6月
18日,
2013年
山でのスグレモノ(シュラフカバー)
汗程度なら乾かせば良いのですが、濡れてダマになると厄介です。
※シュラフは通気性を考慮してあるので、防水性はありません
テントでは、フライとインナーが密着すると内部が結露します、そんな時、この様な
カバーを使います。
夏の高温時なら、このカバーだけでも避難小屋泊ならOKです。
さらにツエルトで夜明かしする場合などにも有効です。
ゴアテックスほどの透湿性はありませんが、就寝時の発汗なら十分に透湿します。
価格は5000円ぐらいからですが、前述の単体使用の出来ないタイプがあるので
要注意です。
5月
12日,
2013年
危険回避訓練
一番重要なツエルトの設営を行いました、ツエルトは小型緊急避難テントです。
購入された大半の方は本体のみの購入で、ペグやステー(張り綱)は準備して
いません。
ツエルトはかぶってもそれなりの効果はありますが、やはりキッチリ設営し、
空間を作るとかなりの温度差にも耐える事が出来ます。
問題はその設営を日頃から訓練しておく必要があることです、緊急事態の
対応には日頃の訓練が出来ていなければ対応が困難です。
登山は自己責任と思い込んでおられる方が多いのですが、
登山事故で最も責任を負わされるのはリーダーです。
山行きを計画し、コースの決定、変更を行えば、その時点で「リーダー」となります。
※リーダーの決定は曖昧な場合でも、先頭に立ち、コースを決定すれば、その役目を担ったとされます。
事故が発生し訴訟になった場合、コースの説明・危険度が説明不十分の場合はほぼアウトです。
事故当事者が山の経験者でも、そのコースが初めてであったり、体調不良をリーダーが見抜けない場合も同様です。
「このコースは面白いから連れていったやろう」などは危険な行為となります。
当然、リーダーは全員の安全を確保する義務を追うわけで、足が合わないので一人で先行して行動し、先で待っているなどは言語同断で無責任極まる行為となります。
この場合事故が発生すれば自己責任とはとても言えなくなる。特に普段からこのような行動をとっていると訴訟時には極めて不利となります。
※新しいコース等を案内する場合、全員がクリア出来るまで、最新の注意を払うのは当然。
登山には危険が付き物で、低山でも野獣の脅威、天候不順など数限りなし障害発生要因があります。
これらを回避するためにはリーダーは、救急医療の基礎、緊急手当の医療品の携行は義務となります。
さらに、緊急回避のザイルワークや避難テントの知識は必須となります。
これらも怠った場合、訴訟を起こされた時、極めて不利な状況となります。
「連れて言って欲しいと言ったので、連れてきてやった、それで事故を起こしたの自己責任」と
思っておられるなら大間違いです。
以下はWebより
・大学山岳部や社会人山岳会での登山は、ある例外を除き、リーダーであっても、山行の計画の策定,装備の決定,事前訓練の実施及ぴ山行中の危険回避措置について,メンバーの安全を確保すべき法的責任まではなく、原則的には自己責任である。
※これだけ読めば、やはり自己責任と思えるが・・・・
・例外とは、参加メンバーがその山行をこなす相応の実力がないなどの理由で、事故の発生が極めて高い確率で予測される時である。
※岩場をビレイ無しで登らせる、滑落の恐れがあ場所で保持をしないはこれに該当
・メンバーが初心者等の場合は、主体的な登山でも、リーダーはその安全を確保すべき法的責任がある。
※初心者の定義は難しいのですが、人を誘って登山をすれば「自己責任」では逃げ切れないと覚悟すべきでしょう。
5月
6日,
2013年
山を甘く見てはダメ!
その後も遭難が相次いていますが、遭難の原因には、
軽装備が指摘されています。
これは「持っていない」は当然ですが、使い方がわからない
経験が無いも、これに含まれます。
コンパス・地形図があっても経験知識がなければダメ
ツエルトも同じです。
一番始末が悪いのは、なまじ「体力」に自信を持っている方です。
私は大丈夫と思い込んでいます、その証拠に、この手の話や
トレーニングに熱心ではありません。
特に山の経験年数が少ない方、リタイヤしてから初めた方に
この傾向があります、それは人生経験が豊かであるため、自分の
人生哲学・思考が確定していると思われます。
それ自体は大切な事ですが、自然相手の経験はどうでしょうか?
私は自然を相手に命を落とした友人が五指に余ります。
葬儀に立ち会った時の辛さは、一生忘れません。
亡くなった友人は、経験豊富で、まさか彼が・・・・・
でした。
自然は老若男女を問わず容赦はありません、特に山では滞在時間が
長く携帯電話も時としてアテになりません。
オレは大丈夫、そんなところに行かないから!
