御嶽山噴火から9年

御嶽山噴火から9年
Nine years have passed since the eruption of Mt. Ontake,
and the anonymous account of a woman who experienced
the tragedy has been made public. Reading her account,
there are key points that stand out:

Mt. Ontake is not an independent peak but part of a range
between 2,800 to 3,000 meters. While it has been traditionally
known as a sacred mountain for ascetic practices,
its high altitude makes it far from an easy climb. In fact, the ascetic practices in Mt. Ontake traditionally cease at the end of August, and it is believed
that the mountain's deity descends to lower altitudes in September,
making ascent for worshipers impractical. The guides were aware
that autumn could be harsh for ordinary believers.

There are major east-west routes for climbing, with the Tano-hara route from Ohtaki, in particular, being regarded as the easiest due to its starting point at 2,200 meters and well-maintained trails. Excluding the option to take a bus up to 2,700 meters at Norikura, this route is considered the most straightforward route to reach 3,000 meters.

The eruption accident was not unrelated to the ease of access. A percentage of the victims were, I believe, beginners or individuals with limited experience in high-altitude mountaineering.

It was suspected that those who perished were not solely due to volcanic rocks, and indeed, the account reveals that some were still alive when the eruption subsided. It's a grim reality for their families, but the author suggests that they might have survived if they had proper equipment.

Having climbed here multiple times during this season, I can attest that the nighttime chill is severe even at the mountain's base. It approaches freezing temperatures at Tano-hara. I am certain that at the summit, the temperature was below freezing.

However, during the daytime, the temperature rises to over 10°C, and if you are actively climbing, even summer clothing might not feel too cold. On sunny days, it can be quite warm, and climbers, especially beginners, might not have been adequately dressed. Of course, if nothing goes wrong, this might be okay. But when unforeseen events occur, the presence or absence of proper gear becomes a matter of life and death.

Some were deprived of their ability to move freely due to volcanic rocks or falls, making descending impossible, but they were still alive at the time of the eruption's cessation. However, the drop in temperature after sunset made it impossible for them to maintain their body temperature through self-generated heat, leading to their demise.

This is a critical point that hasn't been touched upon in previous reports. In other words, having the right equipment could have made a difference.

The necessary equipment includes cold-weather clothing (light down or fleece) and a tarp (tarpaulin tent). The latter is a lightweight, adult-sized tarpaulin tent that can be erected using trekking poles for high insulation bivouac. It seems that the author used down clothing for insulation and also brought a tarp, which she claims helped her survive.

In the mountains, one never knows what might happen. Unless you are on a very low mountain where escape is possible, having a tarpaulin tent should be considered essential in the upcoming seasons.

Here is a link to my equipment list:
http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=1310

 
御嶽山噴火から9年が経ちました・・・・
遭難した女性の手記が公開されています(匿名)。
これを読むと、やはり、と思える点があったの記します。

御嶽山は2800から3000mの連山で独立峰では無い。
昔から修験の山として知られ、馴染まれているが、その高度から決して
簡単な山では無い、現に御嶽教の礼拝登山は8月末までであり、9月になると
ご神体は麓に遷御すると言われ、礼拝登山は行われない。
先達は一般信者には秋は厳しい事を知っていた。

登山道は東西がメジャー、特に王滝から登る田の原ルートは、スタート地点が
2200mで、道も整備されており、バスで2700mまで登れる乗鞍を除くと、最も
簡単に行ける3000mと言われている。

噴火の事故はこの簡易さと無縁ではない、遭難者の何割かは、いわゆる
初心者、標高の高い山の経験が少ない方であったと思う。

死亡された方々は噴石だけではないと思っていたが、やはり手記を読むと
噴火が収まった時点では存命していた方が何人かはいたのである。
ご遺族には酷な話であるが、その方々は装備があれば助かったかも知れない。
と、彼女は記している。

私はこの時期復数回、ここに登っているが、夜の冷え込みは山麓でも半端では
ない。田の原でも氷点下に近い。山頂付近なら確実に零下であったと思う。

ところが日中では10℃以上あり、登山中なら夏の服装でも寒さは感じなかったと
思う、晴天なら暑いくらいであり、登山者、特に初心者は軽装ではなかったか。
無論、何もなければこれでOKである。ところがこのような事態となると装備の
あるなしが命に関わってくる。

