2010年9月に初版が発行された村山斉博士の『宇宙は何でできているのか』を読んだ。1960年代に大学で量子力学を少しかじっただけのくまごろうは湯川秀樹博士の中間子理論はおぼろげながら理解していたつもりだったが、この本は現代物理学をしろうとが理解出来るようにやさしく解説している。宇宙全体の重さの23%は正体不明の暗黒物質、73%は得体の知れない暗黒エネルギーで、銀河も含むすべての星を足しても0.5%にしかならないことや、小柴昌俊博士がカミオカンデを使ってその存在を証明しノーベル賞を受賞した電荷のない電子であるニュートリノが0.5%を占めていることも驚きだ。
地球上にある原子は原子核と電子、また原子核は陽子と中性子で形成されているが、陽子はアップクォーク2つとダウンクォーク1つ、中性子はアップクォーク1つとダウンクォーク2つから成っているので、これに電子を加えた4つの素粒子が原子を形成していること、クォークは3世代あるはずだという小林・益川理論や、宇宙にはクォークが6種類、電子やニュートリノなどの素粒子であるレプトンが6種類、更に力の伝達粒子であるボソンが4種類あることも平易に解説している。
ふたつの磁石が引力や斥力を及ぼすのは電磁気力によるがこれは光子(フォトン)をやり取りするからであり、原子核の中で陽子同士や陽子と中性子がばらばらにならないことについて湯川秀樹博士は中間子のやり取りするからと予言したが、中間子はクォークと反クォークから成っていること、原子核での陽子や中性子の結合は現在ではグルーオンと呼ばれる素粒子のやり取りによること、更にまだ見つかっていないが重力もグラビトンという素粒子をやり取りで力が伝達されていることなどは興味深い。
しかしこの本を読んでますます素粒子力学がこんがらかってしまったことも確かだ。その原因はくまごろうの頭が悪いからだ。世の中には頭の良い人がたくさんいることを改めて実感した。
しかし多くのノーベル物理学賞受賞者を輩出し、スーパーカミオカンデ、すばる望遠鏡、数物連携宇宙研究機構(IPMU)、宇宙航空研究開発機構(JAXA)などにより宇宙物理学に積極的に取り組んで、日本が大いに現代物理学の発展に貢献していることはまことに頼もしい限りだ。民主党の政治家が『2番ではいけないんですか?』などと言ってほしくない。
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