これが遭難予備軍の筆頭です、山ではなにが起きるかわかりません。
正に想定外の世界です。
写真は緊急避難テント、ツエルトの設営実習です。
3月
22日,
2013年
山道具は持っているだけではダメ
ツエルト(簡易テント)は軽量・小容積のスグレモノで、1から2名の緊急避難
テントとして知られています。
ところが、これを持っていても使った事が無い、使い方も実は知らない方が
大半と思われます。
お守りで終われば良いのですが、いざと言う時に使えなかったらそれこそ
慚愧に耐えられないでしょう。
ツエルトは被れば良い、程度に教えられている方が多いようですが、実は
被っただけでは冷気の遮断は困難です、布地が薄く、通気性こそありませんが
断熱効果は薄いのです。
やはりツエルトはちゃんとテント張りをして使うべきです。
写真は、ツエルト用の張りロープ(3mm)4mX2とペグ4+4
2月
26日,
2013年
冬山の危険防止その2
装備は特に地形図とコンパス、地形図は予備も必ず用意します
行き慣れた山でも積雪があれば踏み跡は消滅します、下山時に
間違えれば大変な事になります。
冬山装備で重要なのは暖を取るための装備、食料、ツエルトなど
携帯電話の予備電池も必ず必要です。
単独は冬山では禁止です、特に平日、入山者が少ない場合には
遭難の危険度が高くなります。
グループでも油断は禁物、どんどん先行する方がいますが
遅れて来ないなと、戻って探していても滑落場所がわからない
等の危険があります。
12月
24日,
2012年
継鹿尾山バリエーションルート探索(2012.12.24)
今日は単独です、こんな時はバリエーションルートを探索します。
最悪の事態を予想し、携帯の電池の予備、ツエルト、食料、ザイル等、万全の
装備で臨みます。
今日の第一目標は、継鹿尾山東の階段を降りた所から、大平林道に抜ける
ルートの確認です。
「ヤマレコ」などで紹介がありましたが、やはり実踏が基本です。
「A」は四分岐、ひばりヶ丘、山頂、北稜線?、寂光院(標識あり)
「B」北谷ルート、踏跡は途切れるが、沢沿いに下降すればOK
ただし、途中に滝などがあり、巻き道をしないと下降は困難。
渡渉を何度も繰り返すのが、枯葉で足元が不確か、ストックは必須。
※下りより登りが安全
「C」には白い杭の標識がある、ただし渡渉が必要。
「D」は「A」からのルートを探したが、踏み跡は見つからず敗退
「E」は車道にフェンスのある場所
11月
12日,
2012年
長城の遭難に思うこと
情報はマスコミ&NETからであることを事前にお断りしたい。
今回の事故でお亡くなりになった山歩きの同志として、ご家族にはお悔やみを
申し上げます。
ただ、彼らの死を無駄にしないために、死者にはやや辛辣と思われるような
表現をする事をお許しいただきたい、これが彼らが残してくれたメッセージ
であることを信じているので。
遭難の原因:
一番は天候の急変であることは論を待たないが、山での天候の急変は
想定内で行動すべき。
今回の緯度と高度はこの時期雪があっても不思議ではない場所、それが
ツエルト(簡易テント)を個々が持参しないのは明らかに装備不足。
メンバーが高齢であるのも要注意、ツアーであるためメンバーが選べない
との意見もあるが、高齢者の要注意点を以下に述べるので、その問題を
ご理解いただきたい。
いわゆるリタイア組は、山に出かける頻度が高く、時間も自由になるので
山行きで心肺機能は、運動不足の若者より高い場合が多い。
ところがこれを「体力」と勘違いする老人が実に多い。
急勾配や長距離をこなし「どうだ!まだ若いものには負けん!」などと
思い込んでいる方々である。
ところが彼らとても体温調整機能、皮膚の感覚、故障の回復は確実に若者
のそれとは退化しているのである。
特に感覚の鈍さは致命的で、体調の不良を感じてからダウンまでの時間
がかなり短い。
近年の遭難の多くは、この老人たちが引き起こしたり、最悪は彼らに巻き込まれて
集団遭難となるケースなどが散見される。
低温対策はウェアでの対応が最も有効だが、おしなべてこれは高額で、リタイア組は
この先何時までもやるわけではないので・・・・ などの理由でこの装備に対する
投資を躊躇うケースが実に多い。
お金で贖える安全は「買う」のが山行きの鉄則だが、これを心底理解している方が
この方々でどれほどおられるのだろうか。
一番危ないケースはリタイヤ後に山行きを始めた方で、いわゆる基礎訓練と知識が
欠落している。
低山を歩いているだけなら良いが、段々危険な山に行くようになり、装備がそれに
付いていかず、天候の急変に対応出来ない場合では、先述のツエルトも設営経験が無ければ役には立たないし、着衣のタイミングも早め早めで行わないと間に合わない。
今ひとつ、ツアーに頼りすぎる危険、今回のツアー会社は2009年のトムラウシ
で安易なプランを指摘された会社である。
この会社のツアーは割高であることで名高い、しかしガイドの数が多かったり
テントその他をガイドが運ぶ「間違ったサービス」でも有名である。
ツアーでは「不適格」と思われる人も自己申告であるため参加が出来てしまう。
今回も「ツアー」だから、以前に問題があっても、もう安全と思い込んではいなかったか?
山での事故は、分母を考えれれば実に確率は低い、昔の事故率と比較すれば
雲泥の差であり、大騒ぎする必要の無い数値ではある。
私が言いたいのは、あまりに安易に取り組み参加する姿勢である、趣味道楽は
当然自己責任であり、これらを「お上」の監督下に置く必要などさらさら無い。
この安易さが、政治への無関心、平和ボケにつながってはいないかと危惧する。
現在のリタイア組は高度成長期、何もしなくても会社に行きさえすれば、それなり
の収入が保証された「良き時代」をお過ごしになった方々である、真面目にやれば
どうにかなるを生活信条とされた方でもあるが、もうその時代では無く、今一度あらゆる取り組みを「昔の経験」を忘れて見なおしていただきたいと切に思う。