噴石、または転倒などで行動の自由を奪われ、下山は出来ないが存命して
いた方も、日没後の気温の低下で、自己運動での発熱での体温維持が出来ず
死亡された方がいたと記されている。

これは重要ポイントで従来の報道では触れられていない。つまり装備を持って
いたら助かったかも知れないのである。

装備とは防寒衣服(ライトダウン・フリース)それにツエルトだ。
後者は簡易テントで大人のげんこつ大で軽量。ストックをポールにすれば
保温性の高いビバークが可能となる。彼女はダウンで保温していたようだが
ツエルトも持参していたようで、この装備で生存出来たと記している。

山では何が起きるかわからない、余程の低山でエスケープが可能ならともかく
ツエルト装備はこれからシーズン必須であろう。

以下は私の装備内容
http://www.yamareco.com/modules/yamanote/detail.php?nid=1310



わかお かずまさ

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八ヶ岳天狗岳遭難で思うこと

NEWSを見た時、ああ、またか。 と思った。

この時期、それも山岳気象予報では大荒れと言っているのに。
2600mの天狗岳を目指すとは・・・
しかも、装備の中にツエルトが無い。
亡くなった方には気の毒だが、これは人災、準備不足と言える。
この時期、あそこを目指すなら、山岳気象予報(有料)を聞き、冬山装備をすべき。
山小屋泊で安易に考えたと思うが、佐賀県の方々には、中部山岳の冬の恐ろしさは
感覚として持っていなかったと思う。
普段なら時速1.5から2Kmの歩行速度が維持出来ても、降雪すれば1/4以下になる。
アイゼン等の走行にどれほど経験があったかも不明。

この時期、私なら絶対に行かない。

以下は、ツエルトに関する過去の記事です。


https://jp.bloguru.com/kuma/query/?pg=1&search=%E3%83%84%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%88

ツエルトは意外なほど所持されていない、私の周りにもすすめても、私には不要と
購入しない人が多い、自分はそんな場所には行かない。これが理由だと思う。
ツエルトは自分のためだけではない、場合によっては山で人命救助になるかも知れない、
山行にはそんな覚悟が必要と思う。
この思考はリスクマネージメントの基本中の基本、これは山行だけではない普段の生活
でもこの思考の有無が危機遭遇時の明暗を分けると言い切れる。
やるやらないはその人の自由、でも危機遭遇時に、ああ、これが・・・・・
と思っても遅い。

わかお かずまさ
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ビバークの装備

これが基本装備、ペグ4本二組、... これが基本装備、ペグ4本二組、4m3ミリロープ二組、先端はテンション金具で処理
ツエルトは最小のモノ
右は玉ねぎの小袋、アンカー打て... 右は玉ねぎの小袋、アンカー打てないときはこれを使う。
雪の場合は、雪玉を作りこれに入れて、雪に埋める。
色々試したが、これが最良、ツエ... 色々試したが、これが最良、ツエルトとの繋部分は単純に輪くぐりさせるだけ。
面倒に思えるが、撤収にはこれが一番簡単。ストックの固定はモヤイ、杭の止め方と
同じ、簡単だけど練習を繰り返すこと。
私のツエルト装備です、時々主宰する山岳会で設営訓練をしていますが、参加者の意見
を参考にして、現在はこんな装備にしています。
ツエルトは持っていても、実際には設営はせず、いよいよとなったら包まれば良いと
思っておられませんか?雨はこれでも防げますが、保温効果は空気の層を作らなとダメ
です。

ツエルトをお持ちの方は多いと思います。でも実際に設営してみると通常のテントより
厄介です、
現場で設営練習されるを強くすすめます。
ツエルトは通気性悪い反面、キッチリ設営すれば緊急以外にもソロテントとして使えす。
何より小型軽量です。

一人用のツエルト(二人可)
3mmのロープ4mが二本、中間でループを作り固定、それぞれの先端には固定具をセット
小型ペグ4本を二組、一組には抜きやすくするため、2mmのロープで把手を作っておく
玉ねぎの袋 4枚 ペグが打てない時、石を詰めてアンカーに。雪原の時などには、
雪団子を中に入れ雪を掘って埋める。
支柱はストックを使います。

