが、人的・知的資源しかない日本は貿易立国であり、輸入した原料やエネルギーにより生み出した製品の輸出によって初めて衣食住をまかなっていることを忘れてはならない。野田財務大臣はもっと円高に敏感になって口先介入やドル売り介入を行い、円の高騰を抑えて景気を少しでも上向かせ、大震災復興の一助とするよう尽力すべきである。
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