10月
1日,
2012年
「神無月の頃」吉田兼好
神無月(カミナヅキ)のころ、栗栖野(クルスノ)といふ所を過ぎて、ある山里 に尋ね入(イ)る事侍りしに、遥かなる苔(コケ)の細道を踏み分けて、心ぼそく 住みなしたる庵(イホリ)あり。木の葉に埋(ウヅ)もるゝ懸樋(カケヒ)の雫(シ ヅク)ならでは、つゆおとなふものなし。閼伽棚(アカダナ)に菊・紅葉(モミヂ) など折り散らしたる、さすがに、住む人のあればなるべし。
かくてもあられけるよとあはれに見るほどに、かなたの庭に、大きなる柑子( カウジ)の木の、枝もたわゝになりたるが、まはりをきびしく囲ひたりしこそ、 少しことさめて、この木なからましかばと覚えしか。
この閼伽棚(アカダナ)は聖水を供える棚ですが、このアカの語源がラテン語のアクア、
アクエリアス、アクアラングもこれより。
はるか昔、シルクロードを越え、この言葉が伝わったのだと想像します・・・・・
※写真はWebより拝借
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