設営手順:
風上側にペグまたは玉ねぎ袋でアンカーを二箇所、ステーが90度に開くように。
ツエルトを広げ、ザックを中に入れて風などで飛ばされないようする。
ツエルトの天井部の両端にロープ(ステー)をセットする(先端を輪くぐりさせるけ)。
写真のようにストックにステーを固定する。
ステーの先端を少し絞り、ペグ(アンカー)にセットする。
ツエルトの位置をおおよそ決め、反対側(風下)もセットする。
ツエルトの下部(四隅)の内、三箇所にペグを打つ、打てない場合は石等で重石をする。
※ツエルトには出入りのファスナーは無いので注意
ステーのテンションを調整し、しっかり固定する。
ツエルト内に入り、最後のペグで固定。
当然の事ですが、何度も訓練してください、特にストックの固定部分は暗闇でも出来る
ようにしてください。ストックの長さも予め覚えておきましょう。

注意:
収納は写真のボトルケースにすべて収納出来ます、このボトルケースは設営時に、
ペグ等を入れて行動します。ペグは小さいので、地面に置くと見つからなくなる恐れがあります。
玉ねぎ袋の紐は引張には強いのですが、擦れに弱いので注意が必要です。
スノーアンカーより手軽で軽量です、アンカー以外にも果物や飲み物を冷水で冷やす時に
使えます。


わかお かずまさ
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2021年5月3日の御嶽山

2021年5月3日の御嶽山
木曽福島スキ-場、ハクサンからの展望です。
時刻はAM10時、周りは晴天で風があるのですが、御嶽山の雲がとれません。

この数時間後に、槍ヶ岳の南の乗越で滑落遭難+低体温症で3名が死亡。
山岳天気予報は疑似晴天&大荒れの警報を出していました。

経験1年程度の方がいた模様、この天候で冬山経験は十分だったでしょうか?
滑落後に携帯で知らせる事が出来るなら、その場でビバークは出来なかった
のでしょうか?
当時はホワイトアウト状態だったとのこと(槍小屋)
ツエルトがあれば二人は助かったかも・・・・



わかお かずまさ
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御嶽山噴火から一年

五の池小屋から見た噴煙 201... 五の池小屋から見た噴煙
2015.09.22 正午頃
御嶽山噴火から一年が経ちました・・・・
遭難した女性の手記が公開されています(匿名)。
これを読むと、やはり、と思える点があったの記します。

御嶽山は2800から3000mの連山で独立峰では無い。
昔から修験の山として知られ、馴染まれているが、その高度から決して
簡単な山では無い、現に御嶽教の礼拝登山は8月末までであり、9月になると
ご神体は麓に遷御すると言われ、礼拝登山は行われない。
先達は一般信者には秋は厳しい事を知っていた。

登山道は東西がメジャー、特に王滝から登る田の原ルートは、スタート地点が
2200mで、道も整備されており、バスで2700mまで登れる乗鞍を除くと、最も
簡単に行ける3000mと言われている。

噴火の事故はこの簡易さと無縁ではない、遭難者の何割かは、いわゆる
初心者、標高の高い山の経験が少ない方であったと思う。

死亡された方々は噴石だけではないと思っていたが、やはり手記を読むと
噴火が収まった時点では存命していた方が何人かはいたのである。
ご遺族には酷な話であるが、その方々は装備があれば助かったかも知れない。
と、彼女は記している。

私はこの時期復数回、ここに登っているが、夜の冷え込みは山麓でも半端では
ない。田の原でも氷点下に近い。山頂付近なら確実に零下であったと思う。

ところが日中では10℃以上あり、登山中なら夏の服装でも寒さは感じなかったと
思う、晴天なら暑いくらいであり、登山者、特に初心者は軽装ではなかったか。
無論、何もなければこれでOKである。ところがこのような事態となると装備の
あるなしが命に関わってくる。

噴石、または転倒などで行動の自由を奪われ、下山は出来ないが存命して
いた方も、日没後の気温の低下で、自己運動での発熱での体温維持が出来ず
死亡された方がいたと記されている。

これは重要ポイントで従来の報道では触れられていない。つまり装備を持って
いたら助かったかも知れないのである。

装備とは防寒衣服(ライトダウン・フリース)それにツエルトだ。
後者は簡易テントで大人のげんこつ大で軽量。ストックをポールにすれば
保温性の高いビバークが可能となる。彼女はダウンで保温していたようだが
ツエルトも持参していたようで、この装備で生存出来たと記している。

山では何が起きるかわからない、余程の低山でエスケープが可能ならともかく
ツエルト装備はこれからシーズン必須であろう。

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老人の無謀な冬山登山

老人の無謀な冬山登山
新年早々から嫌な話題投稿をお許しください。
大晦日時点で北アルプス7名、南アルプス2名が遭難して救助を求めています。
1名を除き、いずれもいい歳のオッサン・オバサンです。

写真のように年末は大荒れとの山岳気象予報が出ています。
※この山岳気象予報は有料ですが、金額はわずかです
遭難した山岳地帯は夏山の絶好期でも難易度が高い場所で、冬山ともなれば
十分な気象情報を持つべきです。
ちなみに私なら、この気象予報では絶対に入山しません。
どんなに事前準備をしようが、いわゆる「山が許してくれない」状態なのです。

北アのメンバーは四国の山岳会所属のようですが、普段からどのような訓練や情報
提供をしていたのでしょうか?北アの冬の情報をどれだけ持っていたのでしょうか。

30日までに撤退のチャンスはあったはず、無雪期の20%程度しか行動出来ない事を
彼らは熟知していたのでしょうか。

救助を求めるのは簡単ですが、山はそれを許さない事を知っているのでしょうか。
二重遭難を恐れ、地元の方々は冷徹な判断をします、特に今回の様に事前に
悪天候予報が出ている場合等は「それ見たことか・・・」となる事を計算せねば
なりません。
三が日は山は大荒れです、GPSは持っているのでしょうか?ツエルトはステー
で雪山で設営出来る装備でしょうか?

気象予報を知った上での行動なら、相応の準備が必要不可欠です。

若者が荒天でサーフィンに出かけ、流されれば非難轟々です。
でも、この手のバカ老人に世論は甘すぎます。

年金受給者が減少するからいいのでは・・・・
容赦の無い声が聞こえます。

山岳遭難として特異なケースは御嶽山の噴火で、今回のような荒天での
行動不能は自己責任の範疇です。
以前、南アで地形図もコンパスも持たず単独でふらついている老人に会い
ましたが、彼曰く「携帯電話もってるから・・・・」
山を舐めるにも程があります、この手のバカ老人登山者がいる限る遭難が
増え続け、地元や自治体に多大な迷惑をかけることになります。

老人登山家各位
あなた方は、高度成長期に大した努力もせず、会社の成長にうまくのっかり
リタイヤした年金搾取者です。未来の日本には無用の穀潰しです。
身の程をわきまえ、現役の方々に迷惑をかけない行動をするのが義務であります。
遭難しても、地元の方々は口には出しませんが、言わんこっちゃない、自業自得と
思い、命がけの捜索等はしてくれないことを知るべきです。
簡単に救助要請等しても助からないことを覚悟し山に登ってください。
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山道具の整備と点検

山道具の整備と点検
今日は山行きの予定でしたが、曇っているし、眠いし等とモタモタしているうちに出そびれてしまいました。
昼寝の後、山道具の整理をし、秋・冬にかけての道具の整備をしました。

写真はツエルト一式、下のボトルケースにすべて収納出来ます。
ツエルト本体、軽量ペグ8本、張りロープ、そして玉ねぎのネットが4枚。

ツエルトを本当に緊急時使った事がある人はまれだと思います。
キャンプ等と違い、設営場所を選ぶ事も出来ないケースが大半でしょう。

このタイプのツエルトは換気・透湿性は低いのですが、防水・防風性は高く、きっちり張って中に入れば
保温性は思いの外良いのです。冬でも外気が零度近くでもツエルト内は体温で意外
な程温まり、強風下でも凌げます。

ツエルトは持っていても使えなければなんにもなりません。数年前の白馬の稜線での大量遭難時もツエルトは所持していたようですが結果は全員死亡です。

ツエルト張りで一番難儀するのがペグでの固定です。下地によってはペグが打てない・効かない場所があります。そんな時玉ねぎのネットが有効です。大きめの石をネットに入れ、ロープに縛るだけ、移動も簡単だし、結構安定します。
積雪でもOK、雪を詰め込み埋めればアンカーになります。
※ポールはストックで代用
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ワオ!と言っているユーザー

山小屋の数

北穂小屋が地形図では欠落してい... 北穂小屋が地形図では欠落しています・・・・・
北アルプス一帯は日本有数の山岳景勝の地で多くの登山者が集まる。
そのため山小屋の数が多い。
ところがこの山小屋の数の多さが、どうも初心者を勘違いさせ、山岳遭難の一因に
なっているのでは無いかと思い始めた。

北アルプスは山にこそ差があるものの、いわゆる初心者が行く山にしては難易度が
高い。ただし、難易度とは季節や天候で大きく変動する。

HGの鳩吹山に今では通行止めとはなっている「パノラマコース」がある、岩場としては簡単で短いコースだが岩は脆い。このコースの下りを必死で降りた初心者でも、天候が良ければ西穂高まで行けてしまう。(西穂独標でない)

難易度が高い北アルプス登山を安易に考える理由の一つに、この山小屋の数がある。
数年前、白馬岳(しろうま)の春先(5月4日)に九州の方々が沢山亡くなった、トムラウシや昨年の空木岳の遭難も、山小屋があれば起きなかった事故であると予想する。
※トムラウシには避難小屋はあるが数が少ない、白馬も空木も山小屋間の距離が
長い。
北アルプスは滑落の遭難が多く、天候で逃げ遅れ低体温症での事故は少ない。
これは山小屋が豊富で避難が可能である事が大きいと思う。

問題は、北アルプスは特別な環境であることを理解せず、他の山域に十分な装備も
持たずに出かける事であろう。
ツエルトはおろか、緊急シートも持たずに結構な距離を走行する方が多い。
私の装備を見せると、そこまでは・・・・・と異口同音に言われる。

最近の山ブームで、Webや雑誌では盛んに山が取り上げられている。
特に注意が必要なのはWebの記事で、所要時間等は「良えカッコ」が透けて見える
投稿もある。

普段、特段のトレーニングも無しに、10Kmを越す山岳歩行はかなりの重負荷で、
ザックの重量を軽くしたいのは分かるが、肝心な装備を持たないのは危険度が
高すぎる。

北アルプスは特別なゾーンで、普通の山域は標識はおろか、登山道の整備もロクに
出来ておらず、ひとつ間違えば遭難の危険度が高い事を知るべきである。

多くの山はトイレは勿論、水も無い。すべて自己調達である、昨年の幌尻でも山小屋があるとは言え、それは避難小屋以下の設備である事を同行者に理解させるのに時間を要した記憶がある。
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幌尻岳遠征記6

幌尻岳遠征記6
2013.08.25

登山開始

4:30スタート

山荘の標高は980m、高度計を修正アタックザックで登頂準備

コースは最初に藪こぎがあり、朝露があるのでスパッツ(膝下が理想)は最初から装着すること。

気温も低いので雨具の上着をWブレーカーとして着用、藪こぎが続き、軽いアップダウンを繰り返し北上すると、トラバースするルートに出るが、残置ロープはあてにならず、木の根・笹の枝を掴んで歩行。(ここは危険箇所)山荘から50分程で、川の合流地点に到達、ここで渡渉、大木が横たわっているので、これを足場にして渡渉すると簡単に渡河出来る。

そこから延々と急登が続く、展望は期待出来ないが、約半分の所に見晴台の看板、更に登ると中間地点の標識がある。

その後水場の標識が現れる、しばらく進むと突然ガレた急沢になる、ここは7月初め

までは雪渓となっている、ここが水場。

沢を横切り、赤テープのあるルートを登る、この辺りから登山道にガレ石が多くなる。

お花畑の標識を見送る辺りから、前方を見上げると大きな四角形の岩が見える。

しかし道はジグザクで、思うように高度は稼げない、このあたりから樹林帯は抜け這松だけとなり、西風がモロにあたる、このため全員に雨具の上着着用を再度指示。

大岩を越え、さらに急登を登りつめ、水場から1時間ほどで分岐点に出る。

この分岐点は新冠からがT字の突き当りで右折して10分ほどで頂上に至る。

※Docomoは頂上から通話可能

この日はガスが多く、七つ沼を見るための肩までの移動は断念、写真撮影後分岐点までもどり食事、十分。に休憩をとり10:00に下山開始。

途中、水場通過地点辺りから雨、雨は段々ひどく足元が滑り始める、急登の下りは実に大変、ストックに頼らず、笹の枝を掴んでの歩行のほうが安全、特に渡渉の手前までは稜線歩行のため、滑落すると厄介(笹で見えないだけ)12:30に山荘に到着スパッツや登山靴を沢で洗い、早速干すが天候不順で乾燥は期待出来ない。

2013.08.26

5:15北電ゲートに向かって歩行開始。

アップダウンがあるが、全体には当然下りであるため往路よりは負荷は少ない。

重量も減少している、但し決して水の補給を忘れぬよう。

10:30に北電ゲート到着、機材の整理などは車に乗る前に行うこと。

装備:

結構アップダウンのある林道を6時間近くため、食料を始め、携行する装備は重量・容積ともかなり重要となる。

必需装備として、コンロ・鍋等の調理用具、特に操作が簡単なガスがおすすめだが飛行機では必ずチェックされる、ライターも同様、このため別送で送るか、現地での購入となるが、新千歳>新冠間までにはそのような店舗は無いと思われる。

やはり、別送で第一宿泊拠点まで送付するのが賢明、入浴後の着替えなど、山行では不要なものも送ることが出来る。

雨具、コンパス、地形図などは当然、これに夏でもフリースなどの防寒衣類は用意すべき。

重要な食料、重量を気にして省略しがちだが、この長丁場に食料は極めて重要。今回用意した食料を以下に記す。

尾西のアルファ米3食

日清のカップ麺リフィルタイプ4食

SATOの切り餅4個

ぶどう糖飴、塩飴、梅干し錠剤。

以下は現地調達

おにぎり4個、パン、ベビーチーズ、ウイスキー小瓶、落花生、お茶、水等。

※コンビニは新冠町役場に入る信号の角にある、空港からは新冠町をカーナビに入力するとよい。

前述したが、林道歩きは断然スニーカーが有利、しかしこのため登山靴はザックに入れて運ばねばならず容積は増大する。

着衣は洗濯(水洗い)は十分に出来るし、時間もあるので着替えは最低限に。

今回は半袖、長袖二枚、網シャツ、下着パンツ二枚、靴下(登山用、林道用それぞれ一足)

雨具(ゴアテックス上下)、CW-Xタイツ、半パンツ、パンツ、スパッツ、手袋。林道歩きは半パンツが最適

寝具は夏用のシュラフ、空気マット、空気枕。

※着衣や寝具は圧縮ケースで容積を小さくした

ザイル7mm10m、スリング(60cm、120cm)カラビナ一個

保温ボトル500ml、救急用具、ツエルト、カップ、箸・スプーン、レスキューシート

携帯トイレ、ホイッスル、爆竹、ナイフ等、アタックザック

※重量は個々に軽量し、徹底的に軽いものを選択すること。

今回のザックはグレゴリー・バルトロ70Lを使用、ザック自体も重量があり、林道歩行開始時点で16Kgを少しオーバー。
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韓国人パーティ遭難に学ぶ

韓国人パーティ遭難に学ぶ
先日、中央アルプスの空木(うつき)から宝剣での遭難には、我々学ぶ所が多い。
このルートはアップダウンが多く、かなりハードなコースで、夏季でも上級者コースと
されている。
この山はHGの鳩吹からも遠望でき、身近に感じるが空木は日本百名山の中でも難易度が高いとされている。

今回遭難の情報はマスコミ報道やTVからのみであるが、以下の様な原因が推測出来る。
1:装備が不十分
TVでみるかぎり着衣が不十分、ツエルト(緊急テント)の装備が無い。
携帯電話も準備していない。
2:ガイドがいない
ガイドがいない場合、国土地理院などの地形図は必携、今回は道迷のためではなく、距離・行程を把握するため、コースは長く、天候によっては引き返すタイミングを判断するのに極めて重要。
3:天候の情報不足
山岳天気予報は、風雨があり、低体温症の危険を予告していた。
4:行程に無理がある
海外登山に限らず、空路を使用する登山は絶対に予備時間を設けるべき、さもないと帰路を焦り事故につながる。

総括:やはり山を舐めていたとしか言い様がない、日本の山は夏季には比較的安定して気温が高いと思われているが、雨も多く、この場合軽装備(着衣)だと濡れて風に吹かれればたちまち低体温症となる。
今回、70歳代の方々が亡くなったのは、この低温に対しての適応力が低下していることを示している。
おそらく、晴天であれば大したトラブルも無く、無事下山出来たと思われるが、夏とはいえ高山での天候不順は極めて危険であることを忘れてはならない。

最近、韓国とは色々トラブルがあるが、山の仲間としては同好の士であることには変わりはない、冥福を祈ると共に、彼らの遭難から多くを学び、死を無駄にしないようにしたい。
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